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ベネフィット・ワンのニュース
■業績動向
1. 2023年3月期第2四半期の連結業績概要
ベネフィット・ワン<2412>の2023年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比7.9%増の20,234百万円、営業利益が同29.9%減の4,828百万円、経常利益が同28.7%減の4,907百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同22.3%減の3,751百万円となった。2022年5月10日発表の計画比で見ると、売上高は3.4%減、営業利益は20.7%増、経常利益は23.0%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は42.1%増となった。売上高のみ計画を下回ったものの、各利益に関しては会社計画を大きく上回った。
売上高は、福利厚生+パーソナル+CRM事業及びインセンティブ事業等が計画を下回った。福利厚生事業においては、コロナ禍の影響から中小企業のサービス導入意欲の高まりが想定よりも緩やかとなった。インセンティブ事業においては、新システムの安定運用に時間を要したことによりポイントの交換・付与が想定よりも後ろ倒しになったことが響いた。利益面に関しては、法人向けの福利厚生事業において補助金の支出が想定よりも少なかったことや旧JTBベネフィットとのシナジー発現が3.4億円の利益押し上げ要因となった。また、ヘルスケア事業において新型コロナワクチン接種4回目の前倒しなどにより、利益を計画比5.5億円押し上げた。2023年3月期は先行投資の年度としてIT投資、本社移転、プロモーション投資などを実行したが、利益の伸びが想定を上回った格好だ。
2023年3月期第2四半期における営業利益率は23.9%、親会社株主に帰属する四半期純利益率は18.5%となった。2022年3月期の水準と比較すると若干の減少となったが、依然として高い水準を維持した。高利益率を維持できるのは、プラットフォームビジネスが勝者総取りの理論が働くビジネスモデルであり、事業規模が拡大するにつれて競争の影響が薄れる傾向にあること、同社の事業そのものが重厚長大型の事業ではないことから固定費の割合が低く(総資産に占める有形固定資産の割合は3.2%)、そのため相対的に損益分岐点が低くなり限界利益率が高くなったことなどが影響していると弊社は推察している。中期経営計画の推進によってさらに事業規模が拡大するなかで、ますます競争の度合いは低くなり、同社の利益率は高水準を維持していくものと弊社は考える。
(1) ベネフィット・ステーション関連事業(福利厚生+パーソナル+CRM)
2023年3月期第2四半期の売上高は前年同期比35.1%増の13,402百万円、営業利益は同11.7%減の4,183百万円となった。事業ごとの売上高は、福利厚生事業は同39.9%増の12,194百万円、パーソナル事業は同7.3%減の909百万円、CRM事業は同36.1%増の299百万円となった。売上高に関しては2021年10月に買収した旧JTBベネフィットとの統合効果によって、前年同期を大きく上回った。また、利益面に関しては、前年同期比では減少したものの、計画を上回って着地した。顧客企業の会員がサービスを利用した際に拠出する補助金が想定を下回って推移したことが寄与した格好だ。下期に向けては人的資本経営の広がりや人材不足下での人材確保・定着施策目的での引き合いが増加することが見込まれている。また、公務員向けの営業も堅調であり、下期に非正規会員17万人が新たに加入する予定となっている。
(2) インセンティブ事業
2023年3月期第2四半期の売上高は前年同期比18.2%減の1,556百万円、営業利益は同40.6%減の288百万円となった。新システムの安定運用までに時間を要したため、新規ポイントの交換・付与が想定よりも遅れた影響があった。ただ、労働市場における需給のひっ迫など外部環境は依然として良好であり、コロナ収束後の販促予算の回復を見込み、新規顧客の獲得に注力する方針である。
(3) ヘルスケア事業
