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ドーンのニュース
■要約
ドーン<2303>は、地理情報システム(GIS)を活用したシステムの開発・販売を行う企業である。中央省庁や地方自治体、電力会社などでの採用実績が多く、信頼性の要求されるシステムに定評がある。GISエンジンソフトのライセンス販売や受託開発を長年にわたり事業の柱としてきたが、近年は防災や防犯関連のクラウドサービスで業績を伸ばしている。主力の「NET119緊急通報システム」が全国の消防で採用され、人口カバー率は56.7%と過半数を超えた。次期の主力商品として、消防向けの映像通報システム「Live119」が拡大期に入っている。同様の映像通報技術を応用した映像通報システム「Live-X」、災害情報共有サービス「DMaCS」も好調に推移している。2022年7月に発表した中期経営計画では、「社会課題に挑戦し新しい価値を創造する“エッセンシャルカンパニー”」を目指すことを宣言した。
1. 主力事業・サービス
システム開発においては“所有から利用へ”の流れのなか「クラウド」へのシフトが進行中である。顧客にとって、最新のシステムを初期投資を抑えてすぐ利用でき、自前で運用・保守をする面倒もない。クラウド化の進展は、同社の成長にも大きく貢献してきた。2016年5月期に全社売上高の20.5%だったクラウド利用料の売上高構成比は、2022年5月期には50.3%まで上昇している。現在の主力事業は、クラウドサービス「NET119緊急通報システム」である。聴覚や発話に障がいのある人のためのシステムであり、スマートフォン・携帯電話のインターネット接続機能を利用して、簡単に素早く119番通報することができる。急病やけが、地震や風水害・火災などの緊急時に、自宅からの通報はもちろん、GPS機能を利用しているため外出先からも通報でき、受信側はすぐに居場所を特定できる。2022年5月末時点の国内人口カバー率は56.7%にのぼり、中期的には70%前後を予想する。また、次期の主力システムと期待されるクラウド型映像通報システム「Live119」の稼働が各地で本格化しており、2022年5月末時点の人口カバー率は20.3%に上昇した。
2. 2022年5月期通期の業績概要
2022年5月期通期の売上高は1,222百万円(前期比9.2%増)、営業利益400百万円(同17.9%増)、経常利益404百万円(同17.8%増)、当期純利益283百万円(同19.3%増)と7期連続の増収増益を達成した。自治体向けクラウドサービスにおいて既存契約の継続に加え新規契約が積み上がったことから、利用料収入及び初期構築等に係る受託開発売上が増加し、高い成長率を維持した。
3. 2023年5月期の業績予想
2023年5月期の業績は、売上高で前期比8.0%増の1,320百万円、営業利益で同8.8%増の435百万円、経常利益で同8.9%増の440百万円、当期純利益で同6.4%増の301百万円と、8期連続の増収増益を予想する。2023年5月期は、新中期経営計画の初年度であり、「Gov-tech市場の深耕」を中心テーマとして既存事業の安定的な拡大を図りつつ、新たな成長分野への挑戦も本格的にスタートさせる。
4. 成長戦略・トピック
同社は、2022年7月に、2023年5月期を初年度とし、2025年5月期を最終年度とする3ヶ年の新中期経営計画を策定した。売上高では2025年5月期に1,550百万円(2022年5月期の1.27倍)、年平均成長率で8.9%成長する計画である。営業利益では、同551百万円(同1.38倍)、年平均成長率で12.5%と利益成長を加速させるプランとなっている。なお、この数値計画にはM&Aや新サービスによる増分は考慮されていないため、既存事業のオーガニックな成長で達成可能な数値と考えられる。ROE(自己資本当期純利益率)に関しては、M&Aなどを行いつつも10%以上を維持したい考えだ。将来的には、売上高で50億円、従業員体制200名規模となり、プライム市場上場基準適合を目指している。
5. 株主還元策
2022年5月期の配当金は、前期比2.0円増の年14.0円(普通配当13.0円、記念配当1.0円)、配当性向15.8%と、7期連続の増配を達成した。2023年5月期の配当金は、前期比1.0円増の15.0円、配当性向15.9%を予想する。
■Key Points
・2022年5月期は7期連続の増収増益を達成。次期主力の「Live119」などクラウドサービスが伸び、事業モデル転換が順調に進展
・2023年5月期は8期連続の増収増益を予想。
・新中期経営計画で「社会課題に挑戦し新しい価値を創造する“エッセンシャルカンパニー”」を目指すことを宣言
・新中期経営計画では、社会課題解決サービスへの事業領域拡大やM&A構想などを重点施策とする
