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ダイナックホールディングスのニュース
■業績の動向
2. 2019年12月期決算の概要
ダイナックホールディングス<2675>の2019年12月期の業績は、売上高が前期比3.0%増の37,189百万円、営業利益が同52.4%減の129百万円、経常利益が同62.0%減の246百万円、親会社株主に帰属する当期純損失が305百万円(前期は220百万円の利益)と増収ながら減益となった。また、修正予想に対しても、売上高はほぼ計画線を確保したものの、各段階利益は下回る着地となっている。
売上高は、2018年12月期出店分による通年寄与や2019年12月期出店分(9店舗)が増収に大きく貢献。また、既存店が堅調に推移するとともに、業態変更を含む改装効果等も増収要因となっている。ただ、収益貢献の低い店舗の早期撤退(14店舗)にも積極的に取り組んだことから、増収率は前期比3.0%増にとどまった。
売上高の増減を分析すると、1)2018年12月期及び2019年12月期に閉店した分が1,494百万円の減収要因となった一方、2)既存店売上高の伸びが8百万円、3) 2018年12月期出店分による通年寄与が710百万円、4) 2019年12月期出店分による寄与が1,764百万円、5)業態変更を含む改装効果等が105百万円の増収要因となっている。
既存店売上高は全社ベースで前期比100%となった。客数は同98.1%と若干減少したが、客単価が同102.0%と伸長した。業態別では、バー・レストランが同99.4%、ゴルフクラブレストランが同102.4%、その他(道の駅やパーキングエリア等)が同99.2%となっており、総じて堅調に推移したと言える。特にゴルフクラブレストランの既存店が伸びたのは、前期にみられたような天候不順の影響が少なかったことなどが理由である。
一方、利益面では、1)採用・教育にかかる人件費の増加、2)アルバイト時給単価の上昇、3)道の駅・パーキングエリアの売上増に伴う商品原価の増加などにより、原価率が88.5%(前期は87.7%)に悪化。一方、販管費はほぼ前期並みの水準に抑えたものの、原価率の悪化による影響が大きかったことから営業減益となり、営業利益率も0.3%(前期は0.8%)に低下した。特に利益面で計画を下回ったのは、新たに受託した鈴鹿パーキングエリア「PIT SUZUKA」の売上構成の読み違い※により、商品原価が想定以上に膨らんだことが主因のようだ。もっとも、既に対策を講じていることから、今後は改善に向かうものと考えられる。
※飲食よりも、物販(お土産等)による売上構成が計画よりも高かったことが商品原価の増加を招いた。ただ、物販を中心とした人材配置やオペレーションの最適化等に取り組むことにより、足元の収益性は徐々に改善に向かっているようだ。
また、店舗にかかる営業補償金の受入(営業外収益)が前期比で減少したことに加え、前述のとおり、収益貢献の低い店舗の早期撤退等に伴う減損損失(237百万円)や店舗等撤退損失(175百万円)を特別損失に計上したことにより、最終損益はマイナス(赤字)となった。
財政状態については、総資産が「投資有価証券」や「繰延税金資産」の増加等により前期末比1.1%増の14,852百万円と微増となった一方、自己資本は最終損失の計上等により同8.9%減の4,146百万円に縮小したことから、自己資本比率は27.9%(前期末は31.0%)に低下した。
3. 2019年12月期の総括
以上から、2019年12月期を総括すると、人件費の増加や大型受託案件(PIT SUZUKA)の収益化の遅れ、不採算店舗の早期撤退等により、定量面(利益面)では下振れる結果となったが、定性面では一定の成果を残したと評価できる。特に、1997年の三木サービスエリア(山陽自動車道)に続き、高速道路2件目となる鈴鹿パーキングエリアの商業施設「PIT SUZUKA」(新名神高速道路)の運営を受託したことや、東日本最大級サービスエリア「Pasar蓮田」(東北自動車道)に「鳥どり」を出店したことにより、NEXCO西日本、中日本、東日本の主要3社とのパイプが広がってきたことは、今後の事業拡大に向けて足掛かりをつかんだと言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2. 2019年12月期決算の概要
