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トライステージのニュース
■トライステージ<2178>の今後の見通し
2. 事業セグメント別見通し
(1) ダイレクトマーケティング支援事業
a) テレビ事業
テレビ事業の売上高は前期比7.8%減の27,000百万円、営業利益は同25.7%減の880百万円となる見通し。売上高の減少要因は、主要顧客の1社で発注方式が変更された影響が大きい。この影響で約20億円の減収要因となるが、減少部分についての利益率は低いため、利益への影響は軽微となっている。
同影響を除けば、既存顧客からの出稿意欲は堅調に推移しており、ほぼ前期並みの水準を見込んでいる。一方、放送番組枠の仕入れについては引き続き需給バランスを考慮して最適化に取り組み、不足分についてはスポットCM枠を仕入れることでカバーしていく方針となっている。主要顧客の発注方式変更や仕入最適化、業務の効率化に取り組むことで、売上総利益率は前期の12.3%から13.3%と1.0ポイントの上昇を見込んでいる。同水準は、直近のピークであった2010年2月期の13.1%を上回る水準となるが、前第4四半期は13.1%まで上昇しており、顧客の出稿意欲が冷え込まない限り達成可能な水準と弊社では見ている。
売上総利益率の向上により、売上総利益は前期比横ばい程度となる見通しだが、販管費の増加が営業利益の減益要因となる。主な費用増要因としては、九州支店開設(2019年3月)に伴う人件費や賃借料等の費用増加、映像解析による映像評価システムやAI活用による受注予測システム等の開発費用増、将来の成長基盤となるダイレクトデータマーケティング(以下、DDM)基盤の構築費用等が挙げられる。
九州支店の開設については、同社の主要顧客数社が九州に拠点を置いており、従来は東京から出張ベースで打ち合わせなどを行っていたが、顧客とのグリップ強化を図ることを目的に、現地に支店を開設することとなった。人員としては数名程度の体制となり、既存顧客のフォローアップだけでなく、新規顧客の開拓にも取り組んでいく方針となっている。九州は国内有数の通販事業者が集積する「通販王国」として知られている地域であり、新規顧客の獲得も含めた売上増が期待される。
その他、2020年2月期の取組方針としては、放送枠の新たな販売手法の開拓やコンサルティング型営業を強化していく。なお映像評価システムとは、時間帯ごとの映像解析を行い商材別に売れる時間帯などを可視化するシステムで、顧客に対する効果的な放送枠の販売に寄与するシステムとなる。また、受注予測システムは、コールセンターにおける時間帯、商材ごとの入電量をAIで分析し、オペレーターの人員最適化を実現可能とするシステムとなる。いずれも2020年2月期中の稼働を目指している。
b) WEB事業
WEB事業の売上高は前期比73.5%増の5,478百万円、営業損失は258百万円(前期は44百万円の損失)となる見通し。売上高については、「AdScale」を切り口に顧客数の拡大と広告効果の改善を図ることで高成長を見込んでいる。一方、営業損失が拡大する要因は、業容拡大のため積極的な人材採用と広告費の投下を予定しているため。従業員数(派遣含む)は、前期末の66名から50%増となる100名前後まで増員する計画となっている。また、「AdScale」以外にもデジタルマーケティング領域で先進的なツールがあれば、積極的に導入し拡販を進めていく方針となっている。
課題としては、「AdScale」の導入から売上発生までのリードタイム短縮が挙げられる。既存の代理店との競合プレゼンになるケースも多く、現在は受注までに4−5ヶ月の時間を要しているようで、営業人員のコンサルティング能力向上を図りながらリードタイムを短縮し、収益化を早める取り組みを進めていく。
(2) DM事業
DM事業の売上高は前期比0.7%増の18,636百万円、営業利益は同3.6%増の372百万円と増収増益が続く見通し。新規顧客の獲得に加えて、前下期から開始した「ネコポス」「ゆうパケット」など小型宅配便への対応を強化していく。小型宅配便はメール便よりも発送料金が高いため1件当たりの利益額も大きく、収益拡大に貢献する見通しだ。また、業界トップクラスのDM取扱実績を強みに、川上領域(企画・制作・印刷)も含めたトータルソリューションサービスの実現に向けた人員強化にも取り組んでいく方針となっている。なお、のれんの償却が2019年2月期で完了しており、同要因で13百万円の増益要因となる。
