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カンロのニュース
*14:17JST カンロ Research Memo(7):持続可能な成長を実現するため「Kanro Vision 2030」を策定(1)
■成長戦略
1. 長期ビジョン「Kanro Vision 2030」
カンロ<2216>は、将来にわたって持続可能な成長を実現するために「Kanro Vision 2030」を策定した。このビジョンでは、長年に渡るキャンディ製造の専門知識を活かし、新しい素材や機能を組み合わせた製品開発により、健康的なライフスタイルへの貢献を目指す。イノベーションを重視し、独自の研究技術に基づいて、環境に配慮した新しいキャンディの製法を開発する一方で、デジタル技術を駆使したマーケティング戦略を通じ、消費者に新しいブランド体験を提供する。加えて、ESG経営を推進することで、社会課題の解決にも取り組み、多様性と包摂性を促進し、ガバナンスを強化することで、社会から選ばれ、信頼される企業を目指す。
(1) 価値創造
同社は創業110年の歴史と伝統に培われたキャンディへの情熱と「素材」と「機能性」の追求で新たな価値を創造し人々の健やかな生活に貢献する企業を目指す。イノベーションによる価値創造に注力しており、「研究技術のイノベーション」と「デジタル起点のイノベーション」を推進する。
(2) ESG経営
同社は、事業活動を通じて生み出される価値を用いて社会的課題の解決に努め、共生する社会、そして人々に支持される企業を目指している。2022年4月、サステナビリティに対する全社員の意識をさらに高め、既存の取り組みを一層推し進めることを目的に、「サステナビリティ委員会」を設立した。同委員会の下で、人権ポリシーの策定、障がい者の雇用率や女性管理職比率の向上、LGBTQへの理解を深める活動、偏見のない職場環境の構築、そして育児や介護のための休暇が取りやすい環境を整えるなどのダイバーシティとインクルージョンの促進に取り組んでいる。災害や感染症に対する事業継続計画(BCP※)の強化やサイバーセキュリティリスク対策の充実といったガバナンスの強化も進めている。
※「事業継続計画」のことで、テロや災害などの状況においても重要な業務を継続できる対策を事前に準備しておくための計画書のこと。
(3) 事業領域の拡大
同社は、国内キャンディ事業をコア事業としながらも、海外市場、デジタル分野、そして将来の市場に目を向けた多面的な事業展開を通じて成長を続けることを目指す。長期ビジョンでは、主要な販売チャネルである「コア事業(飴(ハードキャンディ)・グミ)」においては、既存の製品に焦点を当てて年間平均3%以上の成長を目標としている。一方、新規事業である「グローバル事業」「デジタルコマース・ヒトツブ事業」「フューチャーデザイン事業」では、新製品による市場の拡大を図り、年間平均30%以上の成長を目指す。4つの事業を合わせた年間平均成長率は5%以上が目標だ。
世界は高齢化の進行、人口増加、感染症への懸念、温室効果ガスによる気候変動、食品廃棄物、海洋汚染、大規模な自然災害といった様々な生活と社会の課題に直面している。これらの問題に対処するために、信頼性、ブランド力、研究開発能力、品質保証体制といった同社の強みを生かし、健康で笑顔に溢れる未来を築くことをビジョンとして掲げている。企業の使命感を表す「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。」というスローガンのもと、2030年までの長期ビジョンを達成する主要な指標として、売上高500億円、営業利益率9%以上、投下資本利益率(ROIC)10%以上を設定している。
2. 中期経営計画2024
2022年に始動した3ヶ年計画の「中期経営計画 2024」は、「Kanro Vision2030の実現に向けたて新たな事業を起こす」ことを核としている。同計画により、長年の基盤であり強みでもある国内キャンディ事業を中心に据え、成長への投資を加速する方針である。さらに、グローバル事業、デジタルコマース・ヒトツブ事業、フューチャーデザイン事業という3つの新規事業を積極的に推進し、市場や販売チャネル、製品やサービス(ドメイン)を広げることで企業価値の向上を目指す。それぞれの事業を段階的に成長させ、パーパスドリブン経営で社会的価値を同時に創出する企業としての地位を築く戦略である。
中期経営計画の進捗状況を見ると、売上高は、2023年12月期実績は290億円、2024年12月期予想は303億円と順調に推移すると見られる。営業利益率については、2024年の目標値7.0%に対し、2023年12月期実績は11.7%、2024年12月期予想は11.4%を示している。また、3年間の全社売上高年平均成長率は目標値5%以上増に対し、予想値は12.0%増を予想している。新規3事業だけで見ると、目標値の30%以上増を上回る41.7%増を予想するが、絶対的な事業規模の拡大が最大の課題と言える。次期中期経営戦略における施策に期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
