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きちりHD Research Memo(7):新規事業の育成により、一段の収益成長を目指す

配信元:フィスコ
投稿:2024/10/04 14:07
*14:07JST きちりHD Research Memo(7):新規事業の育成により、一段の収益成長を目指す ■きちりホールディングス<3082>の今後の見通し

2. 今後の成長戦略
同社は今後の成長戦略として、集客力の高いモール・郊外型レストラン業態の積極展開を推進するほか、未来の成長戦略として海外事業、DX事業、地方創生事業を育成することで中長期的な成長を目指す方針を掲げている。コロナ禍前までの業績をけん引してきた都市型ダイニング業態についても、条件に適う物件が出てくれば出店する方針に変わりはないが、当面は好調なモール・郊外型レストラン業態の拡大に注力する。

(1) レストラン業態の成長戦略
モール・郊外型レストラン業態の成長戦略として、従来推進してきた大型商業施設への出店拡大に加えて、焼肉業態「肉の満牛萬」も好調で、今後、さらなる展開を目指す。商業施設内店舗での出店余地についても依然大きい。同社が出店する商業施設は、売上規模が200億円以上あること、施設内にシネコンが入っていること、カラオケなどその他の集客の仕掛けがあること、大規模駐車場(2千台以上)が整備されていること、主要駅隣接施設であることの5つの項目で2つ以上の条件に合致する施設を対象としている。エリアとしては関東、中京、近畿の3エリアが範囲で、同社が試算したところ130施設以上が条件に該当する。これら既存施設で出店の可能性があるほか、今後開発される新規商業施設もターゲットとなる。1つの商業施設内に複数の業態を出店する可能性があることや、「いしがまやハンバーグ」「VEGEGO」の主力2業態は坪当たり売上高でトップクラスの実績を残しており、商業施設の新規開発段階で声がかかるほど太い関係を構築している取引先もあることなどから、前期末で59店舗だった商業施設内店舗数が中期的に100店舗以上に拡大する可能性が十分に考えられる。

1店舗当たりの平均売上高は80〜100百万円と見られ、店舗数が今後2倍になれば単純計算で60億円程度の売上増加要因となり、店舗数の拡大によって業績は着実に成長するものと予想される。

(2) 地方創生事業
地方創生事業については、これまで外食チェーン運営で培ったノウハウを生かして「地場産業の発展」と「日本全体の活力向上」に寄与できるとの考えから、ふるさと納税支援業務を2023年4月より敦賀市で開始した。主に返礼品の企画・開発、発送・清算管理、ポータルサイトの運営・管理、問い合わせの受付代行などふるさと納税に関わる一連の業務を受託しており、売上高は受託額の一定割合を計上している。同社の持つ商品開発力やプロデュース力を生かして、敦賀市の地域特産品のPR、ブランディングを行い、地域事業者の成長拡大並びに雇用促進に貢献している。発送・清算管理業務や受付代行業務などはPFS事業のノウハウを活用している。両方のノウハウを持つ企業は少なく、特に地域特産品の需要拡大に寄与する商品開発力やプロデュース力は他の事業者との差別化要因になると考えられ、今後もさらなる受注拡大が期待される。

(3) DX事業
ApplyNowが展開するDX事業では、BPaaS※事業を主軸に採用面接領域での事業拡大に取り組む。慢性的な人材不足により採用コストが上昇するなか、コスト低減と効率化の両方を実現できる同社の「Interview Cloud」や「ApplyNow」などのサービスは、アルバイトスタッフの採用数が多い外食・小売業界などでの潜在需要が大きい。特に、「Interview Cloud」では履歴書の提出から入社書類の提出まですべてオンラインで可能なほか、面接はプロの面接官が代行するため採用担当者の業務負担も軽減する。応募から面接までの期間も平均3日と一般的な期間(7日~10日)の半分程度に短縮できる。期間が短いほど採用率も向上する傾向にあるため、採用コストの低減効果も期待できる。同社では、今後も機能の拡充とあわせて代理店施策やデジタルマーケティングを強化し、大手企業を中心に新規顧客の獲得を進める。

※ BPaaS(Business Process as a Service)とは、特定の業務プロセスを外部企業にアウトソーシングし(BPO)、SaaSを活用して業務効率化を実現するサービス。

(4) 海外事業
海外事業では2019年にインドネシアの首都ジャカルタに「いしがまやハンバーグ」と「CHAVATY」を出店しており、2024年秋に「いしがまやハンバーグ」の2店舗目を出店する予定だ。まずはインドネシアで人事・店舗・購買・物流などの事業基盤を構築し、それを経済成長率の高い東南アジア市場で横展開する戦略である。海外事業に関しては、長期視点で事業の育成に取り組む方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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配信元: フィスコ
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