(3) 海外事業
海外事業の売上高は前期比0.9%増の1,827百万円、営業損失は168百万円(前期は422百万円の損失)となる見通し。早期の黒字化に向け、事業の選択と集中を進めていく。収益改善施策として、JMLについては2019年3月より経営体制を刷新し、同社から社長を送り込み、MD戦略見直しによるグループシナジーの創出を図ることで損失削減に取り組んでいく。具体的には、日本の商品(健康食品等)やMerdis経由で韓国の美容関連商品の取扱いを計画し、売上高の回復を目指している。また、Merdisについては、主要顧客の取引方針変更により2019年2月期は一時的に収益が悪化したものの、同影響も一巡しており2020年2月期は黒字に転換する見込みとなっている。
なお、営業損失が254百万円縮小する見込みとなっているが、このうち114百万円は棚卸資産評価損がなくなること、45百万円はのれん償却費がなくなることによるもので、実質ベースでは95百万円の損失縮小を見込んでいることになる。
(4) 通販事業
通販事業の売上高は前期比6.7%減の347百万円、営業損失は177百万円(前期は271百万円の損失)となる見通し。2020年2月期は課題であったリピート率の向上を図り、収益性の改善を目指す方針となっている。新規顧客獲得に向けた広告費も抑制するため、売上高については若干の減少を見込んでいる。
(5) その他事業
その他事業の売上高は前期比16.0%増の1,736百万円、営業利益は22百万円(前期は1百万円の利益)となる見通し。店舗のスクラップ&ビルドを進めていくほか、2019年秋には大型旗艦店の出店を検討となっている。また、新たな取り組みとして2019年3月にFC店となる「日本百貨店おきなわ」を那覇空港の新国際線旅客ターミナルビル内に出店しており、訪日外国人客を対象にした販売拡大を見込んでいる。そのほか、収益性の高い催事や卸事業についても拡大していく方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別見通し
(1) ダイレクトマーケティング支援事業
a) テレビ事業
テレビ事業の売上高は前期比7.8%減の27,000百万円、営業利益は同25.7%減の880百万円となる見通し。売上高の減少要因は、主要顧客の1社で発注方式が変更された影響が大きい。この影響で約20億円の減収要因となるが、減少部分についての利益率は低いため、利益への影響は軽微となっている。
同影響を除けば、既存顧客からの出稿意欲は堅調に推移しており、ほぼ前期並みの水準を見込んでいる。一方、放送番組枠の仕入れについては引き続き需給バランスを考慮して最適化に取り組み、不足分についてはスポットCM枠を仕入れることでカバーしていく方針となっている。主要顧客の発注方式変更や仕入最適化、業務の効率化に取り組むことで、売上総利益率は前期の12.3%から13.3%と1.0ポイントの上昇を見込んでいる。同水準は、直近のピークであった2010年2月期の13.1%を上回る水準となるが、前第4四半期は13.1%まで上昇しており、顧客の出稿意欲が冷え込まない限り達成可能な水準と弊社では見ている。
売上総利益率の向上により、売上総利益は前期比横ばい程度となる見通しだが、販管費の増加が営業利益の減益要因となる。主な費用増要因としては、九州支店開設(2019年3月)に伴う人件費や賃借料等の費用増加、映像解析による映像評価システムやAI活用による受注予測システム等の開発費用増、将来の成長基盤となるダイレクトデータマーケティング(以下、DDM)基盤の構築費用等が挙げられる。
九州支店の開設については、同社の主要顧客数社が九州に拠点を置いており、従来は東京から出張ベースで打ち合わせなどを行っていたが、顧客とのグリップ強化を図ることを目的に、現地に支店を開設することとなった。人員としては数名程度の体制となり、既存顧客のフォローアップだけでなく、新規顧客の開拓にも取り組んでいく方針となっている。九州は国内有数の通販事業者が集積する「通販王国」として知られている地域であり、新規顧客の獲得も含めた売上増が期待される。