2023年3月期第2四半期の売上高は前年同期比28.9%減の3,943百万円、営業利益は同35.2%減の1,733百万円となった。前年同期比では売上高・利益ともに減少したものの、計画を大きく上回った。新型コロナワクチン接種支援事業において、4回目接種の前倒し実施があったことが寄与した。一方で、保健指導の実施状況が想定よりも軟調となったものの、体制を厚くして実施を勧奨する構えだ。ESG経営・健康経営への意識が高まるなかでニーズは好調に推移していくことが想定される。また、同社は新型コロナワクチン接種支援事業に代えて、2022年9月よりインフルエンザワクチン接種支援事業「おもいやりワクチン」を開始した。インフルエンザへの免疫が落ち、流行の拡大を予想されるなかで高いニーズがあると想定される。2024年3月期以降の業績に寄与する見込みとなっている。
(4) 購買・精算代行事業
2023年3月期第2四半期の売上高は前年同期比7.7%減の302百万円、営業利益は同92.5%増の62百万円となった。コロナ禍による影響が徐々に薄れ出張利用が緩やかながら回復し、出張精算ソリューションに対するニーズが大手企業を中心に好調に推移した。また、福利厚生サービス導入企業へのクロスセルやシステム・カード会社等との協業により、新規顧客の獲得に注力している。
(5) ペイメント事業
2023年3月期第2四半期の売上高は前年同期比0.4%増の5百万円、営業利益は31百万円の損失(前年同期は40百万円の損失)となった。2021年6月に開始した「給トク払い」で利用できるサービスの拡大に注力し、費用先行となったものの、各指標は着実に成長した。「給トク払い」で利用できるサービスは前期末の187から232メニューとなった。2023年3月期第2四半期中に新たに対応したコンテンツ一例として、「毎日新聞」、個人向け光回線サービス「USEN光01」、「Amazonギフト券」などのコンテンツがある。これを受けて会員数は10万人(2023年4月スタート内定含む)まで拡大している状況だ。
(6) 海外事業
2023年3月期第2四半期の売上高は前年同期比14.3%増の733百万円、営業利益は174百万円の損失(前年同期は74百万円の損失)となった。シンガポールが好調となった一方、中国においてはロックダウンが発令され、経済活動が停止したことが響いた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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1. 2023年3月期第2四半期の連結業績概要
ベネフィット・ワン<2412>の2023年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比7.9%増の20,234百万円、営業利益が同29.9%減の4,828百万円、経常利益が同28.7%減の4,907百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同22.3%減の3,751百万円となった。2022年5月10日発表の計画比で見ると、売上高は3.4%減、営業利益は20.7%増、経常利益は23.0%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は42.1%増となった。売上高のみ計画を下回ったものの、各利益に関しては会社計画を大きく上回った。
売上高は、福利厚生+パーソナル+CRM事業及びインセンティブ事業等が計画を下回った。福利厚生事業においては、コロナ禍の影響から中小企業のサービス導入意欲の高まりが想定よりも緩やかとなった。インセンティブ事業においては、新システムの安定運用に時間を要したことによりポイントの交換・付与が想定よりも後ろ倒しになったことが響いた。利益面に関しては、法人向けの福利厚生事業において補助金の支出が想定よりも少なかったことや旧JTBベネフィットとのシナジー発現が3.4億円の利益押し上げ要因となった。また、ヘルスケア事業において新型コロナワクチン接種4回目の前倒しなどにより、利益を計画比5.5億円押し上げた。2023年3月期は先行投資の年度としてIT投資、本社移転、プロモーション投資などを実行したが、利益の伸びが想定を上回った格好だ。
2023年3月期第2四半期における営業利益率は23.9%、親会社株主に帰属する四半期純利益率は18.5%となった。2022年3月期の水準と比較すると若干の減少となったが、依然として高い水準を維持した。高利益率を維持できるのは、プラットフォームビジネスが勝者総取りの理論が働くビジネスモデルであり、事業規模が拡大するにつれて競争の影響が薄れる傾向にあること、同社の事業そのものが重厚長大型の事業ではないことから固定費の割合が低く(総資産に占める有形固定資産の割合は3.2%)、そのため相対的に損益分岐点が低くなり限界利益率が高くなったことなどが影響していると弊社は推察している。中期経営計画の推進によってさらに事業規模が拡大するなかで、ますます競争の度合いは低くなり、同社の利益率は高水準を維持していくものと弊社は考える。
