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ヨコレイ Research Memo(9):ヨコレイ事業ビジョン2030の経営方針の具現化に向けた取り組みを推進

配信元:フィスコ
投稿:2026/01/26 13:19
*13:19JST ヨコレイ Research Memo(9):ヨコレイ事業ビジョン2030の経営方針の具現化に向けた取り組みを推進 ■中長期の成長戦略

1. 「ヨコレイ事業ビジョン2030」
横浜冷凍<2874>は、2030年9月期を最終年度とする中長期的な経営方針として「ヨコレイ事業ビジョン2030」「ヨコレイサステナビリティビジョン2030」を公表している。同社は、事業ごとに社会に提供する価値(ありたい姿)を定義しており、冷蔵倉庫事業では「伝統と革新を融合したスマートコールドサービスの提供」を目指す。「環境配慮No.1を強みとした低温物流事業の更なる強化」「多機能物流センターで高効率とダイバーシティをけん引」「ステークホルダーに選ばれ続けるヨコレイ品質で世界へ」という3つの指針により社会に提供する価値を強化していく。食品販売事業においては、事業を通じて「顧客とともに食の独自価値を実現し、生産者に寄り添い守り、世界の食卓を豊かにする」ため、「過去から脱却し時代の変化に対応し、顧客とともに独自価値を実現」「あらゆる資源を活用し、グローバル展開を加速」「持続可能な食と地域づくりの実践を強みにした事業展開」の3つの指針を軸に事業活動を推進する。

2030年9月期には売上高1,700億円、営業利益100億円、EBITDA170億円以上を達成する計画である。事業別の定量目標としては、冷蔵倉庫事業がセグメント売上高400億円、セグメント利益100億円(配賦不能営業費用控除前の数値。以下同)、「多機能&オートメーション化」を設備した低温物流センターを10センター新設(庫腹約25万トン増)する計画である。食品販売事業においては、セグメント売上高1,300億円、セグメント利益率3.0%以上を計画している。そのほか、持続可能な社会の実現に事業活動を通じて貢献するために、自然冷媒導入率を85%以上、太陽光発電能力20MWを目指す。ノルウェーサーモン事業を2021年9月期末に非連結化したことに加えて、量から質への変革が着実に進展していることから、弊社では食品販売事業の収益性向上に注目している。冷蔵倉庫事業は引き続き堅調な推移が想定できるため、業績と利益率の向上が期待できる。2030年9月期の目標を達成すべく、2024年9月期からは新・中期経営計画第II期「繋ぐ力」がスタートしている。

2. 中期経営計画第II期「繋ぐ力」
新・中期経営計画第II期(2024年9月期~2026年9月期)では、新・中期経営計画第I期で提供したサービスの成長を加速させるため、「取引先」「生産者」「株主」「地域社会」「社員及び社内の各部門間」の横のつながり、また、「2030年事業ビジョン」、さらに「ヨコレイ100周年」そして「未来」へのつながりを意識して全体方針を「繋ぐ力」と策定した。新・中期経営計画第I期「創る力」(2021年9月期~2023年9月期)では、冷蔵倉庫事業が複合型マルチ物流サービスの提供加速などをはじめとする重点施策の着実な実行により業績を拡大させたほか、食品販売事業においても相場の不確実性はありながら収益性向上のための構造改革をはじめとする改革・成長パッケージが確実に遂行された。「繋ぐ力」においては、2年度目を終え、最終年度に向けた重要な局面にある。同社は2025年11月13日、事業環境の激変と各セグメントの戦略的転換を反映し、2026年9月期の最終目標数値を見直した。修正後の計画では、売上高を1,180億円(当初予想1,500億円)、営業利益を48億円(同65億円)へと引き下げ、ROEの目標も4%以上(同5%以上)へと下方修正しているが、EBITDA130億円及び自己資本比率40%台の維持という財務健全性の指標は堅持している。

冷蔵倉庫事業においては、拠点網の拡大と環境対策の両面で着実な進捗が見られる。当初目標としていた「環境配慮型センター」の竣工は計画どおり進んでおり、当期には国内で「岡山CONNECT物流センター」及び「十勝フードバレー物流センター」、海外では同社初となるベトナムの「ベンルック物流センター」の計3拠点が竣工した。これにより、2025年末時点の拠点は国内56ヶ所、海外6ヶ所の体制となる。需要面は堅調であり、入出庫量及び在庫量が前期を上回る推移を見せていることから、セグメント売上高は当初目標を上回る380億円(当初目標360億円)を見込んでいる。一方、利益面では建設費高騰に伴う減価償却費の増加やエネルギーコストの上昇が当初の想定を上回る水準で推移しており、これらが利益を圧迫する要因となっている。同社はこれに対し、料金体系の適正化や、全自動倉庫システムの導入による省人化・生産性向上を通じて収益性の改善を図る方針である。

食品販売事業では、中期経営計画の柱である「利益率重視の事業構造への転換」を加速させている。従来の規模を追う戦略から質を重視する経営へと舵を切り、低採算取引の見直しと在庫管理の徹底を推進している。この構造改革により、2026年9月期のセグメント売上高は800億円(当初目標1,140億円)へと大幅に縮小する計画だが、セグメント営業利益率については目標の2.2%を維持し、高収益体質への脱却を目指している。具体的な施策としては、DXを活用した商談情報の可視化、事業別ROICの導入による組織的販売の強化、さらには販売事業本部の傘下に管理チーム及び営業チームの新設による商圏開拓などが挙げられる。

サステナビリティへの取り組みも中期経営計画の重要な進捗指標となっている。同社は「環境配慮No.1」を掲げ、自然冷媒導入を強力に推進しており、2025年9月末時点での自然冷媒導入率は74.6%となった。2026年9月期にはこれを80%まで引き上げる計画であり、業界平均を上回る省エネ性能を背景に、環境意識の高い顧客層への訴求を強めている。また、太陽光発電能力も13メガワット(国内外34ヶ所)まで拡大しており、2030年の目標である20メガワットに向けて順調な推移を見せている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 星 匠)

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配信元: フィスコ

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