481円
ティアのニュース
■今後の見通し
2. 中期経営計画
ティア<2485>は2018年11月に3ヶ年の中期経営計画を発表した。中長期目標として、「200店舗体制の実現とその後の持続的な成長を目指す」方針を掲げ、重点戦略として、1)直営会館、葬儀相談サロンの出店加速とFCにおける計画的な出店、2)既存会館のユーザビリティ向上とWebマーケティングの強化、3)葬儀付帯業務の更なる内製化とM&Aにかかる基準の明確化、4)計画的な人財確保と教育体制の強化、の4点を挙げている。中期経営計画については毎年見直しを行っているが、今回は人財教育体制を一段と強化することで成長に向けた事業基盤を構築し、出店ペースを従来よりも加速していく方針を打ち出したことがポイントとなっている。
(1) 出店戦略及び営業戦略
年間の出店ペースは直営会館で7店舗(3年目は6店舗)、サロンで3店舗、FC店舗で7店舗を計画している。前回の中期経営計画では直営会館で3店舗、サロンで3店舗、FC店舗で5~6店舗としていたため、直営会館とFC店舗の出店ペースを加速することになる。
直営会館については名古屋を中心とした愛知県内で年間7店舗の出店を行っていく計画で、店舗形態も家族葬専用ホールで出店することを基本戦略としている。核家族化を背景とした家族葬や小規模葬の需要増加に対応していくためだが、必要な敷地面積が200坪と従来の500坪より小さくなるため出店の探索が容易になるほか、固定費負担が少ないため早期収益化が可能になると言ったメリットがある。また、同社は出店を加速していくことで名古屋市内でのトップシェアも目指している。現在、斎場シェアで24.8%と2番手に位置しており、トップ企業との差は約3%まで縮小している。ここ数年、同社の名古屋市内のシェアは毎年1%ずつ拡大していることから、遅くとも3年内にはトップシェアを奪取できると弊社では見ている。なお、既存会館についてもユーザビリティの向上を目的に、年間2店舗ペースで改修工事を進めていく計画だ。
一方、関西圏については収益性が向上してきたことで、出店できる環境になっているが、当面は愛知県内での出店に注力するため、既存会館における稼働率向上に向けた営業強化を継続していく方針となっている。また、サロン型店舗で展開している東京都内については、23区内の北東部エリアを中心にドミナント出店を進めていく計画で、各種イベントの開催やWebマーケティングを強化しながら認知度向上を図り、収益化を目指して行くことになる。サロン型店舗については正社員1人で2〜3店舗を担当し、各店舗にパートスタッフを配置する運営体制を敷いている。今後も店舗数の拡大に対応して人員体制の整備も進めていく計画となっている。なお、関東圏については直営会館、サロン型店舗、FC店舗合わせて2019年3月末時点の12店舗(うち、サロン型店舗7店舗)から、中期目標として20店舗(うち、サロン型店舗14店舗)まで拡大する計画となっている。
FC戦略については、新規・既存クライアントの計画的な出店を推進するとともに、スーパーバイジング機能の向上とFC本部のバックアップ体制の充実を図ることで、FC店舗の収益拡大をサポートしていく方針となっている。
また、マーケティング戦略としてはWebサイトからの会員獲得や葬儀受注の増加を図るべく、Webマーケティングの強化に取り組んでいくほか、各店舗におけるイベント開催やチラシ広告、フリーペーパー等の活用も継続的に推進していく。首都圏では認知度の向上を図るため、新聞1紙でカラー刷り1面広告をスポット的に出稿(2019年6月)するなど新たな取り組みも試行している。
(2) 人財採用・育成戦略
人財投資については、3年間で100名の新卒採用を計画している(初年度33名、2年目以降で67名)。PDCAサイクルにのっとった新卒採用プログラムの実践と、早期育成を目指した教育プログラムを2019年4月に新設した「THRC」で行うことで、出店加速を可能とするための人的リソースの拡充を進めていく。中期経営計画における新卒採用計画は離職率50%でも今後の出店計画を維持できる水準となっている。ただ、直近2年間は教育研修プログラムの見直しにより、離職率を30%以下に抑制することができており、今後も同水準以下に抑制することができれば、2年目以降の採用計画を抑えていくことも可能となる(採用費、教育費等の軽減に寄与)。
なお、2019年春の新卒採用から東京での採用活動を開始したほか、インターンシップの開催や学校への定期訪問、合同企業説明会への参加等を積極的に行うことで、採用力を強化していく方針となっている。
