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エレマテックのニュース
■中長期の成長戦略
1. 中期経営戦略「エレマテックNEXT」の概要と重点領域
エレマテック<2715>は、新しい中期経営計画「エレマテックNEXT」を発表している。その中期戦略の柱として、「高付加価値型ビジネスの拡大」、「国内外有力顧客の開拓」、「自動車領域への注力」の3つを掲げている。
2. 高付加価値型ビジネス:完成品ODMビジネスの展開
(1) ODMチームを発足
技術部、環境・品質保証部、営業部・開発部から派遣された専門家集団(営業、品質保証、設計)により「ODMチーム」を組成、より付加価値の高い完成品ODMビジネスを積極的に展開する。さらにこれらのODMチームをサポートする体制として、企画・設計・品質・配送を一元管理すると同時に、日本・海外双方に営業、品質管理部隊を配置して海外サイドの品質をフォローする。これらの仕組みを要約すると下図のようになる。
(2) ターゲット顧客
同社は以下のような強みを持っている。
・日本だけでなく、海外でも品質サポートが可能
・豊富な情報ネットワーク(仕入先6,800社、販売先6,600社)
・技術部・環境品質保証部の専門性と高い企画力・提案力
・企画・設計から量産まで一元管理が可能
今後はこれらの強みを活かして、ODMビジネスのターゲット顧客として主に以下の二つを重点的に開拓する。
a) 既存顧客:国内外有力企業
セットメーカーを中心とした国内外の有力企業(既存顧客)のニーズを深堀りし、既存商材の販売にとどまらずODM分野を新規開拓する。
b) 新規顧客:大手量販店PB
プライベートブランド(PB)を出している家具、雑貨、家電等の量販店及び通信キャリア等へ参入する。
3. 海外有力顧客の開拓
(1) 刺さる商材の提案強化
同社では、国内外の有力顧客から評価される「刺さる商材」の拡充を進めている。具体的には高機能商材(放熱用液体金属、フォルダブルスマートフォン用部材)、エコ関連商材(環境対応型梱包材、エコ関連スマートフォン用部材)、特殊意匠(異種材料成形品、スマートフォン用発光インク)などがラインアップされている。
戦略としては、これらを含めて国内外有力商材の開拓・横展開を進め、顧客ニーズに合わせた商材の使い分けを行う。主なターゲットは、米系大手顧客と中国系大手顧客。既に実績として、米系、中国系有力顧客との直接取引口座を開設済み。また2022年3月期は、前期にスペックインした商材の量産を開始する予定。
(2) 日系有力商材の展示
海外有力顧客開拓の戦略としては、専属チームの新設に加え、これらのターゲット顧客の企画・開発拠点近く(米国サンノゼ)にショールームを開設した。実際の開設はコロナ禍の影響で2021年2月へずれ込んだが、ここへ日系有力商材を中心に展示している。加えて、デモによる実演を行い現場での体感が可能となっている。このショールームを活用することで、人脈の構築及び顧客ニーズをタイムリーにキャッチすることを狙っている。
4. 自動車ビジネスの拡充
自動車業界は100年に一度の大変革期にあると言われており、同社でも、今後ますます電装化比率が上昇すると予想される自動車領域に注力し、この分野での事業を拡充する。
自動車のモジュールビジネス拡大(提案型)
(1) 自社工場の活用(メーター液晶ボンディング)
需要が増加する液晶ボンディングビジネスに参入。日本市場で数社しか対応できない高付加価値製品を受注した。
(2) EV関連(バッテリー部品アッセンブリー)
設備設計、顧客近くの製造拠点の確保、作業人員の確保などの顧客要求をクリアし、PHEV、HEV用バッテリーパック部材のアッセンブリーを数車種に展開する。
(3) 車載ユニット(コクピットモジュール)
内装樹脂加飾部品と電装部品を一体で複数車種受注した。今後は技術力をアピールし、設計からの受注を目指す。
5. 中期業績予想
中期の業績計画として、同社は毎年期初に、ローリング方式による当該年度と2年後の業績予想を開示している。2022年3月期の開始に当たっては、当期業績予想とともに2024年3月期において、売上高2,200億円、経常利益90億円を目指す中期予想を公表している。コロナ禍の影響からの回復及び高付加価値ビジネスの強化により、過去最高益の更新を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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1. 中期経営戦略「エレマテックNEXT」の概要と重点領域
