築地市場の取扱高堅調

著者:冨田康夫
投稿:2014/09/08 13:03

水産卸会社の業績押し上げへ

築地市場の水産取扱高が消費税増税後も堅調に推移している。買いだめができないことが需要の底堅さにつながっているほか、漁獲量の減少を受けた単価上昇などが背景。活発な商いは卸会社の追い風となりそうで、業績が押し上げられる可能性が浮上している。

 東京都中央卸売市場が公表している統計によると、7月の築地市場の取扱金額は約353億円。前年同月比2.9%増と、5カ月連続で前年実績を上回っている。夏場に入って数量にはやや一服感がみられるものの、単価上昇が取扱金額に寄与。同月の平均単価は1キロあたり1001円と前年同月から12.5%上昇し、銀ザケは1008円と38%高い。

 築地市場の水産取扱高の約8割を上場4社が占めているが、うち東都水産<8038>築地魚市場<8039>大都魚類<8044>の3社が今期減収を予想。ただ、市場では保守的との見方が広がりつつある。

 一方、中央魚類<8030>は今15年3月期通期の連結決算見通しを、売上高1840億円(前期比5.9%増)、営業利益8億5000万円(同20.2%増)と予想。第1四半期(4~6月)の営業利益は2億5200万円(前年同期比24.0%減)にとどまったが、通期計画に対する進捗率は29.6%に達している。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想