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MonotaROのニュース
*13:01JST MRO Research Memo(1):2024年12月期第2Qは前年同期比2ケタ増収増益。2024年12月期好調維持
■要約
MonotaRO<3064>は、大阪府大阪市※に本社を置く、間接資材のインターネット通販会社である。間接資材は、製造工程で使用される研磨剤やドリル、軍手など品目が多種にわたり、業種により個別性が高い。間接資材の市場規模は5~10兆円で、主な販売チャネルは訪問工具商・金物屋・自動車部品商などであり、特にインターネット通販チャネルの成長性は高い。同業他社には、アスクル<2678>、ミスミグループ本社<9962>、アマゾンジャパン(同)などがある。
※2023年11月、本社を兵庫県尼崎市から大阪市北区「JPタワー大阪」に移転した。今後、業務効率化と生産性向上をさらに推し進めるとともに、社員相互のコミュニケーションを活性化させ、さらなる成長を図ることを目的とした移転である。そのため、1フロアが約4,000m2の広さを生かし、一人ひとりの社員がクリエイティブなアイデアを自由に出し合い、セレンディピティを高めて協創を生み出せるようなスペースと打合せブースを多く設けている。
同社のビジネスモデルの特徴は、同一の価格で間接資材を販売するという点である。不透明な価格での購入を強いられることが多かった中小企業を中心に支持を得て、ニッチ市場における専門通販業者として確固たる地位を確立した。近年は大企業との連携による購買管理システム事業も急成長している。2024年6月末現在で9,621千口座の顧客に対して2,290万点を超えるアイテムを取り扱い、56.8万点を自社センターに在庫する。ロングテールの圧倒的な品揃え、コストパフォーマンスに優れるPB商品、サイトでの商品推薦や短いリードタイムなど、同社の間接資材プラットフォームは他社と差別化されており、2ケタ以上の高い成長を継続している。加えて、ROE27.5%(2023年12月期)、自己資本比率70.5%(2024年6月末)と、収益性・安全性ともに際立つ業績である。また同社は2024年1月1日をもって、新しい代表執行役社長に常務執行役であった田村咲耶(たむらさくや)氏が昇格した。10年以上にわたり同社の成長をけん引してきた前 代表執行役社長の鈴木雅哉(すずきまさや)氏は、代表執行役会長として経営全般・海外分野などを担当している。
1. 2024年12月期第2四半期の単体業績
2024年12月期第2四半期単体業績は、売上高が前年同期比11.9%増の133,531百万円、営業利益が同16.2%増の18,505百万円、四半期純利益が同15.5%増の12,944百万円となり、2ケタ成長を継続した。計画に対しても、売上高及び営業利益は過達と順調である。売上面では、主力の事業者向けネット通販事業は、注文顧客数増及び注文単価増が原動力となり、前年同期比でも計画比でも順調に推移した。その中で、購買管理システム事業(大企業連携)は注文顧客数増を主因として、同28.6%増と高い成長を維持しており、売上構成比で30.8%となった。新規顧客獲得数は前期末比515千口座増と堅調に増加した。
2. 2024年12月期の連結業績見通し
2024年12月期の連結業績は、売上高が前期比12.7%増の286,570百万円、営業利益が同14.4%増の35,820百万円、経常利益が同13.6%増の35,835百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同15.1%増の25,096百万円と、売上高・各利益ともに期初計画どおり2ケタ増の成長を見込んでいる。
売上高に関しては、前期の増収率並みの予想で依然として高い成長を見込む。ネット通販事業・新規に関しては、前期からやや目標は下がるが、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)がより高い法人は獲得数を増加させる計画である。顧客の購買拡大を目的にパーソナライズ化や統合マーケティングを推進するなど、施策の精緻化を推進する。購買管理システム事業(大企業連携)に関しては、引き続き高成長を見込む。2024年12月期第2四半期を終えて通期の売上高計画に対する進捗率は48.6%(前年同期は48.9%)と前期並みである。
売上総利益率は前期比0.2ポイント減の29.7%と下降する見込みである一方、販管費率を前期比0.4ポイント減の17.2%と前期からさらなる改善を見込む。結果として、営業利益率は前期比0.2ポイント増の12.5%を予想する。通期の営業利益計画に対する第2四半期の進捗率は49.5%(前年同期は49.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益計画に対する進捗率は49.8%(同49.9%)と、いずれも前期並みであり順調に推移している。
為替の変動や原材料価格の動向など外部環境の不透明さはあるものの、大企業連携の高成長や猪名川ディストリビューションセンター(DC)の生産性向上など改善策が奏功しており、足元の業績は順調である。新しいマーケティング施策やヤマト運輸(株)と連携した配送サービスの向上策(一部エリアでの出荷締め切り時間延長など)の効果は予算に織り込んでおらず、弊社では期中にそれらの効果が一部顕在化する可能性があると考えている。
■Key Points
・2024年12月期第2四半期は、前年同期比2ケタ増収増益
・2024年12月期の連結業績予想は売上高2,865億円、営業利益358億円
