食品スーパー、イオン先駆し業界再編ムード高まる

著者:冨田康夫
投稿:2014/08/15 20:11

加速する業界再編

 食品スーパーに業界再編ムードが高まっている。イオン<8267>丸紅<8002>は5月に、出資する食品スーパーの3社を経営統合することを明らかにした。3社は首都圏を中心とするマルエツ<8178>、茨城地盤のカスミ<8196>、それにイオン子会社のマックスバリュ関東で、「首都圏スーパーマーケット連合」を創設。共同持ち株会社を設立し、来年3月に東証へ上場する見込みだ。新会社は2020年をメドに売上高1兆円、1000店舗の展開を目指す。イオン主導の合併と呼ばれる今回の経営統合が食品スーパー業界の再編を促しそうだ。

 同業界はコンビニエンストアとの競争が激化しているほか、高齢化や人口減少のなか経営統合などによる効率化が求められている。 今後は同じくイオンが出資するベルク<9974>いなげや<8182>、丸紅が出資する東武ストア<8274>の動向が注目されている。関西ではイズミヤとエイチ・ツー・オー リテイリング<8242.T>が経営統合する動きも出ている。

 ライフコーポレーション<8194>や埼玉を中心に事業展開するヤオコー<8279>などを含め、一段の業界再編が進むかどうかを市場関係者は注視している。

◆首都圏に展開する食品スーパーの例

銘柄(コード) 事業内容

エコス<7520>      東京多摩地区などで展開
マルエツ<8178>     「首都圏連合」に参加
いなげや<8182>     東京多摩地区が地盤
ライフコーポ<8194>   首都圏と関西圏が中心
カスミ<8196>      「首都圏連合」に参加
東武ストア<8274>    東武線沿線中心に展開
ヤオコ―<8279>     埼玉中心に事業展開
OlympicG<8289> 東京など首都圏地盤
バロー<9956>      中部中心。首都圏も展開
ベルク<9974>      埼玉中心に事業展開
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想