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ジェーソンのニュース
*16:01JST ジェーソン Research Memo(1):「尚仁沢の天然水」は累計出荷本数1,800万本を突破
■要約
ジェーソン<3080>は、関東一円で、低価格の飲料、加工食品、日用品などを扱うバラエティストア「ジェーソン」をチェーン展開しており、2024年2月末時点で直営店112店舗を有する。「ムリ・ムラ・ムダ」を省いた徹底したローコスト経営に強みがある。インフレによる値上げラッシュは、同社が属するディスカウントストア業界にとって追い風となっている。ナショナルブランド品を低価格で販売できるディスカウント店の利用者層が広がっていることに加え、さらに安価なプライベートブランド(PB)商品へのニーズも高く、同社は独自ルートで仕入れた低価格商品「JV(ジェーソン・バリュー)商品」※や、同社初のPB商品「尚仁沢(しょうじんざわ)の天然水」(ミネラルウォーター)などを展開している。同社の既存店売上高は順調な伸びを示しており、長期的には利益率の高いPB商品の取り扱い拡大などを通じてさらなる業績拡大が期待される。
※JV商品とは、同社が独自の仕入れルートにより他社よりも低価格を実現した商品。
1. 2024年2月期の業績概要
2024年2月期の連結業績は、売上高が前期比5.6%増の28,740百万円、営業利益が同9.4%増の876百万円となった。同社が期初時点で発表した予想(売上高28,500百万円、営業利益960百万円)に対しては、売上高は尚仁沢の天然水の販売好調などにより計画超過となったが、営業利益は83百万円の下振れとなった。これは2023年2月期の業績押し下げ要因となった電気料金をはじめとしたエネルギー価格高騰は一巡したものの、第4四半期に暖冬やコロナ関連商品の販売減少があったことによる。ただし、これはあくまで一過性による影響で、月次ベースの既存店売上高の推移をみると2023年12月に前年同月比99.1%と前年割れとなったが、2024年1月は同100.4%、2月は同101.0%とプラスへ転じており、今後は暖冬の影響も一巡することから過度に懸念する必要はないと見られる。2024年2月期の主なトピックスとしては、1) 売上高が前期比で5.6%増となったうち、客数は同1.5%増、客単価は同3.9%増となり、ペットボトル飲料を含めた食料品を中心に売上高は順調な拡大、2) 「尚仁沢の天然水」の製造販売を手掛ける子会社の(株)尚仁沢ビバレッジが販売本数の大幅増加により黒字化を達成し、2024年2月に累計出荷本数1,800万本を突破するなど、同社初のPB商品の販売が順調に増加、3) 上期に2店舗、下期に1店舗の合計3店舗を新規出店した一方、2店舗を閉店し、店舗数が年間で1店舗純増したことなどが挙げられる。
2. 2025年2月期の業績見通し
2025年2月期の連結業績は、売上高が前期比4.4%増の30,000百万円、営業利益が同13.0%増の990百万円を見込む。2024年2月期に新規出店した3店舗(神栖波崎店、熊谷石原店、つくばみどりの店)の売上寄与が見込まれること、同社が強みとするローコスト経営の推進、「尚仁沢の天然水」のさらなる増産に伴う製造子会社の利益拡大とそれによる全社の収益性向上、管理業務の自動化推進のほか、暖冬の影響やコロナ関連商品の販売減少も一巡することから、営業利益は大幅な増益が見込まれている。なお1株当たり配当金は2024年2月期と同額の13.0円を見込んでおり、会社業績予想に基づく配当性向は25.6%である。同社では2021年2月期から13.0円の配当を継続しているが、配当性向20%以上を意識しつつ、安定的な配当を続ける意向である。また、同社では新たに株主優待制度を開始することを2024年1月に発表した。優待内容としては(1) 同社店舗で利用できる株主優待券8,000円分、もしくは(2) ナチュラルミネラルウォーター「尚仁沢の天然水」の24本入り4箱を送付、のどちらかを選べるというものであり、毎年2月末時点で500株以上を保有する株主が対象である。2024年4月19日時点の株価649円を基準とすると500株は324,500円で購入できることになり、仮に(1)を選ぶとすれば優待利回りは2.47%となる。配当利回りが2.00%(=13円/649円)であることを踏まえると、株主優待を含めた総利回りは4.47%に達しており、株主優待の新設によってバリュー投資の観点からも注目できるようになったと言えよう。
