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昭和産業のニュース
■中長期の成長戦略
昭和産業<2004>は、1st Stage「中期経営計画17-19」においてありたい姿の実現に向けた足場固めを経て、2020年4月より2nd Stage「中期経営計画20-22」を進めている。基本方針として「“確立”基盤事業の盤石化と成長事業の育成」、基本コンセプトは「SHOWA New Value Creation ~SHOWAだからできる新たな価値とは~」を掲げている。顧客・社会課題視点による解決提案力の向上やグループ総合力のさらなる深化、さらにイノベーション創出に向けた経営基盤の確立によって、新たな価値を創造し、多様な食シーンに貢献していく。「中期経営計画20-22」の目標数値として、最終年度となる2023年3月期に、売上高2,800億円(2022年3月期実績2,876億円)、経常利益130億円(同65億円)を掲げている。コロナ禍と原料穀物高の影響で当初計画に対しては約2年の遅れをとっているが、最終年度における重点施策にグループ全体で取り組み、目標達成に向けて取り組みを強化していく。
(1) サンエイ糖化との取り組み
2020年12月にサンエイ糖化が同社グループの「糖質事業」に加わった。サンエイ糖化は、輸液など医薬用にも使用される結晶ぶどう糖では国内トップクラスの企業であり、結晶ぶどう糖の国内生産量シェア70%(同社調べ)となっている。シナジーの最大化を図るために、2021年1月にプロジェクトを立ち上げ、現在、双方のメリットを生かすための具体的な検討を進めている。また、サンエイ糖化がグループ化したことで、生産拠点数は、同社の鹿島工場と敷島スターチ、サンエイ糖化を合わせた3工場体制となり、安定供給、生産効率のさらなる強化を進める。原料・資材調達の面においても、業界トップレベルのスケールメリットを発揮し、共同調達による原料資材のコストダウンを図る。また、仕入先の分散を図る。サンエイ糖化が取り扱う乳酸菌や水あめの一種であるオリゴ糖酸など、少子高齢化、健康志向のニーズに応えた新事業、新製品開発を進め、グループとしての拡大を図る。
(2) ボーソー油脂との取り組み
ボーソー油脂は2020年9月に子会社化した。これにより「こめ油」という新たな油種を取り込み、販売を強化していく。まずは足元の業績改善に向けた、両社の商材と販路を活用したクロスセルや物流・販売コスト削減の取り組みを開始しており、その結果、過去3期連続で赤字が続いていたボーソー油脂の当期純利益は、2021年3月期には4期ぶり黒字に転換した。2022年3月期の営業利益は前期の4,000万円から4億円に拡大した。
(3) 焼成パン事業の収益構造改革
焼成パン事業は、収益構造改革を引き続き進めていく計画である。これまで焼成パン事業グループ4社(グランソールベーカリー、スウィングベーカリー、ガーデンベーカリー、タワーベーカリー)の人員配置・工程管理改善による生産性改善、商品開発段階からの原価管理の徹底、商品アイテムの見直しによる生産効率の向上といった製造工程の改革を行ってきた。さらに2022年4月からは、焼成パン事業のグループ4社の意思決定体制を一本化し、4社の一体運営と各社のベクトルの統一化を進める。
(4) プラントベースフードの開発・販売強化
大豆たん白は、健康志向の高まりや環境に配慮した食品として注目されており、2021年3月期の売上高は、19億円と13年度の約1.7倍となったが、22年3月期では21億円に拡大した。業務用新商品「ミーテックスE-1」は、肉用だけでなく、シリアルや製菓用途など幅広く提案し、販売を強化していく。また、「大豆Hi!芽」に続く健康訴求商品の開発強化も進めていく。
(5) ソリューション営業部による外食向け提案の強化
2021年4月に外食産業にフォーカスした「ソリューション営業部」を立ち上げた。外食顧客へ同社商品を活用し、ソリューション型(顧客課題解決型)のワンストップ提案を行う。製粉、油脂、糖質の知識を習得するために自社教育を重ねながら、顧客へ店舗オペレーション支援や外食企業のメニュー開発担当者へ直接アプローチして、顧客が求めている以上の価値提供を目指していく。今後は全社ベースでの取り組みに拡大していく方針だ。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<EY>
