436円
ティアのニュース
■事業概要
4. 同社の特徴と強み
(1) 同社の特徴
ティア<2485>の最大の特徴は、「葬儀価格の完全開示化」と「適正な葬儀費用の提示」を行い、旧来の葬儀社の慣習を打ち破ったことにある。このため、葬儀単価についても全国平均が140万円前後であるのに対して、同社は102万円と業界平均を下回る価格でサービス提供を行っている。なお、2015年9月期以降、同社の単価が下落しているが、2015年9月期については送迎バス費用の計上方法を変更したことが主因となっている(従来、葬儀費用の中に含めていたが、委託手数料分のみを費用計上)。また、2016年9月期以降は祭壇単価や葬儀付帯品等の下落が低下要因となっている。
出店戦略ではドミナント出店により会館の相互補完性を高め、効率的に認知度向上を図りながら新規出店により営業エリアを広げていく戦略を推進している。1会館の商圏は直径3km、稼働率は約80%を目安としている。会館の基本フォーマットは、建坪150~200坪(平屋1階建て~2階建て)で収容人員100~150名の式場1室(最近は規模に応じて間仕切りできるよう改修する店舗も増えている)に会食ルーム、親族控室がついたタイプで、設備投資額は150~200百万円、投資回収期間は9~10年が目安となっている。また、家族葬のニーズが増えていることもあり、家族葬専用ホールも2018年9月より名古屋市内で初めて出店した(ティア千代田橋)。基本フォーマットは建坪60坪(平屋1階建て)で収容人員30人規模の式場1室と会食ルーム、親族控室がついたタイプとなり、設備投資額は70百万円、投資回収期間は9年を目安としている。家族葬専用ホールは既存ホールの商圏の隙間を埋めていく格好となる。敷地面積も小さいため(コンビニエンスストア程度)、従来よりも出店候補地が見つかりやすいといったメリットがある。そのほか、東京都内では葬儀会館ではなく葬儀相談サロンでの展開を進めている。東京都内では土地や家賃が高い一方で、葬儀単価が全国平均を下回る水準であること、火葬場と併設する貸式場が多いことなどから、式場を自社で用意するよりも貸式場を活用した方が効率的に事業を拡大できると考えたためだ。
(2) 同社の強み
同社の強みとしては、他社に真似のできない人財教育システムが挙げられる。「ティアアカデミー」と呼ばれる人財教育システムでは、新卒入社の新人社員は入社後6ヶ月間、中途入社の社員でも1~2ヶ月間は新人研修期間として葬祭・宗教知識、葬儀施行技術などの専門分野に加え、徳育的観点から「命」や「心」に関しての教育を実施している。現場配属後もOJTだけでなく、3ヶ月に1度は社長セミナーを受講しており、葬儀業である前に「究極のサービス業」であることを認識し、「遺族に対して最高のおもてなし」をし、感動を与えられる社員になれるよう心の教育を行っている。また、客観的な判断基準として社内検定試験を等級別に7段階に分けて実施しており、個々の社員の能力を把握できるようにしている。こうした人財教育システムが同社の質の高いサービスを作り上げており、競争力を支える源泉となっている。
なお、同社では人財教育の充実を図るべく教育専用施設「THRC」を本社隣接地に開設、2019年4月からの稼働を予定している(設備投資額は約3億円)。同施設は5階建てで1階は業務車両の駐車場スペース、2階はコールセンター部門、3~4階が研修施設となっている(5階の用途は未定)。教育施設ではモデル葬儀式場を新たに整備し、模擬体験を行うことで従来よりも質の高い教育研修を行うことが可能となる。教育プログラムを充実させることで、人財の早期育成が可能となるだけでなく、葬儀業の理解度をより深めることで退職率を低下させる効果も期待している。
同社は成長を実現していくための経営課題として人財の育成を掲げ、教育システムの改善・向上を図ってきた。具体的には、2016年までは新人研修期間を2ヶ月として、その後は現場でのOJTに委ねてきたが、離職率が年間で約5割と高かったことが課題であった。離職率の高い要因として、葬儀業に対する理解度が低いまま現場へ配属されたことが一因と考え、2017年から新人研修プログラムを充実させ、研修期間を8ヶ月(2018年より6ヶ月)と長くした結果、離職率が3割以下に低下するなど、一定の効果が得られた格好となっている。「THRC」の稼働によって、より充実した研修プログラムを受け理解度を高めることができれば、更なる離職率の低下と人員増加により、出店ペースを加速していくことが可能となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SF>
4. 同社の特徴と強み