3. 中長期成長に向けた2025年2月期の取り組み
同社は中長期成長に向けて、社内IT・デジタルテクノロジーの高度化を主軸に、徹底したローコスト経営と各種経営戦略を展開し、企業価値向上を推進している。2025年2月期の主な施策として1) 店舗のスクラップ&ビルド推進、2) JV商品やPB商品の取扱拡大、3) 効率的なマネジメント・組織体制づくり、の3点を掲げている。1) については、居抜き物件を中心としたローコスト出店を推進することに加え、個店ごとの収益管理を徹底し、低収益店舗については退店を検討。また、店舗拡大に資するM&A情報についても幅広く収集する計画。2) については、JV商品を中心にロープライスを訴求し、引き続き物価高に対抗するほか、SPA(製造小売業)及び新たなPB商品開発等により利益率の改善を図る。また、「尚仁沢の天然水」のさらなる増産体制を構築する計画。3) については、プロジェクト管理システムの活用によるマネジメント体制の高度化、店舗オペレーションの省人化促進、OEM生産やM&Aに対応可能な管理体制づくりを進める計画である。
■Key Points
・低価格の飲料、加工食品、日用品などを扱うバラエティストアチェーンを関東一円で展開。2024年2月末時点で直営店112店舗を有する
・同社初のPB商品である「尚仁沢の天然水」は順調な拡販が進む。製造子会社の営業利益も2024年2月期に黒字化を果たした
・2024年2月期は期初予想に対して売上高は想定を若干超過、営業利益は暖冬の影響などから未達。JV商品の拡大に加え、PB商品である「尚仁沢の天然水」の寄与も期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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ジェーソン<3080>は、関東一円で、低価格の飲料、加工食品、日用品などを扱うバラエティストア「ジェーソン」をチェーン展開しており、2024年2月末時点で直営店112店舗を有する。「ムリ・ムラ・ムダ」を省いた徹底したローコスト経営に強みがある。インフレによる値上げラッシュは、同社が属するディスカウントストア業界にとって追い風となっている。ナショナルブランド品を低価格で販売できるディスカウント店の利用者層が広がっていることに加え、さらに安価なプライベートブランド(PB)商品へのニーズも高く、同社は独自ルートで仕入れた低価格商品「JV(ジェーソン・バリュー)商品」※や、同社初のPB商品「尚仁沢(しょうじんざわ)の天然水」(ミネラルウォーター)などを展開している。同社の既存店売上高は順調な伸びを示しており、長期的には利益率の高いPB商品の取り扱い拡大などを通じてさらなる業績拡大が期待される。
※JV商品とは、同社が独自の仕入れルートにより他社よりも低価格を実現した商品。
1. 2024年2月期の業績概要
2024年2月期の連結業績は、売上高が前期比5.6%増の28,740百万円、営業利益が同9.4%増の876百万円となった。同社が期初時点で発表した予想(売上高28,500百万円、営業利益960百万円)に対しては、売上高は尚仁沢の天然水の販売好調などにより計画超過となったが、営業利益は83百万円の下振れとなった。これは2023年2月期の業績押し下げ要因となった電気料金をはじめとしたエネルギー価格高騰は一巡したものの、第4四半期に暖冬やコロナ関連商品の販売減少があったことによる。ただし、これはあくまで一過性による影響で、月次ベースの既存店売上高の推移をみると2023年12月に前年同月比99.1%と前年割れとなったが、2024年1月は同100.4%、2月は同101.0%とプラスへ転じており、今後は暖冬の影響も一巡することから過度に懸念する必要はないと見られる。