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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ドーン<2303>は、地理情報システム(GIS)を活用したシステムの開発・販売を行う企業である。中央省庁や地方自治体、電力会社などでの採用実績が多く、信頼性の要求されるシステムに定評がある。GISエンジンソフトのライセンス販売や受託開発を長年にわたり事業の柱としてきたが、近年は防災や防犯関連のクラウドサービスで業績を伸ばしている。主力の「NET119緊急通報システム」が全国の消防で採用され、人口カバー率は56.7%と過半数を超えた。次期の主力商品として、消防向けの映像通報システム「Live119」が拡大期に入っている。同様の映像通報技術を応用した映像通報システム「Live-X」、災害情報共有サービス「DMaCS」も好調に推移している。2022年7月に発表した中期経営計画では、「社会課題に挑戦し新しい価値を創造する“エッセンシャルカンパニー”」を目指すことを宣言した。
1. 主力事業・サービス
システム開発においては“所有から利用へ”の流れのなか「クラウド」へのシフトが進行中である。顧客にとって、最新のシステムを初期投資を抑えてすぐ利用でき、自前で運用・保守をする面倒もない。クラウド化の進展は、同社の成長にも大きく貢献してきた。2016年5月期に全社売上高の20.5%だったクラウド利用料の売上高構成比は、2022年5月期には50.3%まで上昇している。現在の主力事業は、クラウドサービス「NET119緊急通報システム」である。聴覚や発話に障がいのある人のためのシステムであり、スマートフォン・携帯電話のインターネット接続機能を利用して、簡単に素早く119番通報することができる。急病やけが、地震や風水害・火災などの緊急時に、自宅からの通報はもちろん、GPS機能を利用しているため外出先からも通報でき、受信側はすぐに居場所を特定できる。2022年5月末時点の国内人口カバー率は56.7%にのぼり、中期的には70%前後を予想する。また、次期の主力システムと期待されるクラウド型映像通報システム「Live119」の稼働が各地で本格化しており、2022年5月末時点の人口カバー率は20.3%に上昇した。
2. 2022年5月期通期の業績概要
2022年5月期通期の売上高は1,222百万円(前期比9.2%増)、営業利益400百万円(同17.9%増)、経常利益404百万円(同17.8%増)、当期純利益283百万円(同19.3%増)と7期連続の増収増益を達成した。自治体向けクラウドサービスにおいて既存契約の継続に加え新規契約が積み上がったことから、利用料収入及び初期構築等に係る受託開発売上が増加し、高い成長率を維持した。
3. 2023年5月期の業績予想
2023年5月期の業績は、売上高で前期比8.0%増の1,320百万円、営業利益で同8.8%増の435百万円、経常利益で同8.9%増の440百万円、当期純利益で同6.4%増の301百万円と、8期連続の増収増益を予想する。2023年5月期は、新中期経営計画の初年度であり、「Gov-tech市場の深耕」を中心テーマとして既存事業の安定的な拡大を図りつつ、新たな成長分野への挑戦も本格的にスタートさせる。
4. 成長戦略・トピック
同社は、2022年7月に、2023年5月期を初年度とし、2025年5月期を最終年度とする3ヶ年の新中期経営計画を策定した。売上高では2025年5月期に1,550百万円(2022年5月期の1.27倍)、年平均成長率で8.9%成長する計画である。営業利益では、同551百万円(同1.38倍)、年平均成長率で12.5%と利益成長を加速させるプランとなっている。なお、この数値計画にはM&Aや新サービスによる増分は考慮されていないため、既存事業のオーガニックな成長で達成可能な数値と考えられる。ROE(自己資本当期純利益率)に関しては、M&Aなどを行いつつも10%以上を維持したい考えだ。将来的には、売上高で50億円、従業員体制200名規模となり、プライム市場上場基準適合を目指している。
5. 株主還元策
2022年5月期の配当金は、前期比2.0円増の年14.0円(普通配当13.0円、記念配当1.0円)、配当性向15.8%と、7期連続の増配を達成した。2023年5月期の配当金は、前期比1.0円増の15.0円、配当性向15.9%を予想する。
■Key Points
・2022年5月期は7期連続の増収増益を達成。次期主力の「Live119」などクラウドサービスが伸び、事業モデル転換が順調に進展
・2023年5月期は8期連続の増収増益を予想。
・新中期経営計画で「社会課題に挑戦し新しい価値を創造する“エッセンシャルカンパニー”」を目指すことを宣言
・新中期経営計画では、社会課題解決サービスへの事業領域拡大やM&A構想などを重点施策とする
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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