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アウトソーシングのニュース
■アウトソーシング<2427>の主な活動実績
1. 派遣DX化を見据えた次世代ビジネスモデルの進捗
(1) エンジニアとテクノロジーを融合した「派遣2.0」
「派遣2.0」とは、RPAやAI等の先端テクノロジーとエンジニアをセットで供給し、業務の効率化を運用までサポートする次世代型の派遣モデルである※1。多くの先進国で技術者不足が深刻化するとともに、ロボットやAI活用による業務の効率化・省人化ニーズが拡大するなかで、本格的な提案活動を開始すると、順調に実績が積み上がってきた。本モデルの推進により、人材ストック型の成長モデル(人材の確保がボトルネックとなる成長モデル)からの脱却を図るとともに、派遣DX化による付加価値向上や、これまでの技術職派遣領域から自動化傾向の高い一般派遣領域への進出、さらにはwithコロナにより需要が増加しているファーストラインワーカー※2へと対象を広げることで、事業拡大と収益性の向上を目指していく方針である。また、多業種での先端技術の確保に向けてはアライアンス戦略を活用し、同社グループの技術者を新技術の開発や導入のための要員として提供する考えだ。今後はAIやデータサイエンスなど高付加価値領域にも注力していく。6月末の稼働数は661(前期末は604)※3に増え、2022年12月期上期の売上高は2,060百万円(前年同期比約3.3倍)、売上総利益は732百万円(同4倍)と順調に伸びてきた。本格的な業績寄与はこれからであるが、収益性の高さは既に実証されており、2024年12月期までに4,500稼働まで伸ばす計画である。
※1 例えば、これまで10名の事務員派遣で成り立っていた業務に対して、同社グループによるロボット+エンジニアのセット派遣を併用することにより、事務員派遣は3名でこなすことが可能となり、結果として派遣先のトータルコストを引き下げることができるスキームとなっている。同社にとっても、新たな領域(一般事務領域やファーストラインワーカー)へ進出するとともに、単価の高い先端エンジニアの効率的な活用を図ることができる。また、業務効率化によるコスト削減分を派遣先とシェアする収益モデルとなっているため、高い収益性が期待できる。
※2 製造、建設、医療など、実際に「現場」で働く方を指し、主にマイクロソフトで用いられている用語である。
※3 同社では、人材、ロボット、ソフトウェアすべての働きを「稼働」としてカウントしている。
(2) 派遣スタッフ管理システム「CSM」の進捗
2020年10月より開始した「CSM」とは、市販されているクラウドシステムを同社グループが協業してカスタマイズした独自の「派遣スタッフ管理システム」である。複数社への派遣発注を含むメーカー側の様々な煩雑業務※1を「CSM」が解消することにより、派遣先との関係を強化し、付加価値向上を実現するところに狙いがある。また、派遣先にとっては、業務の効率化やコスト削減等に加え、適材適所での人材採用や評価制度の一元管理など、派遣スタッフ活用の精度やモチベーションを高めることができるほか、派遣スタッフの待遇改善や教育にも貢献することが期待されるため、社会的な意義も大きい。同社ではスケールメリットの追求やビッグデータの蓄積による提供価値の強化を目指しており、他社との連携にも積極的である。2022年7月29日には、製造派遣業界の主要企業(同社を含めた10社※2)により「業界標準プラットフォーム」の共同開発に向けた資本業務提携を締結した。新たに設立された(株)クラウドスタッフィングに10社が10%ずつ出資するスキームとなっている。同社が目指す「WBBプラットフォーム」(詳細は後述)の構築にもつながるものとして今後の進捗が注目される。6月末の導入企業数は123社(前期末は89社)、累計ユーザー数は14,677名(同12,014名)となった。導入の遅れにより計画を若干下回ったようだが、想定以上の受注を獲得できているようだ。
※1 「CSM」導入に伴うメーカー側のメリットとして、1) 業務効率化(勤怠管理と請求管理)、2) コスト削減(派遣管理窓口の簡素化)、3) 定着率向上(生産性の向上)、4) 環境負荷軽減(ペーパーレス化、資源活用)、5) BCP(情報のデジタル化、業務継続)、6) 同一労働同一賃金対策(評価制度の一元管理)などが挙げられる。
※2 同社のほか、ウイルテック<7087>、(株)エイジェック、(株)三幸コーポレーション、(株)ジャパンクリエイトグループ、東洋ワーク(株)、日総工産<6569>、平山ホールディングス<7781>、フジアルテ(株)、(株)ワールドインテックの10社(50音順)。弊社の試算によれば、10社合計の市場シェア(製造派遣業界)は1割強を占めると見られる。今後、参加企業が増えてくれば、さらにプラットフォームとしての価値が高まる好循環(ネットワーク外部性)が期待される。
2. 倉庫内業務を手掛ける人材派遣会社の子会社化
2022年4月1日には、関東、東北、関西、中国の各エリアにて倉庫内作業向けに人材派遣や業務請負事業を展開している(株)サンキョウ・ロジ・アソシエート及びその子会社6社(以下、SLAグループ)の完全子会社化を実施した※。SLAグループは、長年にわたり倉庫内業務に携わってきた豊富な経験とノウハウを生かした、業務の効率化や作業品質の改善などの提案力を強みとし、優良顧客基盤を有している。本件により、SLAグループは、同社グループの営業力や全国の採用力などの経営資源を活用できるほか、管理面の底上げによる成長加速が期待できる。一方、同社グループにとっても、コロナ禍の影響を受けにくい物流系をはじめとするディフェンシブな事業拡大などにシナジーが見込める。特に倉庫内作業の領域は、注力する「派遣2.0」の対象(ファーストラインワーカー)としても捉えることができる。
※取得価額は約58億円。のれん計上額は約55億円と推定される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<NS>
