ランドセル商戦本格化、人気商品は早めに確保

著者:冨田康夫
投稿:2015/09/28 13:05

<話題の焦点>

 ランドセル商戦がいよいよ本格化してきた。数年前まで、ランドセル商戦といえばお盆明けから年末までがピークだったが、近年ではゴールデンウイークごろから商戦が始まり、秋後半にピークを迎えるという。10月第3日曜日(今年は18日)の「孫の日」接近もあって、ランドセル関連への注目が高まりそうだ。

 ランドセル商戦のスタートが前倒しされ、一方で商戦が長期化しているのには、人気商品を早めに抑えようとするニーズが強まっていることが背景にある。ランドセルにも「個性」が求められるため、多品種・少量生産になりがちで、人気の商品は早々に売り切れてしまうのがその要因。また、ランドセルは祖父母からプレゼントされることが多いため、GWや夏休み、お盆休みなどで帰省した際に一緒に選び、秋までに予約を済ませてしまうケースも増えている。

 一方、ハリウッド女優がプライベートでランドセルを背負っている姿が紹介されてから、訪日外国人客を中心にファッションアイテムとしてランドセルの人気が高まっていることが商戦の長期化に拍車を掛けている。たとえばシルバーウイークの一日、東京・銀座のデパートのランドセル売り場では、親子連れと祖父母らしき買い物客が多く見られたが、売り場には英語や中国語による商品の説明書きがあり、訪日客による購入が増えていることがうかがえる。

 こうしたことを背景に、店舗によっては、ランドセルの売り上げが前年比2倍以上になっているところがあるとも伝わっている。販売増を受けて、関連銘柄には業績拡大の期待も高まりそうだ。

◆主なランドセル関連銘柄

 銘柄と主な取り組み

・7&iHD<3382>
イトーヨーカ堂が1万6000通り以上の組み合わせから選べるパターンオーダーランドセルを展開
クラレ<3405>
人工皮革「クラリーノ」が丈夫さや軽さからランドセル素材として根強い人気
コクヨ<7984>
園児とママの情報誌「あんふぁん」とコラボ。大きさはほぼ一緒でも収容量アップの商品など展開
イオン<8267>
軽くて大容量(すっぽり)の「かるすぽ」が特徴。豊富なデザインとカラーも強み
ニトリHD<9843>
業界では5万円以上が主流だが、「わんぱく組」シリーズは2万2000円からと低価格帯に強み
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想