ダイナックホールディングス<2675>の2019年12月期の業績は、売上高が前期比3.0%増の37,189百万円、営業利益が同52.4%減の129百万円、経常利益が同62.0%減の246百万円、親会社株主に帰属する当期純損失が305百万円(前期は220百万円の利益)と増収ながら減益となった。また、修正予想に対しても、売上高はほぼ計画線を確保したものの、各段階利益は下回る着地となっている。
売上高は、2018年12月期出店分による通年寄与や2019年12月期出店分(9店舗)が増収に大きく貢献。また、既存店が堅調に推移するとともに、業態変更を含む改装効果等も増収要因となっている。ただ、収益貢献の低い店舗の早期撤退(14店舗)にも積極的に取り組んだことから、増収率は前期比3.0%増にとどまった。
売上高の増減を分析すると、1)2018年12月期及び2019年12月期に閉店した分が1,494百万円の減収要因となった一方、2)既存店売上高の伸びが8百万円、3) 2018年12月期出店分による通年寄与が710百万円、4) 2019年12月期出店分による寄与が1,764百万円、5)業態変更を含む改装効果等が105百万円の増収要因となっている。
既存店売上高は全社ベースで前期比100%となった。客数は同98.1%と若干減少したが、客単価が同102.0%と伸長した。業態別では、バー・レストランが同99.4%、ゴルフクラブレストランが同102.4%、その他(道の駅やパーキングエリア等)が同99.2%となっており、総じて堅調に推移したと言える。特にゴルフクラブレストランの既存店が伸びたのは、前期にみられたような天候不順の影響が少なかったことなどが理由である。
一方、利益面では、1)採用・教育にかかる人件費の増加、2)アルバイト時給単価の上昇、3)道の駅・パーキングエリアの売上増に伴う商品原価の増加などにより、原価率が88.5%(前期は87.7%)に悪化。一方、販管費はほぼ前期並みの水準に抑えたものの、原価率の悪化による影響が大きかったことから営業減益となり、営業利益率も0.3%(前期は0.8%)に低下した。特に利益面で計画を下回ったのは、新たに受託した鈴鹿パーキングエリア「PIT SUZUKA」の売上構成の読み違い※により、商品原価が想定以上に膨らんだことが主因のようだ。もっとも、既に対策を講じていることから、今後は改善に向かうものと考えられる。
※飲食よりも、物販(お土産等)による売上構成が計画よりも高かったことが商品原価の増加を招いた。ただ、物販を中心とした人材配置やオペレーションの最適化等に取り組むことにより、足元の収益性は徐々に改善に向かっているようだ。
また、店舗にかかる営業補償金の受入(営業外収益)が前期比で減少したことに加え、前述のとおり、収益貢献の低い店舗の早期撤退等に伴う減損損失(237百万円)や店舗等撤退損失(175百万円)を特別損失に計上したことにより、最終損益はマイナス(赤字)となった。
財政状態については、総資産が「投資有価証券」や「繰延税金資産」の増加等により前期末比1.1%増の14,852百万円と微増となった一方、自己資本は最終損失の計上等により同8.9%減の4,146百万円に縮小したことから、自己資本比率は27.9%(前期末は31.0%)に低下した。
3. 2019年12月期の総括
以上から、2019年12月期を総括すると、人件費の増加や大型受託案件(PIT SUZUKA)の収益化の遅れ、不採算店舗の早期撤退等により、定量面(利益面)では下振れる結果となったが、定性面では一定の成果を残したと評価できる。特に、1997年の三木サービスエリア(山陽自動車道)に続き、高速道路2件目となる鈴鹿パーキングエリアの商業施設「PIT SUZUKA」(新名神高速道路)の運営を受託したことや、東日本最大級サービスエリア「Pasar蓮田」(東北自動車道)に「鳥どり」を出店したことにより、NEXCO西日本、中日本、東日本の主要3社とのパイプが広がってきたことは、今後の事業拡大に向けて足掛かりをつかんだと言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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