ドル円、高値波乱の可能性・・・・

著者:柳澤浩
投稿:2014/09/12 15:51

もうはまだなり・・・・

 相場の格言に「もうはまだなり、まだはもうなり」と云うものがあります。これは、相場の天井や大底が近い時によく用いられるもので、「もう上がらないと思うと、まだ上がる」、「まだ下がると思うと、もう下がらない」等の相場状況を表しており、この状況となると、相場が結構、荒っぽい展開になる事も多い様に思われます。

 ドル円は9月に入り、既に3円超の上昇となっており、高値警戒感が日に日に強まっています。昨日の海外市場でも、米失業保険統計で売られ、黒田日銀総裁の発言で買われ、黒田さんの別の発言で再び売られる等、「高値波乱」かとも思われる様な値動きも見られました。

 来週、米国ではFOMCが予定されており、愈々、金融引き締め開始に関する議論が本格化するとの見方も強く、米国債市場でも、この処、中期ゾーン中心に利回りの上昇が目立って来ています。この米金利の動きがドルを押し上げているとすれば、FOMCの結果発表やイェレン議長の記者会見までは、基本的なドルの堅調地合いは維持されるものと思われます。

 しかし、シカゴIMM先物の投機的ドル買いポジションがかなり膨らんでおり、今日は週末と云う事でもありますから、米経済指標が予想外の数字となる場合に、再び、相場が乱高下する可能性も高そうです。この様な時ですから、短期売買に徹するか、少なくともストップロスのオーダーをきっちりと入れておく等、いつも以上にリスク管理が重要となりそうです。
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想