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鉄人化 Research Memo(1):首都圏を基盤にカラオケルーム「カラオケの鉄人」を展開

配信元:フィスコ
投稿:2020/01/09 15:11
■要約

1. 事業概要
鉄人化計画<2404>は、首都圏を基盤にカラオケルーム「カラオケの鉄人」などを展開している。「カラオケの鉄人」は都市部繁華街立地への集中出店により合計55店舗を運営している。独自のカラオケ店舗向けシステムによる差別化や各種知的財産(アニメやゲーム等)とのコラボレーション企画などに強みを持つ。会員基盤は20代~30代の男女を中心に約200万人(年間動員数は延べ約350万人)に上る。競争激化よる影響に加え、過去のカラオケメーカー事業への参入及び偏重(及び撤退)により業績はしばらく低調に推移してきた。ただ、2018年8月期より新経営体制をスタートすると、「カラオケルーム運営事業」(以下、「カラオケ事業」という)への回帰により、足元の収益性は着実に回復傾向にある。財務課題の解決にも一定の目途が立ったことから、今後は更なる差別化推進と新規出店の継続と合わせ、新たな事業・業態の開発などにより再び成長路線を目指す考えであり、事業間シナジーを創出するM&Aにも積極的に取り組む方向性を打ち出している。

2. 2019年8月期決算の概要
2019年8月期の業績は、売上高が前期比2.6%減の7,165百万円、営業利益が同65.8%増の203百万円と減収ながら大幅な損益改善を実現。計画に対しても、売上高、各利益ともに上回る着地となっている。前期に実施した不採算店舗の閉店による影響や米国(グアム)からの撤退などが減収要因となった。ただ、売上高が計画を上回ったのは、既存店売上高が前年比101.4%と好調に推移したことが理由である。新規出店は、新業態(飲食専門店とのコラボ業態やブライダルレストラン)を含めて3店舗を実施している。利益面については、既存店売上高の伸びや不採算店舗の閉店などにより売上原価率が大きく改善。一方、販管費は新規出店費用のほか、体制強化に向けた人員関連費用やM&A費用などにより増加したものの、増収効果や原価低減等により大幅な営業増益を実現した。営業利益率も2.8%(前期は1.6%)と先行費用を賄いながら着実に改善に向かっている。

3. 2020年8月期の業績予想
2020年8月期の業績予想について同社は、売上高を前期比12.2%増の8,042百万円、営業利益を同5.7%増の214百万円と増収増益を見込んでいる。売上高は、前期出店分が通年寄与するほか、新規出店やM&A、既存店の好調維持により2ケタの増収を目指す計画である。一方、利益面ではM&Aや新規出店にかかる初期費用などが負担になるものの、増収により賄うことで増益を確保。したがって、売上高の伸びに比べて利益の伸びが緩やかなのは、2021年8月期以降の成長加速に向けた先行費用によるものと捉える必要がある。

4. 今後の方向性
競争激化が続くなか、同社はITによる店舗事業への新たな価値創出で差別化を図り、独自のポジショニングを確立することで持続的に成長する企業体質を目指している。この戦略を同社では”Shop×Tech”と名付けて、事業開発の核となる理念に据えている。今後は店舗、IT、人材の力を有機的に掛け合わせることにより、「カラオケ・飲食事業の差別化推進」、「新たな事業・業態の開発」、「全社業務改革・生産性向上」に取り組む方針である。また、「ソーシャルカラオケ®」のコンセプトのもと、リアル店舗とオンラインコミュニケーションが同期する新しい体験を提供するアプリベースのメンバーシップ型サービスを開始する予定であり、カラオケやコンテンツコラボレーションを起点とした次世代のコミュニケーションツール(プラットフォーム事業)として、その動向が注目される。

■Key Points
・2019年8月期は減収ながら大幅な損益改善を実現
・「カラオケ事業」へ注力する方針のもと、店舗収益力の強化やコンテンツコラボレーションなどが奏功
・2020年8月期は新サービスのリリースやM&A、新規出店により2ケタの増収を見込んでいる。
・ITによって店舗事業に新たな価値を持たせる“Shop×Tech”を差別化と成長の戦略とする

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


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配信元: フィスコ

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