炊飯用雑穀、ダイエットなど健康志向で需要拡大

著者:冨田康夫
投稿:2014/09/01 19:01

「炊飯用雑穀」の需要が拡大

 白米に混ぜて炊く「炊飯用雑穀」の需要が拡大している。雑穀の市場規模は年商300億円程度と推定され、その多くは炊飯用とみられる。本来、米や麦は雑穀に入らないが、市販の五穀米などの雑穀ブレンド品では、大麦、黒米、赤米などを含んでいることが多い。さらに、豆類を交ぜたものもあり、幅広い商品が“雑穀”として売られているのが実情だ。

 雑穀はミネラル類、食物繊維、ポリフェノールが豊富。白米に混ぜて炊くことで、同じ量でも低カロリーとなりダイエット効果が期待できるほか、食物繊維やミネラルを手軽に摂取でき、整腸作用などサプリメントのような食材として関心が高まっている。

 キッコーマン<2801>は、しょう油醸造で培った加工技術を応用し大豆、はだか麦、ごま、玄米、キヌアの5つの穀類を炊きやすく加工した商品を開発。香りに穀物臭や青臭さがなく、香ばしいのが特徴。

 ハウス食品グループ本社<2810>の「ふっくら白五穀」は、クセがなく、米の色合いに似た5種類の雑穀に限定した2~3合用の穀物ご飯の素。雑穀独特の色や香りを感じさせないので、白米本来の味で、穀物ご飯が食べられる。

 調味料大手のダイショー<2816>は、有名日本料理店「なだ万」監修の「きのこの雑穀ご飯・炊き込みご飯用セット」を発売。だしの旨みを効かせた炊き込みご飯の素と、12種類の雑穀、だし茶漬け用だしの素をセットにした。

 昭和産業<2004>の「お釜にポン」は、栄養機能食品(ビタミンE)。お釜に1粒入れて炊くだけで、お茶碗1杯でビタミンEが10ミリグラム摂取でき、抗酸化作用により体内の脂質を酸化から守る作用が期待できる。

◆主な炊飯用雑穀関連銘柄

銘柄(コード)  今期営業増益率  株価   PER

昭和産<2004>     5.3   383   9.4
キッコマン<2801>   3.6  2312  31.6
ハウス食G<2810>  19.9  1861  23.1
ダイショー<2816>  12.5  1030  22.5
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想