米雇用市場は完全回復
米国では不動産市場にインフレが来ている。中国経済が、米国が自国の金融政策を歪めるほど脆弱でないことが分かれば、12月の利上げは米連銀の意向を超えて、避けられないものとなる。米国の利上げは、金融緩和から抜け出せない日欧米国との金利差拡大を意味する。ドルと株価は、右肩上がりのトレンドとなる可能性が高い。
11月6日発表の米国10月の失業率は5.0%だった。9月の5.1%から低下した。非農業部門雇用者数は27万1000人増と、9月の修正値13万7000人増から倍増した。労働参加率は62.4%で変わらずだった。
米連銀は雇用市場の改善と、インフレ率の(年率2%前後での)安定を金融政策の二大目的としている。
民間部門の雇用はこれで68カ月連続の増加となり、合計ネットで1350万人の雇用を創出した。5日発表の失業保険申請件数は若干増加したが、52週平均では一貫して低下、40年来の低水準となった。
また、フルタイムの正規雇用者の総数も1億2202万人に達し、米雇用市場は完全回復となった。
平均時給も前月比+0.4%、前年比+2.5%と加速気味となった。前月比と前年比とがあって、加速か減速かを知るには、前月比を12倍すればいい。10月の平均時給の増加ペースは、年4.8%上昇のペースで、加速してきている。時給を上げての正規雇用の増加は、労働市場が逼迫してきていることを示している。
また、10月15日発表の米国9月の消費者物価コア指数は前月比+0.2%、前年比+1.9%と、これもやや加速気味だった。消費者物価指数から食品及びエネルギー価格を除いたコア指数を重視するのは、食品やエネルギー価格は、外部環境により影響を受けるからだ。
68カ月連続の雇用増とコア・インフレ率が示唆するように、米国内の内部環境は随分前から正常化しており、未曽有の金融危機時の緊急事態の金融政策を正当化できる状況ではない。つまり、米金融政策の二大目的からすれば、空前のマネタリーベースの残高を維持し、史上最低の政策金利を維持する根拠がないのだ。
米連銀が9月の利上げを見送った時、新興国、主に中国の経済減速リスクを注視していると述べた。米国の通貨であるドル高懸念も示唆された。
しかしドル高懸念は、米国内の内部環境が既に正常化し、先進国で最も高い成長率を達成していることを鑑みれば、単に通貨安誘導でしかない。
一方で、米国は自国の健全な内部環境にも関わらず、緊急事態の金融政策を維持するほど、外部環境を過大に重視した。つまり、米連銀が9月の利上げ見送りを決めたことで、米国ですらその経済政策が外部環境に大きく左右されると示したのだ。このように、米国が世界経済の参加者の1人に成り下がったことを示唆したことは、世界の経済政策から揺るがぬ支柱が失われ、何かが起きればどこまでも漂うという、イベントリスクにより脆弱になったことを表している。
11月6日発表の米国10月の失業率は5.0%だった。9月の5.1%から低下した。非農業部門雇用者数は27万1000人増と、9月の修正値13万7000人増から倍増した。労働参加率は62.4%で変わらずだった。
米連銀は雇用市場の改善と、インフレ率の(年率2%前後での)安定を金融政策の二大目的としている。
民間部門の雇用はこれで68カ月連続の増加となり、合計ネットで1350万人の雇用を創出した。5日発表の失業保険申請件数は若干増加したが、52週平均では一貫して低下、40年来の低水準となった。
また、フルタイムの正規雇用者の総数も1億2202万人に達し、米雇用市場は完全回復となった。
平均時給も前月比+0.4%、前年比+2.5%と加速気味となった。前月比と前年比とがあって、加速か減速かを知るには、前月比を12倍すればいい。10月の平均時給の増加ペースは、年4.8%上昇のペースで、加速してきている。時給を上げての正規雇用の増加は、労働市場が逼迫してきていることを示している。
また、10月15日発表の米国9月の消費者物価コア指数は前月比+0.2%、前年比+1.9%と、これもやや加速気味だった。消費者物価指数から食品及びエネルギー価格を除いたコア指数を重視するのは、食品やエネルギー価格は、外部環境により影響を受けるからだ。
68カ月連続の雇用増とコア・インフレ率が示唆するように、米国内の内部環境は随分前から正常化しており、未曽有の金融危機時の緊急事態の金融政策を正当化できる状況ではない。つまり、米金融政策の二大目的からすれば、空前のマネタリーベースの残高を維持し、史上最低の政策金利を維持する根拠がないのだ。
米連銀が9月の利上げを見送った時、新興国、主に中国の経済減速リスクを注視していると述べた。米国の通貨であるドル高懸念も示唆された。
しかしドル高懸念は、米国内の内部環境が既に正常化し、先進国で最も高い成長率を達成していることを鑑みれば、単に通貨安誘導でしかない。
一方で、米国は自国の健全な内部環境にも関わらず、緊急事態の金融政策を維持するほど、外部環境を過大に重視した。つまり、米連銀が9月の利上げ見送りを決めたことで、米国ですらその経済政策が外部環境に大きく左右されると示したのだ。このように、米国が世界経済の参加者の1人に成り下がったことを示唆したことは、世界の経済政策から揺るがぬ支柱が失われ、何かが起きればどこまでも漂うという、イベントリスクにより脆弱になったことを表している。