＜話題の焦点＞＝地方本社の建設会社、「地方創生」でビジネスチャンス拡大

　安倍政権の主要政策である「地方創生」は、人口減少や超高齢化などの課題を克服して「活気ある温かな地域づくり」を目指すのが目標。政府は、東京一極集中に歯止めをかけるため、地方への企業移転、居住の推進、子育てしながら働ける環境づくりなどの具体策を示し、これらを促すための税制優遇や、自治体向けの新たな交付金創設などを検討する。そこで欠かせないのは、首都圏や近畿圏と地方を結ぶ道路や、鉄道網の再構築と地方自治体でのインフラ整備だ。これに伴い、地方に本社を構え、強固な地盤を持つ建設会社にビジネスチャンスが拡大しそうだ。

　北野建設<1866.T>は、１５年３月期の業績予想を上方修正。連結業績の売上高を従来の６８５億円から７５０億円（前期比６．１％増）へ、営業利益を２０億円から２６億円（同１３．０％増）へ増額。柱の建築工事が、民間の物流関係など大型案件が寄与。さらに、福岡と東京のホテル２棟を売却したことも貢献している。

　福田組<1899.T>は、新潟最大規模のゼネコンで、完工が順調に進み工事採算も改善。１４年１２月期は売上高１４２０億円（前期比１１．５％増）、営業利益５０億円（同２０．４％増）と大幅増収増益を見込む。トンネル工事は受注好調。工事施工高も順調なことに加えて、工事採算性改善が見込める。北陸電気工事<1930.T>は、震災復興需要に加え北陸新幹線の金沢開業に向けた駅周辺設備の工事需要を取り込み収益は好調に拡大。１５年３月期は低採算の大型案件が一巡する。矢作建設工業<1870.T>は、中京地域を地盤とし、中央リニア新幹線工事関連としても注目。また、耐震工事で独自工法を擁し橋梁補修工事などの受注につなげている。

◆主な地方本社の建設会社

　銘柄<コード>　今期営業増益率　　　株価　　　ＰＥＲ

北野建<1866.T>　　　１２．９　　　３１５　　１３．０
矢作建<1870.T>　　▼１２．５　　　６６７　　　９．６
福田組<1899.T>　　　２０．４　　１０３０　　１０．２
北陸電工<1930.T>　　　４．１　　　５３７　　　５．５

※株価は１６日終値（単位：％、円、倍）


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）