その他、2020年2月期の取組方針としては、放送枠の新たな販売手法の開拓やコンサルティング型営業を強化していく。なお映像評価システムとは、時間帯ごとの映像解析を行い商材別に売れる時間帯などを可視化するシステムで、顧客に対する効果的な放送枠の販売に寄与するシステムとなる。また、受注予測システムは、コールセンターにおける時間帯、商材ごとの入電量をAIで分析し、オペレーターの人員最適化を実現可能とするシステムとなる。いずれも2020年2月期中の稼働を目指している。
b) WEB事業
WEB事業の売上高は前期比73.5%増の5,478百万円、営業損失は258百万円(前期は44百万円の損失)となる見通し。売上高については、「AdScale」を切り口に顧客数の拡大と広告効果の改善を図ることで高成長を見込んでいる。一方、営業損失が拡大する要因は、業容拡大のため積極的な人材採用と広告費の投下を予定しているため。従業員数(派遣含む)は、前期末の66名から50%増となる100名前後まで増員する計画となっている。また、「AdScale」以外にもデジタルマーケティング領域で先進的なツールがあれば、積極的に導入し拡販を進めていく方針となっている。
課題としては、「AdScale」の導入から売上発生までのリードタイム短縮が挙げられる。既存の代理店との競合プレゼンになるケースも多く、現在は受注までに4−5ヶ月の時間を要しているようで、営業人員のコンサルティング能力向上を図りながらリードタイムを短縮し、収益化を早める取り組みを進めていく。
(2) DM事業
DM事業の売上高は前期比0.7%増の18,636百万円、営業利益は同3.6%増の372百万円と増収増益が続く見通し。新規顧客の獲得に加えて、前下期から開始した「ネコポス」「ゆうパケット」など小型宅配便への対応を強化していく。小型宅配便はメール便よりも発送料金が高いため1件当たりの利益額も大きく、収益拡大に貢献する見通しだ。また、業界トップクラスのDM取扱実績を強みに、川上領域(企画・制作・印刷)も含めたトータルソリューションサービスの実現に向けた人員強化にも取り組んでいく方針となっている。なお、のれんの償却が2019年2月期で完了しており、同要因で13百万円の増益要因となる。
(3) 海外事業
海外事業の売上高は前期比0.9%増の1,827百万円、営業損失は168百万円(前期は422百万円の損失)となる見通し。早期の黒字化に向け、事業の選択と集中を進めていく。収益改善施策として、JMLについては2019年3月より経営体制を刷新し、同社から社長を送り込み、MD戦略見直しによるグループシナジーの創出を図ることで損失削減に取り組んでいく。具体的には、日本の商品(健康食品等)やMerdis経由で韓国の美容関連商品の取扱いを計画し、売上高の回復を目指している。また、Merdisについては、主要顧客の取引方針変更により2019年2月期は一時的に収益が悪化したものの、同影響も一巡しており2020年2月期は黒字に転換する見込みとなっている。
なお、営業損失が254百万円縮小する見込みとなっているが、このうち114百万円は棚卸資産評価損がなくなること、45百万円はのれん償却費がなくなることによるもので、実質ベースでは95百万円の損失縮小を見込んでいることになる。
(4) 通販事業
通販事業の売上高は前期比6.7%減の347百万円、営業損失は177百万円(前期は271百万円の損失)となる見通し。2020年2月期は課題であったリピート率の向上を図り、収益性の改善を目指す方針となっている。新規顧客獲得に向けた広告費も抑制するため、売上高については若干の減少を見込んでいる。
(5) その他事業
その他事業の売上高は前期比16.0%増の1,736百万円、営業利益は22百万円(前期は1百万円の利益)となる見通し。店舗のスクラップ&ビルドを進めていくほか、2019年秋には大型旗艦店の出店を検討となっている。また、新たな取り組みとして2019年3月にFC店となる「日本百貨店おきなわ」を那覇空港の新国際線旅客ターミナルビル内に出店しており、訪日外国人客を対象にした販売拡大を見込んでいる。そのほか、収益性の高い催事や卸事業についても拡大していく方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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