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ティアのニュース
■今後の見通し
1. 2020年9月期の業績見通し
ティア<2485>の2020年9月期の連結業績は、売上高が前期比7.2%増の13,695百万円、営業利益が同5.5%増の1,220百万円、経常利益が同5.5%増の1,215百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.0%増の815百万円と連続増収、利益は2期ぶりに増益に転じる見通しだ。
業績予想の前提について見ると、新規出店数は直営で11店舗(うち、会館・ホール8店舗、サロン3店舗)、FCで8店舗となり、直営の葬儀件数は前期比9.6%増の11,968件を計画している。直営既存店の売上高が前期比3.4%増(葬儀件数3.5%増、葬儀単価0.0%減)※と堅調に推移することに加えて、新規出店効果やFC事業の拡大によって連続増収が続く見通し。経常利益については引き続き積極的な人財投資(新卒31名受入れ)を行うことや、賃金制度改定及び福利厚生制度の拡充により、人件費で317百万円の増加を見込んでいるほか、広告宣伝費の増加等があるものの、増収効果で362百万円、原価低減効果44百万円等の増益要因でカバーする格好となる。前期に実施したシステム改修費用が無くなることも増益要因となる。なお、上期については「THRC」稼働に伴う経費増や人件費増の負担が掛かるため減益が続くものの、これら要因が一巡する下期は売上高で前年同期比9.8%増、営業利益で同123.5%増が見込まれる。
※既存店の葬儀件数伸び率は直近2年間の平均値に過去の趨勢を考慮して算出し、葬儀単価については業績予想策定時点の実績を参考に設定している。
新規出店のうち、現段階で用地も含めてほぼ確定している物件は、直営で3店舗(家族葬ホール)、FCで4店舗となっている。直営については会館・ホールで8店舗のうち、1店舗は関西エリアでの出店を計画している。前期に大阪市内で1店舗サロンを出店したものの、効果はあまりなかったことや、既に収益力も全社平均並みとなっており人材も育ってきたことから、出店を再開することにした。残り7店舗については、名古屋市内を中心とした中部エリアで家族葬ホールを出店していく計画となっている。また、サロンについては東京都内に3店舗の出店を予定している。FCについては新たな加盟候補企業との交渉も進めており、8店舗の出店を見込んでいる。
直営店合計の葬儀単価については前期比2.0%減の97.5万円を想定している。店舗形態別で見ると、葬儀会館が前期比横ばいの101.2万円、家族葬ホールが同14.9%減の73.0万円、葬儀相談サロンが同3.8%増の58.3万円となる。家族葬ホールについては70万円台を基本モデルとして、オプション料金などが加わった結果、前期は85.9万円となっており、2020年9月期も結果的に、想定価格を上回る可能性はある。一方、葬儀相談サロンについては前期の56.2万円に対して58.3万円を想定している。同社としては安定して収益拡大を図るためには、単価をもう少し引き上げていく必要があり、逆に単価を上げるのが難しいようであれば件数を増やすための施策を打っていく必要があると考えている。いずれにしても、家族葬ホールや葬儀相談サロンに関してはまだ実績が少ないこともあり、葬儀単価も上下に変動する可能性がある。全体の葬儀単価が低下するのは、平均単価の低い家族葬ホールや葬儀相談サロンの葬儀件数がより増加するためだ。全体の葬儀件数が前期比1,045件増となるなかで、葬儀会館は310件増、家族葬ホールは540件増、葬儀相談サロンは195件増を見込んでいる。
売上原価率は前期比0.3ポイント低下の60.1%を計画している。業務の内製化を進めることで商品原価率が0.9ポイント低下する。売上原価率の上昇要因としては、新規出店の加速に伴う開設費用の増加に加えて、「接客業務」(セレモニースタッフ)の内製化に伴う労務費の増加、「車両業務」の機能拡充による労務費及び固定費の増加等となる。また、「生花」についても現在は名古屋市内の4〜5店舗をカバーしているに過ぎないが、今後、人材の採用が進めばカバー店舗数を増やしていく計画となっている。
一方、販管費率は前期比0.5ポイント上昇の31.0%を計画している。新卒社員の増加や賃金制度改定に伴って人件費率で1.4ポイントの上昇を見込む。また、「THRC」の通年稼働に伴う経費増や営業チャネルの多様化に伴う広告宣伝費の増加も見込んでいる。東京都内での認知度向上に向けたチラシ・折り込み広告やWeb広告、テレビCM等のほか、関西での新規出店に向けた広告出稿を予定している。賃金制度の改定については、消費増税に対応したベースアップなどを行う。また、福利厚生制度拡充の一環として、新たに団体長期障害所得補償保険(GLTD保険)の導入を予定している。同保険は、従業員が事故や病気などの原因で働けなくなった場合、60歳まで所得の一定割合を補償する保険である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2020年9月期の業績見通し