・一部エリアでの出荷締め切り時間延長などヤマト運輸と連携した配送サービス向上策を開始予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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MonotaRO<3064>は、大阪府大阪市※に本社を置く、間接資材のインターネット通販会社である。間接資材は、製造工程で使用される研磨剤やドリル、軍手など品目が多種にわたり、業種により個別性が高い。間接資材の市場規模は5~10兆円で、主な販売チャネルは訪問工具商・金物屋・自動車部品商などであり、特にインターネット通販チャネルの成長性は高い。同業他社には、アスクル<2678>、ミスミグループ本社<9962>、アマゾンジャパン(同)などがある。
※2023年11月、本社を兵庫県尼崎市から大阪市北区「JPタワー大阪」に移転した。今後、業務効率化と生産性向上をさらに推し進めるとともに、社員相互のコミュニケーションを活性化させ、さらなる成長を図ることを目的とした移転である。そのため、1フロアが約4,000m2の広さを生かし、一人ひとりの社員がクリエイティブなアイデアを自由に出し合い、セレンディピティを高めて協創を生み出せるようなスペースと打合せブースを多く設けている。
同社のビジネスモデルの特徴は、同一の価格で間接資材を販売するという点である。不透明な価格での購入を強いられることが多かった中小企業を中心に支持を得て、ニッチ市場における専門通販業者として確固たる地位を確立した。近年は大企業との連携による購買管理システム事業も急成長している。2024年6月末現在で9,621千口座の顧客に対して2,290万点を超えるアイテムを取り扱い、56.8万点を自社センターに在庫する。ロングテールの圧倒的な品揃え、コストパフォーマンスに優れるPB商品、サイトでの商品推薦や短いリードタイムなど、同社の間接資材プラットフォームは他社と差別化されており、2ケタ以上の高い成長を継続している。加えて、ROE27.5%(2023年12月期)、自己資本比率70.5%(2024年6月末)と、収益性・安全性ともに際立つ業績である。また同社は2024年1月1日をもって、新しい代表執行役社長に常務執行役であった田村咲耶(たむらさくや)氏が昇格した。10年以上にわたり同社の成長をけん引してきた前 代表執行役社長の鈴木雅哉(すずきまさや)氏は、代表執行役会長として経営全般・海外分野などを担当している。
1. 2024年12月期第2四半期の単体業績
2024年12月期第2四半期単体業績は、売上高が前年同期比11.9%増の133,531百万円、営業利益が同16.2%増の18,505百万円、四半期純利益が同15.5%増の12,944百万円となり、2ケタ成長を継続した。計画に対しても、売上高及び営業利益は過達と順調である。売上面では、主力の事業者向けネット通販事業は、注文顧客数増及び注文単価増が原動力となり、前年同期比でも計画比でも順調に推移した。その中で、購買管理システム事業(大企業連携)は注文顧客数増を主因として、同28.6%増と高い成長を維持しており、売上構成比で30.8%となった。新規顧客獲得数は前期末比515千口座増と堅調に増加した。
2. 2024年12月期の連結業績見通し
2024年12月期の連結業績は、売上高が前期比12.7%増の286,570百万円、営業利益が同14.4%増の35,820百万円、経常利益が同13.6%増の35,835百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同15.1%増の25,096百万円と、売上高・各利益ともに期初計画どおり2ケタ増の成長を見込んでいる。
売上高に関しては、前期の増収率並みの予想で依然として高い成長を見込む。ネット通販事業・新規に関しては、前期からやや目標は下がるが、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)がより高い法人は獲得数を増加させる計画である。顧客の購買拡大を目的にパーソナライズ化や統合マーケティングを推進するなど、施策の精緻化を推進する。購買管理システム事業(大企業連携)に関しては、引き続き高成長を見込む。2024年12月期第2四半期を終えて通期の売上高計画に対する進捗率は48.6%(前年同期は48.9%)と前期並みである。
売上総利益率は前期比0.2ポイント減の29.7%と下降する見込みである一方、販管費率を前期比0.4ポイント減の17.2%と前期からさらなる改善を見込む。結果として、営業利益率は前期比0.2ポイント増の12.5%を予想する。通期の営業利益計画に対する第2四半期の進捗率は49.5%(前年同期は49.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益計画に対する進捗率は49.8%(同49.9%)と、いずれも前期並みであり順調に推移している。
為替の変動や原材料価格の動向など外部環境の不透明さはあるものの、大企業連携の高成長や猪名川ディストリビューションセンター(DC)の生産性向上など改善策が奏功しており、足元の業績は順調である。新しいマーケティング施策やヤマト運輸(株)と連携した配送サービスの向上策(一部エリアでの出荷締め切り時間延長など)の効果は予算に織り込んでおらず、弊社では期中にそれらの効果が一部顕在化する可能性があると考えている。
■Key Points
・2024年12月期第2四半期は、前年同期比2ケタ増収増益
・2024年12月期の連結業績予想は売上高2,865億円、営業利益358億円
・一部エリアでの出荷締め切り時間延長などヤマト運輸と連携した配送サービス向上策を開始予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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