１４年に冬季五輪が開かれるロシア・ソチ市の黒海沿岸で、日本企業が主体となってリゾート施設を整備する大規模プロジェクトが本格始動する。五輪開催までに、二つの人工島を造成して高級ホテルやコンベンション施設、海浜型レジャー施設などを整備する計画で、総事業費に約２０００億円を見込み、０９年に着工する予定。５月にもロシア政府の許認可を得た上で詳細計画を決め、参加企業を募る予定だ。日本側から計画に参加している千年の杜（東京都港区、横田尚之社長）が１４日、人工島の開発許可を保有するロシアのホマル社（ウラジミール・Ｖ・ルーデンコ社長）の株式を８０％取得する契約を結び、開発の基本構想案を公表した。
　千年の杜は昨年１１月に開発構想案の作成業務を久米設計に委託。基本構想案では、ロシアのプーチン大統領の「日本の技術の特徴を生かした『ＪＡＰＡＮ　ＩＳＬＡＮＤ』にしたい」との要望に応え、日本の「環境技術」と「耐震技術」を積極的に取り入れた。具体的には、風力や太陽光などを利用した自然エネルギーの活用技術、屋上緑化、地域冷暖房システム、水の再利用システムなど最先端の環境技術を導入。高さ３００メートルのタワーホテルに制震装置を設置し、地震や風による建物の揺れを軽減する技術などを取り入れる。
　造成する二つの人工島のうち、サイト１（３１・５ヘクタール）では、周辺の山並みに調和した緑の丘に桜の森を築き、スパを併設したタワーホテル（１５００室）やリゾートホテル（１０００室）、コンベンション施設、ショッピングモール、海洋博物館、マリーナ（６００艘）などを整備する。建物の規模は延べ６４万７１００平方メートルで、概算工事費は１５００億円。４月から基本・詳細設計を開始し０９年１月に造成工事、１０年４月に建物工事に着手。１３年８月の完成を目指す。サイト２（８・４ヘクタール）は、三日月形に囲まれたラグーンに、高級ホテル（２００室）、レストラン・スパ施設、マリーナクラブハウスなどを設ける。建物は延べ５万１１００平方メートルの規模。概算工事費は５００億円。０９年１１月から建物設計に着手し、１０年７月に造成工事、１１年９月に建物工事を始める。完成は１３年８月を予定している。久米設計は３月末までに最終的な開発構想案をまとめる予定です。
そろそろ久米設計から開発構想案がだされ株価も↑に！