ティア<2485>の2020年9月期の連結業績は、売上高が前期比7.2%増の13,695百万円、営業利益が同5.5%増の1,220百万円、経常利益が同5.5%増の1,215百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.0%増の815百万円と連続増収、利益は2期ぶりに増益に転じる見通しだ。
業績予想の前提について見ると、新規出店数は直営で11店舗(うち、会館・ホール8店舗、サロン3店舗)、FCで8店舗となり、直営の葬儀件数は前期比9.6%増の11,968件を計画している。直営既存店の売上高が前期比3.4%増(葬儀件数3.5%増、葬儀単価0.0%減)※と堅調に推移することに加えて、新規出店効果やFC事業の拡大によって連続増収が続く見通し。経常利益については引き続き積極的な人財投資(新卒31名受入れ)を行うことや、賃金制度改定及び福利厚生制度の拡充により、人件費で317百万円の増加を見込んでいるほか、広告宣伝費の増加等があるものの、増収効果で362百万円、原価低減効果44百万円等の増益要因でカバーする格好となる。前期に実施したシステム改修費用が無くなることも増益要因となる。なお、上期については「THRC」稼働に伴う経費増や人件費増の負担が掛かるため減益が続くものの、これら要因が一巡する下期は売上高で前年同期比9.8%増、営業利益で同123.5%増が見込まれる。
※既存店の葬儀件数伸び率は直近2年間の平均値に過去の趨勢を考慮して算出し、葬儀単価については業績予想策定時点の実績を参考に設定している。
新規出店のうち、現段階で用地も含めてほぼ確定している物件は、直営で3店舗(家族葬ホール)、FCで4店舗となっている。直営については会館・ホールで8店舗のうち、1店舗は関西エリアでの出店を計画している。前期に大阪市内で1店舗サロンを出店したものの、効果はあまりなかったことや、既に収益力も全社平均並みとなっており人材も育ってきたことから、出店を再開することにした。残り7店舗については、名古屋市内を中心とした中部エリアで家族葬ホールを出店していく計画となっている。また、サロンについては東京都内に3店舗の出店を予定している。FCについては新たな加盟候補企業との交渉も進めており、8店舗の出店を見込んでいる。
直営店合計の葬儀単価については前期比2.0%減の97.5万円を想定している。店舗形態別で見ると、葬儀会館が前期比横ばいの101.2万円、家族葬ホールが同14.9%減の73.0万円、葬儀相談サロンが同3.8%増の58.3万円となる。家族葬ホールについては70万円台を基本モデルとして、オプション料金などが加わった結果、前期は85.9万円となっており、2020年9月期も結果的に、想定価格を上回る可能性はある。一方、葬儀相談サロンについては前期の56.2万円に対して58.3万円を想定している。同社としては安定して収益拡大を図るためには、単価をもう少し引き上げていく必要があり、逆に単価を上げるのが難しいようであれば件数を増やすための施策を打っていく必要があると考えている。いずれにしても、家族葬ホールや葬儀相談サロンに関してはまだ実績が少ないこともあり、葬儀単価も上下に変動する可能性がある。全体の葬儀単価が低下するのは、平均単価の低い家族葬ホールや葬儀相談サロンの葬儀件数がより増加するためだ。全体の葬儀件数が前期比1,045件増となるなかで、葬儀会館は310件増、家族葬ホールは540件増、葬儀相談サロンは195件増を見込んでいる。
売上原価率は前期比0.3ポイント低下の60.1%を計画している。業務の内製化を進めることで商品原価率が0.9ポイント低下する。売上原価率の上昇要因としては、新規出店の加速に伴う開設費用の増加に加えて、「接客業務」(セレモニースタッフ)の内製化に伴う労務費の増加、「車両業務」の機能拡充による労務費及び固定費の増加等となる。また、「生花」についても現在は名古屋市内の4〜5店舗をカバーしているに過ぎないが、今後、人材の採用が進めばカバー店舗数を増やしていく計画となっている。
一方、販管費率は前期比0.5ポイント上昇の31.0%を計画している。新卒社員の増加や賃金制度改定に伴って人件費率で1.4ポイントの上昇を見込む。また、「THRC」の通年稼働に伴う経費増や営業チャネルの多様化に伴う広告宣伝費の増加も見込んでいる。東京都内での認知度向上に向けたチラシ・折り込み広告やWeb広告、テレビCM等のほか、関西での新規出店に向けた広告出稿を予定している。賃金制度の改定については、消費増税に対応したベースアップなどを行う。また、福利厚生制度拡充の一環として、新たに団体長期障害所得補償保険(GLTD保険)の導入を予定している。同保険は、従業員が事故や病気などの原因で働けなくなった場合、60歳まで所得の一定割合を補償する保険である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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