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*12:41JST MDNT Research Memo(1):細胞加工業の高収益体質を確立し、同事業の2025年9月期黒字化必達を目指す
■要約
メディネット<2370>は、「がん免疫細胞治療」領域の先駆者であり、バイオベンチャーである。創業者である木村佳司(きむらよしじ)氏(現 代表取締役会長)と、がんと分子免疫学の研究者であった故江川滉二(えがわこうじ)氏(東京大学名誉教授)が東京大学医科学研究所において、当時認知されていなかったがん免疫細胞治療に乗り出したことに始まる。患者へ新しい治療法を提供すべく、「免疫細胞療法総合支援サービス」(当時)という新しいビジネスモデルをデザインし、事業化に至った。
1. 2023年9月期通期の業績概要
2023年9月期通期の業績は、売上高が前年同期比4.4%増の661百万円、営業損失が1,425百万円(前期は1,333百万円の損失)、経常損失が1,419百万円(同1,314百万円の損失)、当期純損失が1,437百万円(同1,254百万円の損失)となった。全体の損益面では細胞加工に用いる材料資材や光熱費高騰で製造原価が増加したほか、研究開発費の支出時期の遅れ等により営業損失はやや増加した。主力の細胞加工業の売上高は前年同期比4.4%増の661百万円、営業損失は346百万円(前年同期は232百万円の損失)となった。売上面では新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による厳しい状況が緩和されるなかで、細胞加工受託件数の回復、技術移転一時金売上の計上、CDMO事業の売上増加などにより増収となった。損益面では、将来の細胞加工受託案件の獲得に向けた体制整備費用の増加等で営業損失は拡大した。
2. 細胞加工業の2025年9月期の黒字化に向けて、同事業の事業基盤の強化と売上拡大を加速化
同社は細胞加工業のなかでも収益の軸足である特定細胞加工物製造業と成長が期待されるCDMO事業の両輪事業経営を早期に確立し、細胞加工業において2025年9月期に黒字化とすることを目標としている。
特定細胞加工物製造業は、2023年9月期に新型コロナウイルス感染症の5類移行と経済活動の活発化に伴い免疫細胞治療を受診する患者が徐々に戻りつつある。細胞加工件数も回復傾向で、2024年9月期はコロナ禍前の水準まで回復することを目指す。また、新規加工技術「NKT細胞活性化樹状細胞(がん領域)」の受託を開始している。免疫細胞治療法(メニュー)の幅を拡げることになり、がん患者にとって最適な治療法として新たに免疫治療が選択できるようになる。さらに、様々な疾患に対して臨床応用されている「脂肪由来間葉系幹細胞(ASC)」は2024年9月期中に受託を開始する予定である。これらの新たな細胞加工の品目や受託メニュー拡大も徐々に売上高に貢献している。
CDMO事業では、2022年9月末にヤンセンファーマ(株)の多発性骨髄腫に対する製品「カービクティ(R)点滴静注」が国際共同治験(第Ib/II相臨床試験)にて製造・販売承認された。これまで治験製品に関してヤンセンファーマの製造受託してきた実績と経験から、市販製品も含め製造受託を目指すとともに、新たな受託案件獲得に取り組んでいる。
特定細胞加工物製造業における細胞加工の品目や受託メニュー拡大並びにCMDO事業の売上を拡大することで、医療インバウンド患者数に過度に依存しない事業構造の変革が進んでいる。
■Key Points
・特定細胞加工物製造業はコロナ禍による厳しい状況が緩和され、加工受託件数は回復傾向
・細胞加工の品目や受託メニュー拡大で、医療インバウンド患者数に過度に依存しない事業構造変革
・細胞加工業の2025年9月期の黒字化に向けて、同事業の事業基盤の強化と売上拡大を加速化
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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メディネット<2370>は、「がん免疫細胞治療」領域の先駆者であり、バイオベンチャーである。創業者である木村佳司(きむらよしじ)氏(現 代表取締役会長)と、がんと分子免疫学の研究者であった故江川滉二(えがわこうじ)氏(東京大学名誉教授)が東京大学医科学研究所において、当時認知されていなかったがん免疫細胞治療に乗り出したことに始まる。患者へ新しい治療法を提供すべく、「免疫細胞療法総合支援サービス」(当時)という新しいビジネスモデルをデザインし、事業化に至った。
1. 2023年9月期通期の業績概要
2023年9月期通期の業績は、売上高が前年同期比4.4%増の661百万円、営業損失が1,425百万円(前期は1,333百万円の損失)、経常損失が1,419百万円(同1,314百万円の損失)、当期純損失が1,437百万円(同1,254百万円の損失)となった。全体の損益面では細胞加工に用いる材料資材や光熱費高騰で製造原価が増加したほか、研究開発費の支出時期の遅れ等により営業損失はやや増加した。主力の細胞加工業の売上高は前年同期比4.4%増の661百万円、営業損失は346百万円(前年同期は232百万円の損失)となった。売上面では新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による厳しい状況が緩和されるなかで、細胞加工受託件数の回復、技術移転一時金売上の計上、CDMO事業の売上増加などにより増収となった。損益面では、将来の細胞加工受託案件の獲得に向けた体制整備費用の増加等で営業損失は拡大した。
2. 細胞加工業の2025年9月期の黒字化に向けて、同事業の事業基盤の強化と売上拡大を加速化
同社は細胞加工業のなかでも収益の軸足である特定細胞加工物製造業と成長が期待されるCDMO事業の両輪事業経営を早期に確立し、細胞加工業において2025年9月期に黒字化とすることを目標としている。
特定細胞加工物製造業は、2023年9月期に新型コロナウイルス感染症の5類移行と経済活動の活発化に伴い免疫細胞治療を受診する患者が徐々に戻りつつある。細胞加工件数も回復傾向で、2024年9月期はコロナ禍前の水準まで回復することを目指す。また、新規加工技術「NKT細胞活性化樹状細胞(がん領域)」の受託を開始している。免疫細胞治療法(メニュー)の幅を拡げることになり、がん患者にとって最適な治療法として新たに免疫治療が選択できるようになる。さらに、様々な疾患に対して臨床応用されている「脂肪由来間葉系幹細胞(ASC)」は2024年9月期中に受託を開始する予定である。これらの新たな細胞加工の品目や受託メニュー拡大も徐々に売上高に貢献している。
CDMO事業では、2022年9月末にヤンセンファーマ(株)の多発性骨髄腫に対する製品「カービクティ(R)点滴静注」が国際共同治験(第Ib/II相臨床試験)にて製造・販売承認された。これまで治験製品に関してヤンセンファーマの製造受託してきた実績と経験から、市販製品も含め製造受託を目指すとともに、新たな受託案件獲得に取り組んでいる。
特定細胞加工物製造業における細胞加工の品目や受託メニュー拡大並びにCMDO事業の売上を拡大することで、医療インバウンド患者数に過度に依存しない事業構造の変革が進んでいる。
■Key Points
・特定細胞加工物製造業はコロナ禍による厳しい状況が緩和され、加工受託件数は回復傾向
・細胞加工の品目や受託メニュー拡大で、医療インバウンド患者数に過度に依存しない事業構造変革
・細胞加工業の2025年9月期の黒字化に向けて、同事業の事業基盤の強化と売上拡大を加速化
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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