(3) コスト低減施策とM&A戦略
コスト低減施策として、葬儀付帯業務の更なる内製化の推進に加えて、葬儀付帯品を会館へ配送するトラックも家族葬や小規模葬儀の増加に合わせて小型トラックを活用するなど物流業務の効率化も推進していく。
M&A戦略については、引き続き第3の成長エンジンにできるよう、買収候補案件に対する検討プロセスの迅速化や定量的な基準を明確にし、検討を進めている。葬儀業界では中小零細の葬儀事業者の多く、経営者の高齢化も進んでいる。このため、M&A案件も継続的に出てきており、同社の条件にかなう案件があれば前向きに検討していく方針だ。
(4) 経営数値目標
3ヶ年中期経営計画の経営数値目標として、2021年9月期に売上高14,600百万円、経常利益1,370百万円、親会社株主に帰属する当期純利益900百万円を掲げている。2019年9月期は出店ペースの加速や「THRC」の開設、人員体制の強化などによる非連続的な費用増が発生することで一旦、減益で見込んでいるものの、2020年9月期以降は2ケタ増益に転じ、2021年9月期に再度、過去最高益を更新することになる。
売上計画の前提として、2020年9月期以降は既存店売上高を2019年9月期予想と同額(既存店伸び率は横ばい前提)とした上で、新店の稼働による増収効果のみを見込んでいる保守的な前提となっている。同様に経費についても2020年9月期以降の既存店を2019年9月期予想と同額とした上で、新店稼働に伴う経費の増加及び新卒の採用計画、広告宣伝費の増額等を積み上げた数字となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<ST>
2. 中期経営計画
ティア<2485>は2018年11月に3ヶ年の中期経営計画を発表した。中長期目標として、「200店舗体制の実現とその後の持続的な成長を目指す」方針を掲げ、重点戦略として、1)直営会館、葬儀相談サロンの出店加速とFCにおける計画的な出店、2)既存会館のユーザビリティ向上とWebマーケティングの強化、3)葬儀付帯業務の更なる内製化とM&Aにかかる基準の明確化、4)計画的な人財確保と教育体制の強化、の4点を挙げている。中期経営計画については毎年見直しを行っているが、今回は人財教育体制を一段と強化することで成長に向けた事業基盤を構築し、出店ペースを従来よりも加速していく方針を打ち出したことがポイントとなっている。
(1) 出店戦略及び営業戦略
年間の出店ペースは直営会館で7店舗(3年目は6店舗)、サロンで3店舗、FC店舗で7店舗を計画している。前回の中期経営計画では直営会館で3店舗、サロンで3店舗、FC店舗で5~6店舗としていたため、直営会館とFC店舗の出店ペースを加速することになる。
直営会館については名古屋を中心とした愛知県内で年間7店舗の出店を行っていく計画で、店舗形態も家族葬専用ホールで出店することを基本戦略としている。核家族化を背景とした家族葬や小規模葬の需要増加に対応していくためだが、必要な敷地面積が200坪と従来の500坪より小さくなるため出店の探索が容易になるほか、固定費負担が少ないため早期収益化が可能になると言ったメリットがある。また、同社は出店を加速していくことで名古屋市内でのトップシェアも目指している。現在、斎場シェアで24.8%と2番手に位置しており、トップ企業との差は約3%まで縮小している。ここ数年、同社の名古屋市内のシェアは毎年1%ずつ拡大していることから、遅くとも3年内にはトップシェアを奪取できると弊社では見ている。なお、既存会館についてもユーザビリティの向上を目的に、年間2店舗ペースで改修工事を進めていく計画だ。
一方、関西圏については収益性が向上してきたことで、出店できる環境になっているが、当面は愛知県内での出店に注力するため、既存会館における稼働率向上に向けた営業強化を継続していく方針となっている。また、サロン型店舗で展開している東京都内については、23区内の北東部エリアを中心にドミナント出店を進めていく計画で、各種イベントの開催やWebマーケティングを強化しながら認知度向上を図り、収益化を目指して行くことになる。サロン型店舗については正社員1人で2〜3店舗を担当し、各店舗にパートスタッフを配置する運営体制を敷いている。今後も店舗数の拡大に対応して人員体制の整備も進めていく計画となっている。なお、関東圏については直営会館、サロン型店舗、FC店舗合わせて2019年3月末時点の12店舗(うち、サロン型店舗7店舗)から、中期目標として20店舗(うち、サロン型店舗14店舗)まで拡大する計画となっている。
