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ティアのニュース
■今後の見通し
2. コロナ禍における事業環境変化と対応策
コロナ禍によって、葬儀業界では「3密」の一つとして捉えられ、葬儀規模の縮小により単価下が下落し、葬儀件数も前年を下回る水準で推移するなど逆風が続いている。経済産業省の特定サービス動態統計調査によれば、2020年9月期第4四半期は葬儀単価、葬儀件数ともに前四半期比で改善しており、やや改善方向に向かってはいるものの、直近では感染者数が再び拡大しており予断を許さない状況であることに変わりない。コロナ禍においてティア<2485>を取り巻く事業環境も変化し、こうした変化に対応すべく、課題点を抽出し対策に取り組んでいく方針だ。
(1) 中核エリアの件数シェアにこだわった施策
2021年9月期は、名古屋市内を中心とした中核エリアでのシェア拡大に注力する。前第4四半期は販促プロモーションを実施した効果により、直営店の葬儀件数が前年同期比10.4%増と前四半期の1.8%減から大きく改善し、名古屋市内の斎場シェアについても第4四半期は27.4%と前年同期比で2.6ポイントもジャンプアップしている。このため、2021年9月期においても価格訴求を高めたテレビCMとリアルイベントの連携等を継続的に実施し、さらなるシェア拡大を目指していく。
(2) 葬儀単価の回復施策
コロナ禍によって2020年9月期下期の葬儀単価は前年同期比16.0%減と大きく落ち込んだ。2021年9月期に入ってからは若干程度戻りつつあるものの低水準が続き、下期には前年同期の水準を上回る900千円前後まで戻る前提としている。
葬儀単価の回復施策としては、祭壇セットプランの見直しやテイクアウト料理の充実、取扱いアイテムの拡充などに加えて、葬儀アドバイザーの増員(10名から12名に増員済み)、エンバーミングの取り扱い拡充などに取り組んでいく方針となっている。エンバーミングとは、遺体を消毒や保存処理、また必要に応じて修復することで10日間から2週間程度、腐敗させることなく保存を可能にする技法のこと。遺体から感染症が蔓延することを防止する目的もある。エンバーマーと呼ばれる資格が必要で、専用施設にて処置を行う必要があるため、葬儀費用とは別に15~25万円の費用が掛かる。
(3) 子会社ティアサービスの外部販売の拡大
湯灌業務やエンバーミングを行うティアサービスにおいて、人員体制を強化し、内製化をさらに推進していくとともに、外部販売も積極的に展開していく方針を打ち出した。具体的には、2020年11月より関西地区のFC会館向けに湯灌業務を開始しており、2021年4月には事業所も開設する計画となっている。また、エンバーミングの需要もあることから、専用施設を今後開設し、人員体制が整った段階でサービスを開始する。売上への影響は軽微だが、FC向けにも高品質なサービスを提供してくことで、FC会館の地域における競争力強化、シェア拡大につながることを期待している。そのほか、葬儀後のアフターサービスとして2020年9月期に石材部を立ち上げており、一部の地域で墓石の販売を開始している。2020年10月より営業部員を2名増員し、名古屋市内を中心にアフターサービスの取り組みも注力していく方針だ。
(4) 業務内容・固定費の見直しによる経費削減
2021年9月期においては業績悪化を受けて、業務内容や固定費を一から見直し、年間で234百万円の経費削減効果を見込んでいる。具体的には、既存会館における賃料の減額交渉や駐車場解約などにより賃料で27百万円を削減するほか、請負業務の廃止や業務内容の見直し等により人件費・支払手数料を111百万円削減する。従来、葬儀の際の看板設置業務を請け負っていたが廃止し、また、葬儀会館での宿直業務を外部に委託することにした。
また、THRCの稼働により新卒社員の人材育成システムが強化されたことで、中途社員の採用抑制が可能となり、採用費で47百万円の減額を見込んでいる。広告宣伝費については電柱広告や野立看板、屋外広告を廃止することで8百万円の圧縮効果を見込む。そのほか、広報活動費の減額や会議体系の見直し、「ティアの会」事務費の見直し等により39百万円の経費削減に取り組んでいく。
(5) コロナ対応について
コロナへの対応については、引き続き従業員の健康状態の把握や会館での消毒作業など感染防止対策を徹底して行っていく。また、社員の教育研修や毎月開催される社長セミナー、社内会議などのオンライン化を進めるなど、デジタル化ができる部分については積極的に対応していく。なお、リモート葬儀についても対応はしているが、積極的には薦めていない。葬儀が故人や遺族、知人との最後のお別れのセレモニーであり、直接会ってお別れと感謝の挨拶を行うことが何よりも重要であると考えているためだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. コロナ禍における事業環境変化と対応策
