ドル円は弱含み揉み合いか?・・・・・

著者:柳澤浩
投稿:2014/08/28 15:18

独国債利回り低下が米国債利回り押し下げ・・・・

 欧州国債相場の上昇基調は依然として継続しており、昨日、ドイツ国債10年物利回りは一時、0.90%を割り込みました。この影響から、米国債相場も全般的に買い基調に包まれ、中長期ゾーンの利回りはこぞって低下基調を維持しました。更にこの流れが、豪州国債や日本国債にも及んでおり、長期金利低下傾向は様々な国々に影響しています。

 昨日、米国では5年国債の入札が行われましたが、海外中銀を含む間接入札者比率が52.7%に達し、昨年7月以来の高水準となりました。この状況を勘案すると、外貨準備の運用先として、相対的に利回りの高い米国債が選好されている事が判り、今月のドルが全般的に強かった事が裏付けられた様に思われます。

 ユーロドルは昨日の一部報道により、来週のECB理事会での追加緩和観測が後退した事で買い戻される展開となり、現在も1.32ドル台で推移しています。しかし、本日のドイツCPI、明日のユーロ圏CPIの数字次第では、再び、追加緩和観測が再燃して、ユーロ売り・ドル買いが強まる可能性もあります。

 この為、強いドルを背景とした米国債市場への投資資金流入観測も継続し、米国債の利回り低下基調も継続するものと思われます。そうなると、ドル円に関しては、米国債利回り低下により上値が重くなる一方、全般的なドル買い基調の維持により、下値も限定的となります。ドル円は暫く103円台半ばから後半での揉み合いを継続しそうな気配が濃厚です。
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想