昭和産業<2004>は、1st Stage「中期経営計画17-19」においてありたい姿の実現に向けた足場固めを経て、2020年4月より2nd Stage「中期経営計画20-22」を進めている。基本方針として「“確立”基盤事業の盤石化と成長事業の育成」、基本コンセプトは「SHOWA New Value Creation ~SHOWAだからできる新たな価値とは~」を掲げている。顧客・社会課題視点による解決提案力の向上やグループ総合力のさらなる深化、さらにイノベーション創出に向けた経営基盤の確立によって、新たな価値を創造し、多様な食シーンに貢献していく。「中期経営計画20-22」の目標数値として、最終年度となる2023年3月期に、売上高2,800億円(2022年3月期実績2,876億円)、経常利益130億円(同65億円)を掲げている。コロナ禍と原料穀物高の影響で当初計画に対しては約2年の遅れをとっているが、最終年度における重点施策にグループ全体で取り組み、目標達成に向けて取り組みを強化していく。
(1) サンエイ糖化との取り組み
2020年12月にサンエイ糖化が同社グループの「糖質事業」に加わった。サンエイ糖化は、輸液など医薬用にも使用される結晶ぶどう糖では国内トップクラスの企業であり、結晶ぶどう糖の国内生産量シェア70%(同社調べ)となっている。シナジーの最大化を図るために、2021年1月にプロジェクトを立ち上げ、現在、双方のメリットを生かすための具体的な検討を進めている。また、サンエイ糖化がグループ化したことで、生産拠点数は、同社の鹿島工場と敷島スターチ、サンエイ糖化を合わせた3工場体制となり、安定供給、生産効率のさらなる強化を進める。原料・資材調達の面においても、業界トップレベルのスケールメリットを発揮し、共同調達による原料資材のコストダウンを図る。また、仕入先の分散を図る。サンエイ糖化が取り扱う乳酸菌や水あめの一種であるオリゴ糖酸など、少子高齢化、健康志向のニーズに応えた新事業、新製品開発を進め、グループとしての拡大を図る。
(2) ボーソー油脂との取り組み
ボーソー油脂は2020年9月に子会社化した。これにより「こめ油」という新たな油種を取り込み、販売を強化していく。まずは足元の業績改善に向けた、両社の商材と販路を活用したクロスセルや物流・販売コスト削減の取り組みを開始しており、その結果、過去3期連続で赤字が続いていたボーソー油脂の当期純利益は、2021年3月期には4期ぶり黒字に転換した。2022年3月期の営業利益は前期の4,000万円から4億円に拡大した。
(3) 焼成パン事業の収益構造改革
焼成パン事業は、収益構造改革を引き続き進めていく計画である。これまで焼成パン事業グループ4社(グランソールベーカリー、スウィングベーカリー、ガーデンベーカリー、タワーベーカリー)の人員配置・工程管理改善による生産性改善、商品開発段階からの原価管理の徹底、商品アイテムの見直しによる生産効率の向上といった製造工程の改革を行ってきた。さらに2022年4月からは、焼成パン事業のグループ4社の意思決定体制を一本化し、4社の一体運営と各社のベクトルの統一化を進める。
(4) プラントベースフードの開発・販売強化
大豆たん白は、健康志向の高まりや環境に配慮した食品として注目されており、2021年3月期の売上高は、19億円と13年度の約1.7倍となったが、22年3月期では21億円に拡大した。業務用新商品「ミーテックスE-1」は、肉用だけでなく、シリアルや製菓用途など幅広く提案し、販売を強化していく。また、「大豆Hi!芽」に続く健康訴求商品の開発強化も進めていく。
(5) ソリューション営業部による外食向け提案の強化
2021年4月に外食産業にフォーカスした「ソリューション営業部」を立ち上げた。外食顧客へ同社商品を活用し、ソリューション型(顧客課題解決型)のワンストップ提案を行う。製粉、油脂、糖質の知識を習得するために自社教育を重ねながら、顧客へ店舗オペレーション支援や外食企業のメニュー開発担当者へ直接アプローチして、顧客が求めている以上の価値提供を目指していく。今後は全社ベースでの取り組みに拡大していく方針だ。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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