岐阜造園のニュース
岐阜造園、造園への社会的需要の高まりを受け、2Q売上高・各利益は修正予算を大幅に上回り、過去最高値で着地
本日の内容
山田準氏(以下、山田):株式会社岐阜造園代表取締役社長の山田準です。本日は本動画をご視聴いただき誠にありがとうございます。ただ今より、2024年9月期第2四半期決算説明会を開催します。
本日は、担当役員の舟橋恵一から当社の2024年9月期第2四半期業績について、私から当社の現在の取り組みと今後の戦略等についてご説明します。よろしくお願いします。
2024年9月期 第2四半期決算概要 ①連結損益計算書
舟橋恵一氏:担当役員の舟橋恵一です。よろしくお願いします。当社の2024年9月期第2四半期の業績についてご説明します。
ガーデンエクステリア事業においては、積水ハウスとの協力関係のさらなる強化を図り、受注案件の大型化や共同プロジェクト等を推進しました。
ランドスケープ事業においては、関東地区を中心に大規模な都市開発案件や商業施設の緑化案件等の受注が増加しました。また、中部・関西地区では、大型リゾートホテル等、当社の技術力を存分に活かすことができる意匠性の高い大型案件が想定以上に進捗したことなどにより、順調に推移しました。
これらの結果、売上高および各利益は2024年2月9日に開示した修正予算を大幅に上回りました。
売上高は前年同期比5.4パーセント増の26億9,200万円、売上総利益は前年同期比13.5パーセント増の8億2,700万円、営業利益は前年同期比36.7パーセント増の3億4,400万円、四半期純利益は前年同期比43.5パーセント増の2億4,300万円となり、第2四半期連結累計期間としては、売上高・各利益ともに過去最高で着地しています。特に、営業利益率については12.7パーセントと高い水準になりました。
2024年9月期 業績予想
2024年9月期連結業績予想については、当第2四半期時点における工事の進捗状況ならびに海外案件を含めた現在の大型案件の受注状況を勘案し、2024年5月10日に上方修正しました。
売上高は前期比4.5パーセント増の52億2,700万円、営業利益は前期比26.7パーセント増の4億9,400万円、経常利益は前期比25.8パーセント増の5億100万円、当期純利益は前期比12.5パーセント増の3億3,500万円と、売上高・各利益ともに4期連続で過去最高の数字となることを見込んでいます。
連結業績推移
連結業績の推移です。スライドのとおり、2016年の名古屋証券取引所上場以降、着実に成長してきています。
2024年9月期第2四半期においては、売上高が修正後の通期予算に対して51.5パーセントの進捗、営業利益が69.6パーセントの進捗となっています。営業利益率は通期で9.4パーセントを予想しており、原価管理の徹底と意匠性が高く利益率の高い案件の選別受注によって、着実に上昇しています。
創業100年に向けた 岐阜造園の歩みと未来
山田:当社の主な取り組みと今後の戦略についてご説明します。
当社は1927年の創業以来、美しい自然や風景に触れることで、そこには人の豊かな心、豊かな生き方、大きな幸せが生まれると考え、「その風景は、こころを打つか」を最も優先する品質基準として、街並みや住まいに緑の空間を提供する造園緑化事業を展開してきました。
そして、あと2年余りで創業100年を迎えます。最近では、SDGsや生物多様性、カーボンクレジット市場の開設などの環境問題が大変話題を集めています。さらに、企業としては「サステナビリティ」を意識した経営が求められています。
当社の事業は、CO2削減や森林保護の観点からも特に注目されており、直近では生物多様性をテーマとしたランドスケープガーデンを施工するなど「緑を扱うプロフェッショナル」としての事業展開の場は大いに拡大しています。
私は、当社が真剣に「環境創造企業」としての使命を全うすることが、現在の社会課題を解決する一助になるとともに、企業価値の継続的な向上にもつながると考えています。
事業戦略 1.積水ハウス株式会社との連携強化・受注拡大
具体的な事業戦略についてご説明します。1つ目に、積水ハウスとの連携をさらに強固なものとし、受注を拡大していきたいと考えています。
業務提携先である積水ハウスは、第6次中期経営計画において、日本一の外構設計施工会社になることを表明しています。大規模外構造園事業を強化するため、当社および日本を代表するランドスケープ設計会社の鳳コンサルタント、鴻池組が一体となって協業していくと明記されています。
