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レカムのニュース
■業績動向
1. 2019年9月期決算の業績概要
1) 2019年9月期連結業績の概要
レカム<3323>の2019年9月期の連結業績は、売上高が前期比35.1%増の9,858百万円、営業利益は同21.7%減の511百万円、経常利益は同2.3%増の642百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同4.3%増の318百万円であった。売上高は前期比大幅増収かつ5期連続増収となった。営業利益は前期比減となったものの、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は2期連続で過去最高益を達成した。2015年9月期に64百万円の営業損失を計上したのをボトムに、収益性の向上・事業拡大の傾向が続いている。
一方で、期初計画(売上高11,400百万円、営業利益1,200百万円、経常利益1,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益670百万円)に対して、売上高で13.5%、営業利益で57.4%、経常利益で46.5%、親会社株主に帰属する当期純利益で52.5%の未達となった。また、中期経営計画における最終年度の目標値(売上高100億円、営業利益10億円)に対しては、売上高1.4%、営業利益48.9%の未達となった。
第2四半期終了時点で期初計画を上方修正しつつも結果的に下回った要因は、エフティグループのASEAN3ヶ国の子会社を第3四半期から連結子会社化する予定だったのが第4四半期にずれ込んだこと、2018年9月期にM&Aでグループ入りした旧(株)R・S(現レカムジャパンウエスト)及び産電においてグループ統合に時間を要したこと、8月以降の売上が全体的に伸び悩んだこと、代理店への販売促進費が増加したことなどである。
売上高が前期比で大幅増収となったのは、2018年9月期から2019年9月期にかけて新規に連結子会社化、または事業開始した各社の売上高加算によるところが大きい。情報通信事業で2018年9月期第3四半期から連結した旧R・S、環境関連事業で2019年9月期第1四半期より連結子会社化した産電、海外法人事業で2019年9月期第3四半期より連結子会社化したエフティグループASEAN各拠点などである。売上拡大に併せて売上総利益は前期比33.8%増の3,384百万円となったが、販管費が事業規模の拡大に伴い同53.1%増の2,873百万円となった。これらにより、営業利益は前期比で21.7%減の511百万円となった。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益については、情報通信事業における加盟店の地位承継事業譲渡益が営業外収益として計上され、それぞれ前期比2.3%増、4.3%増と2期連続で過去最高益を更新した。
2) セグメント別の動向
a)情報通信事業
情報通信事業全体の売上高は、前期比0.1%増の4,592百万円。セグメント利益は、前期比42.9%増の193百万円となった。前期比増収増益であったが、中期計画比ではいずれも未達であった。前期のR・S経営統合により、西日本直販事業における直販拠点との統合の過程で営業員が退職等で減少し、売上高・粗利益率の伸び悩みが発生した。営業利益が前期比で大幅に向上しているのは、組織再編等により販売管理費が減少したことによるものと推測される。
売上高をチャネル別に見ると、直営店チャネルにおいては、新規の顧客開拓に注力するとともに、顧客データベースを活用した効率的な営業活動を行い、年々複雑化・巧妙化する企業へのサイバー攻撃対策として独自商品であるUTMの販売強化に努めた。また、直営店チャネルのシナジーを高めるために、旧コスモ情報機器、及び旧R・Sを直営店に編入し、これらの結果、同チャネルの売上高は前期比31.9%増の2,357百万円となった。
加盟店チャネルにおいては、加盟店へ販売手法の共有を推進するとともに、UTM等のセキュリティ商材の販売支援強化を進め、加盟店チャネルの売上高は前期比10.3%減の1,601百万円となった。代理店チャネルにおいては、採算性を重視した代理店の再編成を進めるとともに、各代理店に対してセキュリティ商材等の販売支援を積極的に実施し、売上高は前期比1.9%減の153百万円となった。グループ会社においては、ヴィーナステックジャパンのUTM販売が順調に増加した。また、レカムIEパートナーを環境関連事業へ変更し、グループシナジーを高める施策を行ったことで、グループ会社の売上高は前期比44.1%減の480百万円となった。
