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【IRアナリストレポート】オーウイル(3143)

著者:鈴木 行生
投稿:2023/12/06 11:37

~業界トップの食品原料を有する商社、環境ビジネスも主力事業へ~

【ポイント】
・今2024年3月期も引き続きピーク利益を更新しよう。上半期は微減益となったが、計画を上回っており、下期も順調に推移しよう。飲料用副原料や乳製品が伸びており、環境ビジネスも成長が続いている。原料高の製品価格への転嫁は前下期から進んでいる。米国子会社の利益寄与も高まっている。来期も増益を継続しよう。

・新しいビジネスを育てようという動きが加速しつつある。既存分野で新規顧客が育っており、新規分野の開拓にも広がりが出つつある。環境関連の大型シーリングファンは順調で、食品工場などで使われるボイラー用のノズル式スチームトラップ(水排出機器)の取り扱いも増加している。熱交換の高効率化に寄与する点が高く評価されている。

・当社は、飲料用のビタミンC、缶コーヒーや製菓用の殺菌乳、飲料やデザート用のマンゴーピューレ・バナナピューレの取扱量で、民間企業として日本No.1、独自の専門性ときめ細かなサービスを特色とする提案型複合機能商社を実践している。

・近年は、食と環境のオーウイルに進化しつつある。物流倉庫などの大型施設で使われる大型シーリングファンが利益貢献を高めている。猛暑対策や省エネに加え、施設内の空気循環などコロナ対応にも寄与する。このシーリングファンで、マクロエア社からアジアの販売権も獲得したので、アジアの日系企業関連へのマーケティングが始まっている。

・新商材、人材投資、M&Aの具体化に力を入れている。水産加工品への取り組み、米国での食品ビジネスの強化、専門人材の採用、資本業務提携の推進など、次の路線作りを急いでいる。

・営業利益10億円を固めた後、次は15億円に向けて基盤作りが進もう。成長余力は十分にある。株価は割安である。ROE 15%×PER 10倍=PBR1.5倍が目途となろう。11月に自社株買い16万株(取得価額2.0億円、株式総数の5.08%)を実施した。好業績と増配が期待できる安定好配当を反映して、株式市場での評価はさらに高まってこよう。

目次
1.特色 食品原料を軸に複合機能商社を志向
2.強み ビタミンC、殺菌乳、マンゴーピューレで業界トップクラス
3.中期経営方針 大型シーリングファンが主力ビジネスに成長
4.当面の業績 円安、原料高を乗り越えて、ピーク利益の更新が続こう
5.企業評価 引き続き安定した好配当利回りに注目

オーウイル <3143>
企業レーティング
株価
(2023年12月5日)
1276円
時価総額 40億円
(3150千株)
PBR 0.91倍
ROE 16.0%
PER 5.69倍
配当利回り 3.9%
総資産 14730百万円
純資産 4558百万円
自己資本比率 30.0%
BPS 1405.1円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 税引き利益 EPS 配当
2014.3 27084 279 322 165 52.7 30.0
2015.3 27677 246 257 121 38.7 30.0
2016.3 27802 254 271 163 51.8 30.0
2017.3 28121 326 331 202 64.3 30.0
2018.3 31033 439 461 300 95.3 33.0
2019.3 31375 595 593 411 130.7 40.0
2020.3 32685 674 724 472 150.1 45.0
2021.3 29527 537 551 347 110.3 45.0
2022.3 28312 826 827 575 182.7 47.0
2023.3 31255 942 875 580 184.3 47.0
2024.3(予) 32000 1000 1000 670 224.1 50.0
2025.3(予) 33500 1100 1100 740 247.5 55.0

(2023.9ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。

企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/ouiru202312.pdf

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム
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