また積水ハウスは、3大都市圏プラス福岡の4大都市圏における都市再開発事業として、都市中心部のオフィス・ホテル・商業施設等、ランドマークとなる大規模な都市開発に注力することを計画しています。
当社としては、積水ハウスグループとのシナジーを活かし、4大都市圏における大型ランドスケープ案件や大規模プロジェクトへの参画機会の増加が期待でき、事業規模のさらなる拡大において大きなチャンスと捉えています。
中部・関東・関西に加え、新たに九州地区においても積水ハウスとの協業を積極的に推進できるよう、施工能力の強化を進めています。直近では、中国地方における温泉施設の修景工事、九州におけるパークPFI案件などを行い、協業関係が広がっています。
今後も、積水ハウスとの人材交流を推進するなど良好な関係を構築し、積水ハウス緑化事業のさらなる取り込みを推進していく計画です。
事業戦略 2.関東地区における事業拡大
成長戦略については、関東地区における事業拡大を第一に考えています。東京支店では、設計事務所やデベロッパーなどに、プロジェクトの初期段階から提案営業を重ねることで成果につながっています。
これにより、南アルプス市の新産業拠点、箱根の高級ホテル、日光における会員制リゾートホテルの造園緑化工事など、当社の技術力を存分に発揮できる大型ランドスケープ案件を受注しました。
ガーデンエクステリアにおいても、積水ハウスの最先端モデルハウスの外構緑化工事をはじめ、富裕層の住宅向け超高級案件を受注しています。
そのため、東京支店の人員の増強・強化を継続的に図って施工能力を強化していますが、今後はさらに強力に推し進め、受注拡大につなげていきます。2023年9月期の関東地区における売上は7億6,500万円でしたが、2025年9月期までに20億円まで増加させることを目指しています。
事業戦略 3.埼玉植物園との業務提携
関東地区における事業拡大・施工能力強化の一環として、2024年3月15日付けで、株式会社埼玉植物園と資本提携を視野に入れた業務提携を行いました。
埼玉植物園は、明治8年の創業以来、主に関東地区を中心に植木の生産・卸売・造園緑化事業を展開しています。埼玉植物園の立地条件を活かして当社の施工拠点とすることで、コストの削減効果が期待できます。
加えて、里山植栽と自然石を使ったモデルガーデンによる展示場サービスを強化することで、積水ハウスをはじめとする関東地区の顧客に対してより高い付加価値を生み出すことができ、新たな受注につながると考えています。
事業戦略 4.中部・関西地区の受注活動
当社のホームグラウンドである中部地区においては、大型アウトレットモールや大手不動産会社グループによる商業施設、複数のパークPFI案件などのランドスケープ事業が進捗予定です。
関西地区においては、当社と子会社の景匠館とが一体化した地道な営業により、設計事務所からの推薦を多数いただき受注につなげています。来春より開催予定の「大阪・関西万博」の緑化工事についても、受注すべく営業を重ねています。
2023年9月期の中部・関西地区における売上は39億円程度でしたが、2025年9月期までに45億円程度まで増加させることを計画しており、関東地区を合わせた連結売上は65億円を目指しています。
事業戦略 5.海外事業
海外事業については、昨年カナダ・バンクーバーにおいて受注した、日本庭園の精神を取り入れた大規模体験型農場ガーデンの設計業務が順調に進んでいます。
エントランスから奥行き1,050メートル、東京ドーム約7個分に相当する広大な敷地内には、鮭が遡上する小川が流れ、新緑や紅葉が美しいメイプルの森がある大変カナダらしい自然環境の中に「借景」という日本庭園の手法を取り入れ、大滝の石組み技術や繊細な造園技法を駆使したランドスケープを作り上げるプロジェクトです。
バンクーバーでのプロジェクトは施工依頼も受けており、カナダ政府の開発許可が下り次第、施工を開始する予定です。施工に向け、樹木はアメリカのシアトルで選別し、景石は現地の砕石場で巨石を調達して使用する予定です。
事業戦略 6.PFI事業
PFI事業でも売上拡大を狙っています。以前も述べたとおり、当事業は中部地区ではすでに複数の案件を受注しています。