コロナ禍によって、葬儀業界では「3密」の一つとして捉えられ、葬儀規模の縮小により単価下が下落し、葬儀件数も前年を下回る水準で推移するなど逆風が続いている。経済産業省の特定サービス動態統計調査によれば、2020年9月期第4四半期は葬儀単価、葬儀件数ともに前四半期比で改善しており、やや改善方向に向かってはいるものの、直近では感染者数が再び拡大しており予断を許さない状況であることに変わりない。コロナ禍においてティア<2485>を取り巻く事業環境も変化し、こうした変化に対応すべく、課題点を抽出し対策に取り組んでいく方針だ。
(1) 中核エリアの件数シェアにこだわった施策
2021年9月期は、名古屋市内を中心とした中核エリアでのシェア拡大に注力する。前第4四半期は販促プロモーションを実施した効果により、直営店の葬儀件数が前年同期比10.4%増と前四半期の1.8%減から大きく改善し、名古屋市内の斎場シェアについても第4四半期は27.4%と前年同期比で2.6ポイントもジャンプアップしている。このため、2021年9月期においても価格訴求を高めたテレビCMとリアルイベントの連携等を継続的に実施し、さらなるシェア拡大を目指していく。
(2) 葬儀単価の回復施策
コロナ禍によって2020年9月期下期の葬儀単価は前年同期比16.0%減と大きく落ち込んだ。2021年9月期に入ってからは若干程度戻りつつあるものの低水準が続き、下期には前年同期の水準を上回る900千円前後まで戻る前提としている。
葬儀単価の回復施策としては、祭壇セットプランの見直しやテイクアウト料理の充実、取扱いアイテムの拡充などに加えて、葬儀アドバイザーの増員(10名から12名に増員済み)、エンバーミングの取り扱い拡充などに取り組んでいく方針となっている。エンバーミングとは、遺体を消毒や保存処理、また必要に応じて修復することで10日間から2週間程度、腐敗させることなく保存を可能にする技法のこと。遺体から感染症が蔓延することを防止する目的もある。エンバーマーと呼ばれる資格が必要で、専用施設にて処置を行う必要があるため、葬儀費用とは別に15~25万円の費用が掛かる。
(3) 子会社ティアサービスの外部販売の拡大
湯灌業務やエンバーミングを行うティアサービスにおいて、人員体制を強化し、内製化をさらに推進していくとともに、外部販売も積極的に展開していく方針を打ち出した。具体的には、2020年11月より関西地区のFC会館向けに湯灌業務を開始しており、2021年4月には事業所も開設する計画となっている。また、エンバーミングの需要もあることから、専用施設を今後開設し、人員体制が整った段階でサービスを開始する。売上への影響は軽微だが、FC向けにも高品質なサービスを提供してくことで、FC会館の地域における競争力強化、シェア拡大につながることを期待している。そのほか、葬儀後のアフターサービスとして2020年9月期に石材部を立ち上げており、一部の地域で墓石の販売を開始している。2020年10月より営業部員を2名増員し、名古屋市内を中心にアフターサービスの取り組みも注力していく方針だ。
(4) 業務内容・固定費の見直しによる経費削減
2021年9月期においては業績悪化を受けて、業務内容や固定費を一から見直し、年間で234百万円の経費削減効果を見込んでいる。具体的には、既存会館における賃料の減額交渉や駐車場解約などにより賃料で27百万円を削減するほか、請負業務の廃止や業務内容の見直し等により人件費・支払手数料を111百万円削減する。従来、葬儀の際の看板設置業務を請け負っていたが廃止し、また、葬儀会館での宿直業務を外部に委託することにした。
また、THRCの稼働により新卒社員の人材育成システムが強化されたことで、中途社員の採用抑制が可能となり、採用費で47百万円の減額を見込んでいる。広告宣伝費については電柱広告や野立看板、屋外広告を廃止することで8百万円の圧縮効果を見込む。そのほか、広報活動費の減額や会議体系の見直し、「ティアの会」事務費の見直し等により39百万円の経費削減に取り組んでいく。
(5) コロナ対応について
コロナへの対応については、引き続き従業員の健康状態の把握や会館での消毒作業など感染防止対策を徹底して行っていく。また、社員の教育研修や毎月開催される社長セミナー、社内会議などのオンライン化を進めるなど、デジタル化ができる部分については積極的に対応していく。なお、リモート葬儀についても対応はしているが、積極的には薦めていない。葬儀が故人や遺族、知人との最後のお別れのセレモニーであり、直接会ってお別れと感謝の挨拶を行うことが何よりも重要であると考えているためだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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