b) 環境関連事業
2018年12月に太陽光発電システムを販売する産電を連結子会社としたため、売上高は前期比131.0%増の2,977百万円と大幅増収となった。一方で、太陽光発電システム販売事業において営業員の増員による固定費が重しとなったほか、LED照明販売事業における直販が低調に推移したうえ、代理店への販売促進費の増加などもあって、セグメント利益は前期比86.0%減の28百万円となった。
売上高の計画比未達は、太陽光発電システム販売事業の売上減が要因となっている。利益の計画比未達は、売上減に加えて、LED照明販売事業の利益悪化によるものである。前期比で大幅増収となったのは、M&A効果によるものが大半でありLED照明販売の直販を伸ばせなかったこと、卸売りのリベートや販促費用が増加したことが主な要因と推測される。
c) BPO事業
売上高は前期比61.2%増の511百万円、セグメント利益は、前期比34.0%増の82百万円となった。増収増益だが、計画比ではやや未達であった。計画比未達の主要因は、大型案件が2020年9月期にずれ込んだことによる。BPO事業は、紹介営業やWebを通じた問い合わせによる新規営業展開を推進するとともに、既存顧客からの追加業務の獲得に取り組んだ。BPOセンターにおいては、業務効率と品質向上に取り組み、3拠点の特性を活かした業務を委託することで全体的な収益向上につなげている。第2四半期において、BPOセンターで経営幹部や現場責任者等を外部から招聘するなど組織の強化を図ったことから、その効果が表れたと思われる。
d) 海外法人事業
売上高は前期比61.3%増の1,776百万円、セグメント利益は前期比69.8%減の235百万円であった。前期比では増収減益、計画比では売上・利益ともに未達であった。計画比での未達要因は、M&A買収子会社(タイ・フィリピン・インドネシア)の株式買収手続きの遅れにより連結取り込みが第4四半期のみとなったこと、中国事業でLED照明の次の商品としての業務用エアコンやコンプレッサーの販売立ち上げが遅れたことなどである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)
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1. 2019年9月期決算の業績概要
1) 2019年9月期連結業績の概要
レカム<3323>の2019年9月期の連結業績は、売上高が前期比35.1%増の9,858百万円、営業利益は同21.7%減の511百万円、経常利益は同2.3%増の642百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同4.3%増の318百万円であった。売上高は前期比大幅増収かつ5期連続増収となった。営業利益は前期比減となったものの、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は2期連続で過去最高益を達成した。2015年9月期に64百万円の営業損失を計上したのをボトムに、収益性の向上・事業拡大の傾向が続いている。
一方で、期初計画(売上高11,400百万円、営業利益1,200百万円、経常利益1,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益670百万円)に対して、売上高で13.5%、営業利益で57.4%、経常利益で46.5%、親会社株主に帰属する当期純利益で52.5%の未達となった。また、中期経営計画における最終年度の目標値(売上高100億円、営業利益10億円)に対しては、売上高1.4%、営業利益48.9%の未達となった。
第2四半期終了時点で期初計画を上方修正しつつも結果的に下回った要因は、エフティグループのASEAN3ヶ国の子会社を第3四半期から連結子会社化する予定だったのが第4四半期にずれ込んだこと、2018年9月期にM&Aでグループ入りした旧(株)R・S(現レカムジャパンウエスト)及び産電においてグループ統合に時間を要したこと、8月以降の売上が全体的に伸び悩んだこと、代理店への販売促進費が増加したことなどである。