1. 派遣DX化を見据えた次世代ビジネスモデルの進捗
(1) エンジニアとテクノロジーを融合した「派遣2.0」
「派遣2.0」とは、RPAやAI等の先端テクノロジーとエンジニアをセットで供給し、業務の効率化を運用までサポートする次世代型の派遣モデルである※1。多くの先進国で技術者不足が深刻化するとともに、ロボットやAI活用による業務の効率化・省人化ニーズが拡大するなかで、本格的な提案活動を開始すると、順調に実績が積み上がってきた。本モデルの推進により、人材ストック型の成長モデル(人材の確保がボトルネックとなる成長モデル)からの脱却を図るとともに、派遣DX化による付加価値向上や、これまでの技術職派遣領域から自動化傾向の高い一般派遣領域への進出、さらにはwithコロナにより需要が増加しているファーストラインワーカー※2へと対象を広げることで、事業拡大と収益性の向上を目指していく方針である。また、多業種での先端技術の確保に向けてはアライアンス戦略を活用し、同社グループの技術者を新技術の開発や導入のための要員として提供する考えだ。今後はAIやデータサイエンスなど高付加価値領域にも注力していく。6月末の稼働数は661(前期末は604)※3に増え、2022年12月期上期の売上高は2,060百万円(前年同期比約3.3倍)、売上総利益は732百万円(同4倍)と順調に伸びてきた。本格的な業績寄与はこれからであるが、収益性の高さは既に実証されており、2024年12月期までに4,500稼働まで伸ばす計画である。
※1 例えば、これまで10名の事務員派遣で成り立っていた業務に対して、同社グループによるロボット+エンジニアのセット派遣を併用することにより、事務員派遣は3名でこなすことが可能となり、結果として派遣先のトータルコストを引き下げることができるスキームとなっている。同社にとっても、新たな領域(一般事務領域やファーストラインワーカー)へ進出するとともに、単価の高い先端エンジニアの効率的な活用を図ることができる。また、業務効率化によるコスト削減分を派遣先とシェアする収益モデルとなっているため、高い収益性が期待できる。
※2 製造、建設、医療など、実際に「現場」で働く方を指し、主にマイクロソフトで用いられている用語である。
※3 同社では、人材、ロボット、ソフトウェアすべての働きを「稼働」としてカウントしている。
(2) 派遣スタッフ管理システム「CSM」の進捗
2020年10月より開始した「CSM」とは、市販されているクラウドシステムを同社グループが協業してカスタマイズした独自の「派遣スタッフ管理システム」である。複数社への派遣発注を含むメーカー側の様々な煩雑業務※1を「CSM」が解消することにより、派遣先との関係を強化し、付加価値向上を実現するところに狙いがある。また、派遣先にとっては、業務の効率化やコスト削減等に加え、適材適所での人材採用や評価制度の一元管理など、派遣スタッフ活用の精度やモチベーションを高めることができるほか、派遣スタッフの待遇改善や教育にも貢献することが期待されるため、社会的な意義も大きい。同社ではスケールメリットの追求やビッグデータの蓄積による提供価値の強化を目指しており、他社との連携にも積極的である。2022年7月29日には、製造派遣業界の主要企業(同社を含めた10社※2)により「業界標準プラットフォーム」の共同開発に向けた資本業務提携を締結した。新たに設立された(株)クラウドスタッフィングに10社が10%ずつ出資するスキームとなっている。同社が目指す「WBBプラットフォーム」(詳細は後述)の構築にもつながるものとして今後の進捗が注目される。6月末の導入企業数は123社(前期末は89社)、累計ユーザー数は14,677名(同12,014名)となった。導入の遅れにより計画を若干下回ったようだが、想定以上の受注を獲得できているようだ。
※1 「CSM」導入に伴うメーカー側のメリットとして、1) 業務効率化(勤怠管理と請求管理)、2) コスト削減(派遣管理窓口の簡素化)、3) 定着率向上(生産性の向上)、4) 環境負荷軽減(ペーパーレス化、資源活用)、5) BCP(情報のデジタル化、業務継続)、6) 同一労働同一賃金対策(評価制度の一元管理)などが挙げられる。
※2 同社のほか、ウイルテック<7087>、(株)エイジェック、(株)三幸コーポレーション、(株)ジャパンクリエイトグループ、東洋ワーク(株)、日総工産<6569>、平山ホールディングス<7781>、フジアルテ(株)、(株)ワールドインテックの10社(50音順)。弊社の試算によれば、10社合計の市場シェア(製造派遣業界)は1割強を占めると見られる。今後、参加企業が増えてくれば、さらにプラットフォームとしての価値が高まる好循環(ネットワーク外部性)が期待される。
2. 倉庫内業務を手掛ける人材派遣会社の子会社化
2022年4月1日には、関東、東北、関西、中国の各エリアにて倉庫内作業向けに人材派遣や業務請負事業を展開している(株)サンキョウ・ロジ・アソシエート及びその子会社6社(以下、SLAグループ)の完全子会社化を実施した※。SLAグループは、長年にわたり倉庫内業務に携わってきた豊富な経験とノウハウを生かした、業務の効率化や作業品質の改善などの提案力を強みとし、優良顧客基盤を有している。本件により、SLAグループは、同社グループの営業力や全国の採用力などの経営資源を活用できるほか、管理面の底上げによる成長加速が期待できる。一方、同社グループにとっても、コロナ禍の影響を受けにくい物流系をはじめとするディフェンシブな事業拡大などにシナジーが見込める。特に倉庫内作業の領域は、注力する「派遣2.0」の対象(ファーストラインワーカー)としても捉えることができる。
※取得価額は約58億円。のれん計上額は約55億円と推定される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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