当社がこれまで培ってきた公園等の指定管理業務のノウハウを活かし、全国でPFI事業を受注している積水ハウスの協力も得ながら、中部地区以外のPFI事業にも積極的に参画して事業の拡大を目指していきます。
事業戦略 7.戦略的M&Aの推進
事業の拡大に伴い、今後は積極的に戦略的なM&Aを推進していく計画です。造園業界においては、成長と衰退という二極化の傾向が顕著となっています。後継者問題や職人の高齢化、求人難等の理由で廃業する業者も多く、造園事業許可業者数は年々減少しています。
一方で、地球温暖化や都市部の再開発事業におけるランドスケープ需要の拡大、国の緑化政策等で、造園に対する社会的需要はますます高まっています。
このような状況において、当社は営業エリアの拡大と施工能力の強化、優秀な人材の確保、強みを最大化する相乗効果の発揮、スケールメリットの獲得等を目的として積極的にM&Aを推進し、持続的な成長を目指していきます。
事業戦略 8.話題性がありランドマークとなる緑化案件の受注推進
当社は、最近日本中で大きな話題となっているジブリパークの「もののけの里」「魔女の谷」の施工を行いました。特に「もののけの里」は、映画『もののけ姫』の劇中に登場する「エミシの村」と「タタラ場」をもとに、当社の造園技術力を駆使した和風の里山的な世界観を表現したエリアとなっています。
スタジオジブリの宮崎吾朗監督からは「ジブリパークにはさまざまなエリアがありますが、個人的には『もののけの里』が一番気に入っています。やはり『風景ができたな』と感じているからです」とのお言葉をいただくなど、当社の作品に対して高い評価をいただきました。
今後も、話題性がありランドマークとなる緑化案件については、積極的な受注を推進していきます。
事業戦略 9.SDGsへの貢献・サステナビリティ経営推進
当社では4年、5年ほど前から毎年、東北の雪深い山地の落葉樹を700本から1,000本調達し、埼玉県川口市、愛知県豊橋市、愛知県稲沢市の3ヶ所の圃場で植木材料として大切に育て、造園資材として利用する取り組みを行っています。
これらの樹木は、林業資材としてはほとんど価値がないため通常は伐採されるものですが、冬の雪の重さや強風により特徴のある樹形となり、庭園木として「わび・さび」を表現する非常に貴重な造園資材となっています。当社の匠の技により、圃場で時間と手間をかけて一流の名木材料に仕立て上げています。
また当社は、石組みによる造形美の表現を得意としています。石積みなどに使用する石材も、地元の人たちが見過ごすような石の中から味わいのある石を選別し、地産地消も進めています。
一見あまり価値のないような樹木や石ですが、当社の匠の技術力により付加価値を高め、自然の美しさや経年変化の魅力や奥深さを表現しています。そして、このように有効利用することで、CO2の削減にも貢献しています。
今後も社会的責任を果たせるよう、サステナビリティを意識した経営を行っていきます。
株主還元
株主還元についてご説明します。当社は、中長期的な安定配当の維持を基本方針としています。
2024年3月31日を基準日とした中間配当金は、1株につき普通配当を5円増配した15円、期末配当も1株につき普通配当を5円増配した15円とし、配当性向は28.7パーセントを予定しています。今後も、配当性向25パーセントから30パーセントを目途に利益配分を行っていく方針です。
株主優待については、決算期である9月末現在の株主名簿に記載または記録された、当社普通株式2単元(200株)以上を保有されている株主を対象に、一律でQUOカード1,000円分を贈呈します。
株価の推移
当社の株価の推移です。上場以来、株価は着実に上昇しています。私は当社の強みである「97年間伝承されてきた匠の職人型現場力」を発展・向上させることが、さらなる事業成長につながると確信しており、社員全員が真の技術者集団となることを目指しています。
上場企業としての責任を自覚し、造園業界唯一の上場企業というアドバンテージを活かしてさらなる事業成長を図り、次のステージに向けて成長・発展を目指す所存です。今後とも、一層のご支援ご鞭撻を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
以上で決算説明を終了します。ご視聴いただき、誠にありがとうございました。
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