売上高が前期比で大幅増収となったのは、2018年9月期から2019年9月期にかけて新規に連結子会社化、または事業開始した各社の売上高加算によるところが大きい。情報通信事業で2018年9月期第3四半期から連結した旧R・S、環境関連事業で2019年9月期第1四半期より連結子会社化した産電、海外法人事業で2019年9月期第3四半期より連結子会社化したエフティグループASEAN各拠点などである。売上拡大に併せて売上総利益は前期比33.8%増の3,384百万円となったが、販管費が事業規模の拡大に伴い同53.1%増の2,873百万円となった。これらにより、営業利益は前期比で21.7%減の511百万円となった。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益については、情報通信事業における加盟店の地位承継事業譲渡益が営業外収益として計上され、それぞれ前期比2.3%増、4.3%増と2期連続で過去最高益を更新した。
2) セグメント別の動向
a)情報通信事業
情報通信事業全体の売上高は、前期比0.1%増の4,592百万円。セグメント利益は、前期比42.9%増の193百万円となった。前期比増収増益であったが、中期計画比ではいずれも未達であった。前期のR・S経営統合により、西日本直販事業における直販拠点との統合の過程で営業員が退職等で減少し、売上高・粗利益率の伸び悩みが発生した。営業利益が前期比で大幅に向上しているのは、組織再編等により販売管理費が減少したことによるものと推測される。
売上高をチャネル別に見ると、直営店チャネルにおいては、新規の顧客開拓に注力するとともに、顧客データベースを活用した効率的な営業活動を行い、年々複雑化・巧妙化する企業へのサイバー攻撃対策として独自商品であるUTMの販売強化に努めた。また、直営店チャネルのシナジーを高めるために、旧コスモ情報機器、及び旧R・Sを直営店に編入し、これらの結果、同チャネルの売上高は前期比31.9%増の2,357百万円となった。
加盟店チャネルにおいては、加盟店へ販売手法の共有を推進するとともに、UTM等のセキュリティ商材の販売支援強化を進め、加盟店チャネルの売上高は前期比10.3%減の1,601百万円となった。代理店チャネルにおいては、採算性を重視した代理店の再編成を進めるとともに、各代理店に対してセキュリティ商材等の販売支援を積極的に実施し、売上高は前期比1.9%減の153百万円となった。グループ会社においては、ヴィーナステックジャパンのUTM販売が順調に増加した。また、レカムIEパートナーを環境関連事業へ変更し、グループシナジーを高める施策を行ったことで、グループ会社の売上高は前期比44.1%減の480百万円となった。
b) 環境関連事業
2018年12月に太陽光発電システムを販売する産電を連結子会社としたため、売上高は前期比131.0%増の2,977百万円と大幅増収となった。一方で、太陽光発電システム販売事業において営業員の増員による固定費が重しとなったほか、LED照明販売事業における直販が低調に推移したうえ、代理店への販売促進費の増加などもあって、セグメント利益は前期比86.0%減の28百万円となった。
売上高の計画比未達は、太陽光発電システム販売事業の売上減が要因となっている。利益の計画比未達は、売上減に加えて、LED照明販売事業の利益悪化によるものである。前期比で大幅増収となったのは、M&A効果によるものが大半でありLED照明販売の直販を伸ばせなかったこと、卸売りのリベートや販促費用が増加したことが主な要因と推測される。
c) BPO事業
売上高は前期比61.2%増の511百万円、セグメント利益は、前期比34.0%増の82百万円となった。増収増益だが、計画比ではやや未達であった。計画比未達の主要因は、大型案件が2020年9月期にずれ込んだことによる。BPO事業は、紹介営業やWebを通じた問い合わせによる新規営業展開を推進するとともに、既存顧客からの追加業務の獲得に取り組んだ。BPOセンターにおいては、業務効率と品質向上に取り組み、3拠点の特性を活かした業務を委託することで全体的な収益向上につなげている。第2四半期において、BPOセンターで経営幹部や現場責任者等を外部から招聘するなど組織の強化を図ったことから、その効果が表れたと思われる。
d) 海外法人事業
売上高は前期比61.3%増の1,776百万円、セグメント利益は前期比69.8%減の235百万円であった。前期比では増収減益、計画比では売上・利益ともに未達であった。計画比での未達要因は、M&A買収子会社(タイ・フィリピン・インドネシア)の株式買収手続きの遅れにより連結取り込みが第4四半期のみとなったこと、中国事業でLED照明の次の商品としての業務用エアコンやコンプレッサーの販売立ち上げが遅れたことなどである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)
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