原油安が米インフレ抑制へ・・・・・

著者:柳澤浩
投稿:2015/12/09 16:46

米利上げペースにも影響・・・・

昨日の海外市場では、原油相場の下落が続き、北海ブレント先物が、一時、2009年9月以来、40ドルの大台割れとなり、これがリスク回避の流れとなって、ユーロと円が買われました。ユーロドルは1.09ドルに反発する動きを見せ、ドル円は122円台に反落しました。

本日の東京時間も、日経平均株価が大幅続落となった事や、原油、鉄鉱石等の資源価格低迷を嫌気しての豪ドル売り等も強まり、豪ドル円の下落がドル円の上値をも抑える働きをし、ドル円は122円台後半での軟調な展開を続けています。

商品市況の低迷は、今後の米インフレ率の上昇を抑制するとの見方につながり、米国債利回りの低下圧力ともなっています。この動きが、米利上げペースを一段と緩やかなものにするとの見方につながりますから、ドル買い圧力を弱める事となります。

今日も重要な経済指標の発表は予定されていない事から、この後の海外市場では原油先物動向、欧米株式市場や債券市場を睨みながらの展開となりそうです。今夜もリスク回避の流れや米利上げペースを勘案してのユーロ買いや円買いが継続するかを注視したいと思います。
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想