<SI>
1. 長期ビジョン「Kanro Vision 2030」
カンロ<2216>は、将来にわたって持続可能な成長を実現するために「Kanro Vision 2030」を策定した。このビジョンでは、長年に渡るキャンディ製造の専門知識を活かし、新しい素材や機能を組み合わせた製品開発により、健康的なライフスタイルへの貢献を目指す。イノベーションを重視し、独自の研究技術に基づいて、環境に配慮した新しいキャンディの製法を開発する一方で、デジタル技術を駆使したマーケティング戦略を通じ、消費者に新しいブランド体験を提供する。加えて、ESG経営を推進することで、社会課題の解決にも取り組み、多様性と包摂性を促進し、ガバナンスを強化することで、社会から選ばれ、信頼される企業を目指す。
(1) 価値創造
同社は創業110年の歴史と伝統に培われたキャンディへの情熱と「素材」と「機能性」の追求で新たな価値を創造し人々の健やかな生活に貢献する企業を目指す。イノベーションによる価値創造に注力しており、「研究技術のイノベーション」と「デジタル起点のイノベーション」を推進する。
(2) ESG経営
同社は、事業活動を通じて生み出される価値を用いて社会的課題の解決に努め、共生する社会、そして人々に支持される企業を目指している。2022年4月、サステナビリティに対する全社員の意識をさらに高め、既存の取り組みを一層推し進めることを目的に、「サステナビリティ委員会」を設立した。同委員会の下で、人権ポリシーの策定、障がい者の雇用率や女性管理職比率の向上、LGBTQへの理解を深める活動、偏見のない職場環境の構築、そして育児や介護のための休暇が取りやすい環境を整えるなどのダイバーシティとインクルージョンの促進に取り組んでいる。災害や感染症に対する事業継続計画(BCP※)の強化やサイバーセキュリティリスク対策の充実といったガバナンスの強化も進めている。
※「事業継続計画」のことで、テロや災害などの状況においても重要な業務を継続できる対策を事前に準備しておくための計画書のこと。
(3) 事業領域の拡大
同社は、国内キャンディ事業をコア事業としながらも、海外市場、デジタル分野、そして将来の市場に目を向けた多面的な事業展開を通じて成長を続けることを目指す。長期ビジョンでは、主要な販売チャネルである「コア事業(飴(ハードキャンディ)・グミ)」においては、既存の製品に焦点を当てて年間平均3%以上の成長を目標としている。一方、新規事業である「グローバル事業」「デジタルコマース・ヒトツブ事業」「フューチャーデザイン事業」では、新製品による市場の拡大を図り、年間平均30%以上の成長を目指す。4つの事業を合わせた年間平均成長率は5%以上が目標だ。
世界は高齢化の進行、人口増加、感染症への懸念、温室効果ガスによる気候変動、食品廃棄物、海洋汚染、大規模な自然災害といった様々な生活と社会の課題に直面している。これらの問題に対処するために、信頼性、ブランド力、研究開発能力、品質保証体制といった同社の強みを生かし、健康で笑顔に溢れる未来を築くことをビジョンとして掲げている。企業の使命感を表す「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。」というスローガンのもと、2030年までの長期ビジョンを達成する主要な指標として、売上高500億円、営業利益率9%以上、投下資本利益率(ROIC)10%以上を設定している。
2. 中期経営計画2024
2022年に始動した3ヶ年計画の「中期経営計画 2024」は、「Kanro Vision2030の実現に向けたて新たな事業を起こす」ことを核としている。同計画により、長年の基盤であり強みでもある国内キャンディ事業を中心に据え、成長への投資を加速する方針である。さらに、グローバル事業、デジタルコマース・ヒトツブ事業、フューチャーデザイン事業という3つの新規事業を積極的に推進し、市場や販売チャネル、製品やサービス(ドメイン)を広げることで企業価値の向上を目指す。それぞれの事業を段階的に成長させ、パーパスドリブン経営で社会的価値を同時に創出する企業としての地位を築く戦略である。
中期経営計画の進捗状況を見ると、売上高は、2023年12月期実績は290億円、2024年12月期予想は303億円と順調に推移すると見られる。営業利益率については、2024年の目標値7.0%に対し、2023年12月期実績は11.7%、2024年12月期予想は11.4%を示している。また、3年間の全社売上高年平均成長率は目標値5%以上増に対し、予想値は12.0%増を予想している。新規3事業だけで見ると、目標値の30%以上増を上回る41.7%増を予想するが、絶対的な事業規模の拡大が最大の課題と言える。次期中期経営戦略における施策に期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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