【買い】Ｊ．フロント リテイリング （3086）：インバウンド需要と富裕層の取り込みが奏功、最高益更新を期待=GLA小池麻千子

インバウンド需要と富裕層の取り込みが奏功、最高益更新を期待

百貨店大手の大丸と松坂屋が統合して誕生下企業です。子会社にパルコがあります。百貨店は全国19店舗を展開し、売上構成はグループ全体の66％、パルコが23.8％、卸売事業が4.4％、クレジット事業が0.5％となっています。

2015年2月期の業績は、売上高が0.3％増の1兆1495億2900万円、営業利益は0.7％増の420億9100万円と5年連続増益を達成。

2016年2月期通期の業績見通しは、売上高は2.4％増の1兆1770億円、営業利益は6.9％増の450億円、経常利益は5.2％増の425億円、当期純利益は40.6％増の280億円を計画。年間配当金は5年連続増配の26円とする方針で配当性向24.5％と高水準。中期計画での配当性向は30％以上を目途とし、還元にも前向きです。

旺盛なインバウンド需要と株高資産効果による富裕層マーケットの取り込みがうまくいっています。

インバウンド需要の取り込みは百貨店にとって強化項目となっています。訪日外国人は2015年には1500万人を超えると見込まれており、まだまだ伸びしろが残されていると言えます。具体的な取り組みとしては、2014年10月からの免税対象品の拡大、免税手続きを迅速化するシステム導入で免税売上高は対前年135％増の151億円超、免税売上シェアは2.3％に大幅拡大しています。

また、富裕層向けにラグジュアリーブランドの拡大や食品売り場の改装、そして外商お得意様の新規開拓に積極的に取り組んでいます。

銀座六丁目地区市街地再開発事業では商業施設やオフィス、文化施設、観光拠点なども備えた大規模複合施設を開発する計画でテナント家賃収入が見込まれます。