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昭和産業のニュース
■今後の見通し
1. 2023年3月期の業績予想
昭和産業<2004>の2023年3月期業績予想について、現時点では業績予想を合理的に算定することは困難だと判断し、配当予想とともに未定としている。算定が可能になり次第、速やかに開示するとしている。同社グループは小麦・大豆・菜種・トウモロコシ等を大量に輸入しており、原料穀物相場や為替相場の影響を受ける。2022年3月期における原料穀物相場は過去に例のない高値圏で推移したが、加えてウクライナ情勢の深刻化も影響し、穀物相場は引き続き高値圏での推移が懸念されている。
為替も日米の金利差等から急激な円安ドル高が進行し、加えてエネルギーコストの上昇など、同社グループを取り巻くビジネス環境は引き続き厳しい状況となっている。コロナ禍については、緩和の兆しはあるものの政府の政策に変化が見られ、完全に収束するまでにはもう少し時間を要すると見ている。このような不確定要素の多い経済環境であることから、同社グループは引き続きコスト上昇に見合った販売額の改定を最優先に取り組むとともに、拡販とさらなるコストダウンに努めていく。
2. セグメント別重点施策
2023年3月期は全事業共通の施策として価格改定の実施が挙げられ、最優先事項として進めて行くことになるだろう。また、世界的にも穀物需要が高まる世界情勢のなかで、原料となる各種穀物を安定的に調達することも重要な課題となる。
(1) 製粉事業
製粉事業ではグループ力の強化による生産性向上を推進する。同社グループの生産拠点は、鹿島、神戸、船橋の3工場のほか、グループ会社5社の計7工場となっている。グループ各社のそれぞれの特徴と強みを生かしながら、製品開発の連携、生産拠点の集約、物流の効率化を進めていく。そのほか輸出粉については、既存の香港や台湾のほか、中国やシンガポールなどへの販売を強化する。
(2) 油脂食品事業
油脂食品事業は、販路に応じた販売戦略や顧客の抱える課題を解決する提案型営業の推進により、コロナ禍により減少した物量の回復を目指す。また、機能性油脂やこめ油、オリーブオイル、ひまわり油などのプレミアムオイル、さらには天ぷら粉やホットケーキ等のプレミックス製品の販売を強化する。そうすることで、付加価値の高い商品の販売構成比を高め、相場に左右されにくい収益構造を構築していくねらいだ。さらには、健康志向の高まりや環境に配慮した食品として注目される「大豆たん白」「大豆Hi!芽」などのプラントベースフードへの対応を強化する。なお、「大豆Hi!芽」は大豆胚芽そのものの風味と形状を生かした新しい素材である。イソフラボンやオリゴ糖を豊富に含み、ご飯、パン、菓子、総菜、冷凍食品など様々な用途提案が可能である。
(3) 糖質事業
糖質事業は、安定収益を目的としてチャネル別販売構成の見直しを進める。粉末水あめや結晶ぶどう糖等の独自商品群の用途開発、新市場の開拓を進める。さらに、敷島スターチやサンエイ糖化を含めたグループの生産拠点の最適化による生産性向上、物流費削減等も引き続き推進し、収益改善を図る計画である。
(4) 飼料事業
飼料事業は、昭和鶏卵を中心に同社グループならではの市場販売から鶏卵販売など、一気通貫での拡販を目指す。また、高付加価値商品となる「人工乳」や「オリゴ糖飼料」といったブランド畜産物の販売強化を進める。さらには高騰する飼料原料の配合設定を変更することでコスト対策を行い、収益改善に努めていく。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<EY>
1. 2023年3月期の業績予想
昭和産業<2004>の2023年3月期業績予想について、現時点では業績予想を合理的に算定することは困難だと判断し、配当予想とともに未定としている。算定が可能になり次第、速やかに開示するとしている。同社グループは小麦・大豆・菜種・トウモロコシ等を大量に輸入しており、原料穀物相場や為替相場の影響を受ける。2022年3月期における原料穀物相場は過去に例のない高値圏で推移したが、加えてウクライナ情勢の深刻化も影響し、穀物相場は引き続き高値圏での推移が懸念されている。
為替も日米の金利差等から急激な円安ドル高が進行し、加えてエネルギーコストの上昇など、同社グループを取り巻くビジネス環境は引き続き厳しい状況となっている。コロナ禍については、緩和の兆しはあるものの政府の政策に変化が見られ、完全に収束するまでにはもう少し時間を要すると見ている。このような不確定要素の多い経済環境であることから、同社グループは引き続きコスト上昇に見合った販売額の改定を最優先に取り組むとともに、拡販とさらなるコストダウンに努めていく。
2. セグメント別重点施策
2023年3月期は全事業共通の施策として価格改定の実施が挙げられ、最優先事項として進めて行くことになるだろう。また、世界的にも穀物需要が高まる世界情勢のなかで、原料となる各種穀物を安定的に調達することも重要な課題となる。
(1) 製粉事業
製粉事業ではグループ力の強化による生産性向上を推進する。同社グループの生産拠点は、鹿島、神戸、船橋の3工場のほか、グループ会社5社の計7工場となっている。グループ各社のそれぞれの特徴と強みを生かしながら、製品開発の連携、生産拠点の集約、物流の効率化を進めていく。そのほか輸出粉については、既存の香港や台湾のほか、中国やシンガポールなどへの販売を強化する。
(2) 油脂食品事業
油脂食品事業は、販路に応じた販売戦略や顧客の抱える課題を解決する提案型営業の推進により、コロナ禍により減少した物量の回復を目指す。また、機能性油脂やこめ油、オリーブオイル、ひまわり油などのプレミアムオイル、さらには天ぷら粉やホットケーキ等のプレミックス製品の販売を強化する。そうすることで、付加価値の高い商品の販売構成比を高め、相場に左右されにくい収益構造を構築していくねらいだ。さらには、健康志向の高まりや環境に配慮した食品として注目される「大豆たん白」「大豆Hi!芽」などのプラントベースフードへの対応を強化する。なお、「大豆Hi!芽」は大豆胚芽そのものの風味と形状を生かした新しい素材である。イソフラボンやオリゴ糖を豊富に含み、ご飯、パン、菓子、総菜、冷凍食品など様々な用途提案が可能である。
(3) 糖質事業
糖質事業は、安定収益を目的としてチャネル別販売構成の見直しを進める。粉末水あめや結晶ぶどう糖等の独自商品群の用途開発、新市場の開拓を進める。さらに、敷島スターチやサンエイ糖化を含めたグループの生産拠点の最適化による生産性向上、物流費削減等も引き続き推進し、収益改善を図る計画である。
(4) 飼料事業
飼料事業は、昭和鶏卵を中心に同社グループならではの市場販売から鶏卵販売など、一気通貫での拡販を目指す。また、高付加価値商品となる「人工乳」や「オリゴ糖飼料」といったブランド畜産物の販売強化を進める。さらには高騰する飼料原料の配合設定を変更することでコスト対策を行い、収益改善に努めていく。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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