(1) ベネフィット・ステーション関連事業(福利厚生+パーソナル+CRM)
2023年3月期第2四半期の売上高は前年同期比35.1%増の13,402百万円、営業利益は同11.7%減の4,183百万円となった。事業ごとの売上高は、福利厚生事業は同39.9%増の12,194百万円、パーソナル事業は同7.3%減の909百万円、CRM事業は同36.1%増の299百万円となった。売上高に関しては2021年10月に買収した旧JTBベネフィットとの統合効果によって、前年同期を大きく上回った。また、利益面に関しては、前年同期比では減少したものの、計画を上回って着地した。顧客企業の会員がサービスを利用した際に拠出する補助金が想定を下回って推移したことが寄与した格好だ。下期に向けては人的資本経営の広がりや人材不足下での人材確保・定着施策目的での引き合いが増加することが見込まれている。また、公務員向けの営業も堅調であり、下期に非正規会員17万人が新たに加入する予定となっている。
(2) インセンティブ事業
2023年3月期第2四半期の売上高は前年同期比18.2%減の1,556百万円、営業利益は同40.6%減の288百万円となった。新システムの安定運用までに時間を要したため、新規ポイントの交換・付与が想定よりも遅れた影響があった。ただ、労働市場における需給のひっ迫など外部環境は依然として良好であり、コロナ収束後の販促予算の回復を見込み、新規顧客の獲得に注力する方針である。
(3) ヘルスケア事業
2023年3月期第2四半期の売上高は前年同期比28.9%減の3,943百万円、営業利益は同35.2%減の1,733百万円となった。前年同期比では売上高・利益ともに減少したものの、計画を大きく上回った。新型コロナワクチン接種支援事業において、4回目接種の前倒し実施があったことが寄与した。一方で、保健指導の実施状況が想定よりも軟調となったものの、体制を厚くして実施を勧奨する構えだ。ESG経営・健康経営への意識が高まるなかでニーズは好調に推移していくことが想定される。また、同社は新型コロナワクチン接種支援事業に代えて、2022年9月よりインフルエンザワクチン接種支援事業「おもいやりワクチン」を開始した。インフルエンザへの免疫が落ち、流行の拡大を予想されるなかで高いニーズがあると想定される。2024年3月期以降の業績に寄与する見込みとなっている。
(4) 購買・精算代行事業
2023年3月期第2四半期の売上高は前年同期比7.7%減の302百万円、営業利益は同92.5%増の62百万円となった。コロナ禍による影響が徐々に薄れ出張利用が緩やかながら回復し、出張精算ソリューションに対するニーズが大手企業を中心に好調に推移した。また、福利厚生サービス導入企業へのクロスセルやシステム・カード会社等との協業により、新規顧客の獲得に注力している。
(5) ペイメント事業
2023年3月期第2四半期の売上高は前年同期比0.4%増の5百万円、営業利益は31百万円の損失(前年同期は40百万円の損失)となった。2021年6月に開始した「給トク払い」で利用できるサービスの拡大に注力し、費用先行となったものの、各指標は着実に成長した。「給トク払い」で利用できるサービスは前期末の187から232メニューとなった。2023年3月期第2四半期中に新たに対応したコンテンツ一例として、「毎日新聞」、個人向け光回線サービス「USEN光01」、「Amazonギフト券」などのコンテンツがある。これを受けて会員数は10万人(2023年4月スタート内定含む)まで拡大している状況だ。
(6) 海外事業
2023年3月期第2四半期の売上高は前年同期比14.3%増の733百万円、営業利益は174百万円の損失(前年同期は74百万円の損失)となった。シンガポールが好調となった一方、中国においてはロックダウンが発令され、経済活動が停止したことが響いた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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