拡大するスニーカーブーム、国内出荷は1000億円突破

著者:冨田康夫
投稿:2015/11/04 13:00

<話題の焦点>

 国内のスニーカーブームが今年も続いている。矢野経済研究所は10月6日、スポーツシューズ市場に関する調査結果を公表、2015年の多目的シューズ(一般カジュアルスニーカー)の国内出荷金額は1000億円の大台を突破し、1091億円になるとの予測を明らかにした。2014年の多目的シューズ国内出荷市場規模は、数量ベースで前年比12.1%増の2572万足、金額ベースで同22.1%増の954億3000万円と大幅な成長になった。訪日外国人観光客の大量購入に加え、空前のスニーカーブームにより今までカジュアルスニーカーになじみの薄かった女性の顧客が増加したことが売り上げ幅拡大につながった。

 エービーシー・マート<2670>はナイキやニューバランスなどのナショナル商品に加え、Hawkins、VANS、NUOVOといったプライベートブランド商品でウォーキングシューズをそろえている。東京靴流通センターの店舗経営をはじめとする靴販売大手のチヨダ<8185>は、9月に同社初となるレディーススニーカー専門店「Jina Jina Kichijoji(ジーナジーナ吉祥寺)」をオープン。美容や健康を考える女性にナイキ、ニューバランスなどのグローバルブランドを中心に軽量・クッション性が高く旬のカラーのスニーカーを豊富に取りそろえることで女性顧客を取り込む。

 丸井グループ<8252>は、「ラクチンきれいパンプス」シリーズを刷新。従来の製品よりもクッション性を高め、仕事中もおしゃれを保ちつつ歩行の負担を軽減させる。ミズノ<8022>は、秋冬に向けて靴幅の調節をダイヤルを回すことで好みの締め具合に調整できる「LD40 Boa」、靴底にグリップ性を高める特殊ラバーを使用し、寒い日でも履けるブーツタイプの「SELECT 550」を発売。中高年の男女のニーズを取り入れたデザインで購買欲を刺激する。

◆主なウォーキングシューズ関連銘柄

 銘柄<コード>    配当利回り    PER     株価
ABCマート<2670>  1.75   20.64   6610
ミズノ<8022>     1.77   19.27    589
チヨダ<8185>     1.87   27.54   3685
丸井G<8252>     1.48   22.14   1551

※株価は2日終値(単位:%、倍、円)
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想