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【IRアナリストレポート】ワールドホールディングス(2429)

著者:鈴木 行生
投稿:2023/12/08 10:44

~人材ビジネスを中心に、人と社会の「カタチ」創りをつなぐ~

【ポイント】
・2023年12月期の3Q累計は、不動産ビジネスの利益が牽引し、前年同期で増益に転換した。人材教育ビジネスは回復しつつも、まだ低調である。半導体関連の好転は来期にずれ込もう。来2024年12月期は、中期5ヵ年計画の3年目であるが、引き続きピーク利益を更新しよう。

・人材教育、不動産、情報通信、農業公園の4つの事業領域でビジネスを展開するユニークな企業である。人材教育では、ものづくりの領域でバリューチェーンを広げている。サービスの分野では、物流(ロジスティクス)で独自の強みをみせている。

・人材ビジネスでは、通常のアウトソーシングを越えて、伊井田会長は「コ・ソーシング」を実践している。有力企業とのコラボレーション(協業)、他の人材会社とのコンソーシアム(連携)を通して、受託ビジネスの広がりをシームレスに追及している。これが、次の半導体関連ビジネスでも効果を発揮してこよう。

・ヤマトホールディングスと戦略的業務提携を結び、9月にヤマト・スタッフ・サプライが当社グループに入った。物流分野の強みを活かしつつ、高齢人材の活用も図っていく。新しい展開として注目できる。

・不動産事業では、リスクマネジメントに注力して、販売用不動産の在庫回転率を年1.0回に保つようにしている。その上で、事業拡大を実行している。土地の仕入れに強みがあり、大手建設・不動産会社との連携も活かしている。情報通信は、モバイルショップから企業向けITソリューションへシフトしようとしている。農業公園事業では、再生ノウハウを活かして、受託が増加している。

・中計では、2026年12月期の営業利益目標を150億円においているが、主力部門の成長戦略によって視野に入ってこよう。市場では、人材ビジネスと不動産ビジネスのポートフォリオが十分評価されていない。株価は割安に留まっているが、シームレス戦略が奏功してくれば、企業価値も大きく見直されよう。今後の展開に注目したい。

目次
1.特色 人材ビジネスの広がりを追求
2.強み 事業のバランスに軸足を置く
3.中期経営方針 中期5ヵ年計画でシームレスなつながりを加速
4.当面の業績 人材教育ビジネスは来2024年12月期から回復へ
5.企業評価 ユニークな事業ポートフォリオをいかに評価するか

ワールドホールディングス <2429>
企業レーティング
株価
(2023年12月7日)
2722円
時価総額 481億円
(17.667百万株)
PBR 1.24倍
ROE 15.7%
PER 7.89倍
配当利回り 3.8%
総資本 155847百万円
純資産 41266百万円
自己資本比率 24.8%
BPS 2203.2円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2014.12 68829 3748 3722 1992 118.5 23.7
2015.12 87984 5137 5133 3810 228.1 45.7
2016.12 94334 7407 7306 4192 250.9 75.3
2017.12 127147 7064 7007 4612 275.4 82.7
2018.12 142894 7370 7357 4650 276.4 83.0
2019.12 136319 4730 4805 2956 175.6 52.7
2020.12 143571 6251 6786 5913 341.4 101.7
2021.12 154704 7481 7738 4626 265.0 79.5
2022.12 183640 8929 8933 5341 305.5 91.5
2023.12(予) 208500 10000 9500 6000 344.8 103.5
2024.12(予) 223000 11000 11000 7000 399.0 120.0

(2023.9ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。

企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/wa-rudoHD202312.pdf

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム
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