エレマテック<2715>は、新しい中期経営計画「エレマテックNEXT」を発表している。その中期戦略の柱として、「高付加価値型ビジネスの拡大」、「国内外有力顧客の開拓」、「自動車領域への注力」の3つを掲げている。
2. 高付加価値型ビジネス:完成品ODMビジネスの展開
(1) ODMチームを発足
技術部、環境・品質保証部、営業部・開発部から派遣された専門家集団(営業、品質保証、設計)により「ODMチーム」を組成、より付加価値の高い完成品ODMビジネスを積極的に展開する。さらにこれらのODMチームをサポートする体制として、企画・設計・品質・配送を一元管理すると同時に、日本・海外双方に営業、品質管理部隊を配置して海外サイドの品質をフォローする。これらの仕組みを要約すると下図のようになる。
(2) ターゲット顧客
同社は以下のような強みを持っている。
・日本だけでなく、海外でも品質サポートが可能
・豊富な情報ネットワーク(仕入先6,800社、販売先6,600社)
・技術部・環境品質保証部の専門性と高い企画力・提案力
・企画・設計から量産まで一元管理が可能
今後はこれらの強みを活かして、ODMビジネスのターゲット顧客として主に以下の二つを重点的に開拓する。
a) 既存顧客:国内外有力企業
セットメーカーを中心とした国内外の有力企業(既存顧客)のニーズを深堀りし、既存商材の販売にとどまらずODM分野を新規開拓する。
b) 新規顧客:大手量販店PB
プライベートブランド(PB)を出している家具、雑貨、家電等の量販店及び通信キャリア等へ参入する。
3. 海外有力顧客の開拓
(1) 刺さる商材の提案強化
同社では、国内外の有力顧客から評価される「刺さる商材」の拡充を進めている。具体的には高機能商材(放熱用液体金属、フォルダブルスマートフォン用部材)、エコ関連商材(環境対応型梱包材、エコ関連スマートフォン用部材)、特殊意匠(異種材料成形品、スマートフォン用発光インク)などがラインアップされている。
戦略としては、これらを含めて国内外有力商材の開拓・横展開を進め、顧客ニーズに合わせた商材の使い分けを行う。主なターゲットは、米系大手顧客と中国系大手顧客。既に実績として、米系、中国系有力顧客との直接取引口座を開設済み。また2022年3月期は、前期にスペックインした商材の量産を開始する予定。
(2) 日系有力商材の展示
海外有力顧客開拓の戦略としては、専属チームの新設に加え、これらのターゲット顧客の企画・開発拠点近く(米国サンノゼ)にショールームを開設した。実際の開設はコロナ禍の影響で2021年2月へずれ込んだが、ここへ日系有力商材を中心に展示している。加えて、デモによる実演を行い現場での体感が可能となっている。このショールームを活用することで、人脈の構築及び顧客ニーズをタイムリーにキャッチすることを狙っている。
4. 自動車ビジネスの拡充
自動車業界は100年に一度の大変革期にあると言われており、同社でも、今後ますます電装化比率が上昇すると予想される自動車領域に注力し、この分野での事業を拡充する。
自動車のモジュールビジネス拡大(提案型)
(1) 自社工場の活用(メーター液晶ボンディング)
需要が増加する液晶ボンディングビジネスに参入。日本市場で数社しか対応できない高付加価値製品を受注した。
(2) EV関連(バッテリー部品アッセンブリー)
設備設計、顧客近くの製造拠点の確保、作業人員の確保などの顧客要求をクリアし、PHEV、HEV用バッテリーパック部材のアッセンブリーを数車種に展開する。
(3) 車載ユニット(コクピットモジュール)
内装樹脂加飾部品と電装部品を一体で複数車種受注した。今後は技術力をアピールし、設計からの受注を目指す。
5. 中期業績予想
中期の業績計画として、同社は毎年期初に、ローリング方式による当該年度と2年後の業績予想を開示している。2022年3月期の開始に当たっては、当期業績予想とともに2024年3月期において、売上高2,200億円、経常利益90億円を目指す中期予想を公表している。コロナ禍の影響からの回復及び高付加価値ビジネスの強化により、過去最高益の更新を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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