FC戦略については、新規・既存クライアントの計画的な出店を推進するとともに、スーパーバイジング機能の向上とFC本部のバックアップ体制の充実を図ることで、FC店舗の収益拡大をサポートしていく方針となっている。
また、マーケティング戦略としてはWebサイトからの会員獲得や葬儀受注の増加を図るべく、Webマーケティングの強化に取り組んでいくほか、各店舗におけるイベント開催やチラシ広告、フリーペーパー等の活用も継続的に推進していく。首都圏では認知度の向上を図るため、新聞1紙でカラー刷り1面広告をスポット的に出稿(2019年6月)するなど新たな取り組みも試行している。
(2) 人財採用・育成戦略
人財投資については、3年間で100名の新卒採用を計画している(初年度33名、2年目以降で67名)。PDCAサイクルにのっとった新卒採用プログラムの実践と、早期育成を目指した教育プログラムを2019年4月に新設した「THRC」で行うことで、出店加速を可能とするための人的リソースの拡充を進めていく。中期経営計画における新卒採用計画は離職率50%でも今後の出店計画を維持できる水準となっている。ただ、直近2年間は教育研修プログラムの見直しにより、離職率を30%以下に抑制することができており、今後も同水準以下に抑制することができれば、2年目以降の採用計画を抑えていくことも可能となる(採用費、教育費等の軽減に寄与)。
なお、2019年春の新卒採用から東京での採用活動を開始したほか、インターンシップの開催や学校への定期訪問、合同企業説明会への参加等を積極的に行うことで、採用力を強化していく方針となっている。
(3) コスト低減施策とM&A戦略
コスト低減施策として、葬儀付帯業務の更なる内製化の推進に加えて、葬儀付帯品を会館へ配送するトラックも家族葬や小規模葬儀の増加に合わせて小型トラックを活用するなど物流業務の効率化も推進していく。
M&A戦略については、引き続き第3の成長エンジンにできるよう、買収候補案件に対する検討プロセスの迅速化や定量的な基準を明確にし、検討を進めている。葬儀業界では中小零細の葬儀事業者の多く、経営者の高齢化も進んでいる。このため、M&A案件も継続的に出てきており、同社の条件にかなう案件があれば前向きに検討していく方針だ。
(4) 経営数値目標
3ヶ年中期経営計画の経営数値目標として、2021年9月期に売上高14,600百万円、経常利益1,370百万円、親会社株主に帰属する当期純利益900百万円を掲げている。2019年9月期は出店ペースの加速や「THRC」の開設、人員体制の強化などによる非連続的な費用増が発生することで一旦、減益で見込んでいるものの、2020年9月期以降は2ケタ増益に転じ、2021年9月期に再度、過去最高益を更新することになる。
売上計画の前提として、2020年9月期以降は既存店売上高を2019年9月期予想と同額(既存店伸び率は横ばい前提)とした上で、新店の稼働による増収効果のみを見込んでいる保守的な前提となっている。同様に経費についても2020年9月期以降の既存店を2019年9月期予想と同額とした上で、新店稼働に伴う経費の増加及び新卒の採用計画、広告宣伝費の増額等を積み上げた数字となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<ST>
この銘柄の最新ニュース
ティアのニュース一覧- ティア---1Qは2ケタ増収・大幅な増益、葬祭事業が好調に推移 2025/02/14
- 決算プラス・インパクト銘柄 【東証スタンダード・グロース】寄付 … 名村造、ラボロAI、フォーサイド (2月13日発表分) 2025/02/14
- ティア、10-12月期(1Q)経常は2.4倍増益で着地 2025/02/13
- 2025年9月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2025/02/13
- <02月03日の25日・75日移動平均線ゴールデンクロス銘柄> 2025/02/04
マーケットニュース
おすすめ条件でスクリーニングされた銘柄を見る
ティアの取引履歴を振り返りませんか?
ティアの株を取引したことがありますか?みんかぶアセットプランナーに取引口座を連携すると売買履歴をチャート上にプロットし、自分の取引を視覚的に確認することができます。
アセットプランナーの取引履歴機能とは
※アセプラを初めてご利用の場合は会員登録からお手続き下さい。