2024年2月期の主なトピックスとしては、1) 売上高が前期比で5.6%増となったうち、客数は同1.5%増、客単価は同3.9%増となり、ペットボトル飲料を含めた食料品を中心に売上高は順調な拡大、2) 「尚仁沢の天然水」の製造販売を手掛ける子会社の(株)尚仁沢ビバレッジが販売本数の大幅増加により黒字化を達成し、2024年2月に累計出荷本数1,800万本を突破するなど、同社初のPB商品の販売が順調に増加、3) 上期に2店舗、下期に1店舗の合計3店舗を新規出店した一方、2店舗を閉店し、店舗数が年間で1店舗純増したことなどが挙げられる。
2. 2025年2月期の業績見通し
2025年2月期の連結業績は、売上高が前期比4.4%増の30,000百万円、営業利益が同13.0%増の990百万円を見込む。2024年2月期に新規出店した3店舗(神栖波崎店、熊谷石原店、つくばみどりの店)の売上寄与が見込まれること、同社が強みとするローコスト経営の推進、「尚仁沢の天然水」のさらなる増産に伴う製造子会社の利益拡大とそれによる全社の収益性向上、管理業務の自動化推進のほか、暖冬の影響やコロナ関連商品の販売減少も一巡することから、営業利益は大幅な増益が見込まれている。なお1株当たり配当金は2024年2月期と同額の13.0円を見込んでおり、会社業績予想に基づく配当性向は25.6%である。同社では2021年2月期から13.0円の配当を継続しているが、配当性向20%以上を意識しつつ、安定的な配当を続ける意向である。また、同社では新たに株主優待制度を開始することを2024年1月に発表した。優待内容としては(1) 同社店舗で利用できる株主優待券8,000円分、もしくは(2) ナチュラルミネラルウォーター「尚仁沢の天然水」の24本入り4箱を送付、のどちらかを選べるというものであり、毎年2月末時点で500株以上を保有する株主が対象である。2024年4月19日時点の株価649円を基準とすると500株は324,500円で購入できることになり、仮に(1)を選ぶとすれば優待利回りは2.47%となる。配当利回りが2.00%(=13円/649円)であることを踏まえると、株主優待を含めた総利回りは4.47%に達しており、株主優待の新設によってバリュー投資の観点からも注目できるようになったと言えよう。
3. 中長期成長に向けた2025年2月期の取り組み
同社は中長期成長に向けて、社内IT・デジタルテクノロジーの高度化を主軸に、徹底したローコスト経営と各種経営戦略を展開し、企業価値向上を推進している。2025年2月期の主な施策として1) 店舗のスクラップ&ビルド推進、2) JV商品やPB商品の取扱拡大、3) 効率的なマネジメント・組織体制づくり、の3点を掲げている。1) については、居抜き物件を中心としたローコスト出店を推進することに加え、個店ごとの収益管理を徹底し、低収益店舗については退店を検討。また、店舗拡大に資するM&A情報についても幅広く収集する計画。2) については、JV商品を中心にロープライスを訴求し、引き続き物価高に対抗するほか、SPA(製造小売業)及び新たなPB商品開発等により利益率の改善を図る。また、「尚仁沢の天然水」のさらなる増産体制を構築する計画。3) については、プロジェクト管理システムの活用によるマネジメント体制の高度化、店舗オペレーションの省人化促進、OEM生産やM&Aに対応可能な管理体制づくりを進める計画である。
■Key Points
・低価格の飲料、加工食品、日用品などを扱うバラエティストアチェーンを関東一円で展開。2024年2月末時点で直営店112店舗を有する
・同社初のPB商品である「尚仁沢の天然水」は順調な拡販が進む。製造子会社の営業利益も2024年2月期に黒字化を果たした
・2024年2月期は期初予想に対して売上高は想定を若干超過、営業利益は暖冬の影響などから未達。JV商品の拡大に加え、PB商品である「尚仁沢の天然水」の寄与も期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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