(1) 同社の特徴
ティア<2485>の最大の特徴は、「葬儀価格の完全開示化」と「適正な葬儀費用の提示」を行い、旧来の葬儀社の慣習を打ち破ったことにある。このため、葬儀単価についても全国平均が140万円前後であるのに対して、同社は102万円と業界平均を下回る価格でサービス提供を行っている。なお、2015年9月期以降、同社の単価が下落しているが、2015年9月期については送迎バス費用の計上方法を変更したことが主因となっている(従来、葬儀費用の中に含めていたが、委託手数料分のみを費用計上)。また、2016年9月期以降は祭壇単価や葬儀付帯品等の下落が低下要因となっている。
出店戦略ではドミナント出店により会館の相互補完性を高め、効率的に認知度向上を図りながら新規出店により営業エリアを広げていく戦略を推進している。1会館の商圏は直径3km、稼働率は約80%を目安としている。会館の基本フォーマットは、建坪150~200坪(平屋1階建て~2階建て)で収容人員100~150名の式場1室(最近は規模に応じて間仕切りできるよう改修する店舗も増えている)に会食ルーム、親族控室がついたタイプで、設備投資額は150~200百万円、投資回収期間は9~10年が目安となっている。また、家族葬のニーズが増えていることもあり、家族葬専用ホールも2018年9月より名古屋市内で初めて出店した(ティア千代田橋)。基本フォーマットは建坪60坪(平屋1階建て)で収容人員30人規模の式場1室と会食ルーム、親族控室がついたタイプとなり、設備投資額は70百万円、投資回収期間は9年を目安としている。家族葬専用ホールは既存ホールの商圏の隙間を埋めていく格好となる。敷地面積も小さいため(コンビニエンスストア程度)、従来よりも出店候補地が見つかりやすいといったメリットがある。そのほか、東京都内では葬儀会館ではなく葬儀相談サロンでの展開を進めている。東京都内では土地や家賃が高い一方で、葬儀単価が全国平均を下回る水準であること、火葬場と併設する貸式場が多いことなどから、式場を自社で用意するよりも貸式場を活用した方が効率的に事業を拡大できると考えたためだ。
(2) 同社の強み
同社の強みとしては、他社に真似のできない人財教育システムが挙げられる。「ティアアカデミー」と呼ばれる人財教育システムでは、新卒入社の新人社員は入社後6ヶ月間、中途入社の社員でも1~2ヶ月間は新人研修期間として葬祭・宗教知識、葬儀施行技術などの専門分野に加え、徳育的観点から「命」や「心」に関しての教育を実施している。現場配属後もOJTだけでなく、3ヶ月に1度は社長セミナーを受講しており、葬儀業である前に「究極のサービス業」であることを認識し、「遺族に対して最高のおもてなし」をし、感動を与えられる社員になれるよう心の教育を行っている。また、客観的な判断基準として社内検定試験を等級別に7段階に分けて実施しており、個々の社員の能力を把握できるようにしている。こうした人財教育システムが同社の質の高いサービスを作り上げており、競争力を支える源泉となっている。
なお、同社では人財教育の充実を図るべく教育専用施設「THRC」を本社隣接地に開設、2019年4月からの稼働を予定している(設備投資額は約3億円)。同施設は5階建てで1階は業務車両の駐車場スペース、2階はコールセンター部門、3~4階が研修施設となっている(5階の用途は未定)。教育施設ではモデル葬儀式場を新たに整備し、模擬体験を行うことで従来よりも質の高い教育研修を行うことが可能となる。教育プログラムを充実させることで、人財の早期育成が可能となるだけでなく、葬儀業の理解度をより深めることで退職率を低下させる効果も期待している。
同社は成長を実現していくための経営課題として人財の育成を掲げ、教育システムの改善・向上を図ってきた。具体的には、2016年までは新人研修期間を2ヶ月として、その後は現場でのOJTに委ねてきたが、離職率が年間で約5割と高かったことが課題であった。離職率の高い要因として、葬儀業に対する理解度が低いまま現場へ配属されたことが一因と考え、2017年から新人研修プログラムを充実させ、研修期間を8ヶ月(2018年より6ヶ月)と長くした結果、離職率が3割以下に低下するなど、一定の効果が得られた格好となっている。「THRC」の稼働によって、より充実した研修プログラムを受け理解度を高めることができれば、更なる離職率の低下と人員増加により、出店ペースを加速していくことが可能となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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