商用自動車、10年以上ぶりのモデルチェンジ相次ぐ

著者:冨田康夫
投稿:2014/08/25 16:37

進化する商用自動車

 「ヒノノニトン」という不思議なフレーズのテレビCMがヒットしている。これは「HINOの2トン」で、日野自動車<7205>が12年ぶりに小型トラック「デュトロ」をモデルチェンジしたことをPRするためのもの。ここ数年、景気回復の影響もあり商用車の10年以上ぶりのモデルチェンジが相次いでいる。

 「デュトロ」は、トヨタ自動車<7203>と共同開発したもので、世界へ販売するグローバルモデル。搭載されるエンジンは、ディーゼルハイブリッド、ディーゼル、ガソリン、LPGの4種類。ハイブリッド車は、従来のディーゼル車に比べ、50%の燃費向上を目指して開発した。

 トヨタは9月1日、商用バン「プロボックス」、「サクシード」を12年ぶりにマイナーチェンジして発売する。燃費性能で14~18%の改善を達成。歩行者への衝撃緩和に配慮した歩行者傷害軽減ボディ構造を採用。また、運転席から手の届く場所に収納スペースを充実させ、運転席横にビジネスバッグが置けるスペースや、A4バインダーを収納できるトレイを配置するなど、ビジネスでの使い勝手を向上させている。

 スズキ<7269>は昨年9月に軽トラックの「キャリイ」を発売。14年ぶりのモデルチェンジとなり、新型では悪路走破性や小回り性能の高いショートホイールベース車に統一し、主たるユーザーである農林水産業の用途に合わせた。また、日産自動車<7201>は12年6月に、商用車「キャラバン」を11年ぶりにモデルチェンジし、「NV350キャラバン」として発売している。小型商用車トップブランドのトヨタ「ハイエース」に挑む。

◆主な商用車モデルチェンジ関連銘柄

 銘柄<コード>  今期営業増益率    株価     PER
日産自<7201>     7.4   1012・5   10.4
トヨタ<7203>     0.3     5990   10.6
日野自<7205>   ▼19.8     1470   14.5
スズキ<7269>     0.1   3429・5   16.7
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想