国産ワイン国際ブランドに 政府、品質保証する新法制定へ

著者:冨田康夫
投稿:2014/08/14 20:01

国産ワインのブランド化へ政府が動く

 国産ワインの品質を政府が保証する新法「ワイン法」(仮称)の制定に向け準備が進んでいるという。日本にはワインを定義する法的な枠組みがなく、国際市場では低い評価に甘んじてきた。

 政府は製法や原料を細かく規定することで、国産ワインへの信頼性とブランド力を高め、海外での普及につなげるのが狙い。自民党は来年の通常国会にもワイン法案を議員立法で成立させる構えのようだ。

 ワイン愛好家の間では原料となるブドウの品種や産地にこだわる人が多い。にもかかわらず、日本の酒税法はワインを「果実酒」と規定しており、ブドウ以外の果実を使ったワインが市販されている。また、輸入ブドウが原料でも国内で醸造すれば「国産ワイン」の表記ができるため、国産のブドウを使ったものは6%程度にすぎない。そういった事情から、日本のワインは国際ブランドとして認められていないのが実情だ。

 一方、欧州の主要なワイン生産国のほか、ここ、国際市場でシェアを伸ばしている米国やチリ、アルゼンチンなど新興ワイン生産国もブドウの品種や原産地、醸造方法などを規定するワイン法を定めている。日本のワインは一部で高く評価をされているが、本格的な普及にはワイン法による法的な拘束が必要とみられていた。

◆国産ワイン関連銘柄

銘柄(コード)    事業内容

キリンHD<2503>  1877年(明治10年)設立の日本最古のワイン会社がルーツのメルシャンを傘下に置く
オエノンHD<2533> 傘下の合同酒精が1897年(明治30年)に茨城県牛久市に自家ぶどう園を開いたことにはじまる
JFLA<2538>   神戸ワイナリー(農業公園)で純国産ワインの「神戸ワイン」を製造・販売
アサヒHD<5857>  傘下のアサヒビールが国産ワインブランド「サント ネージュ リラ」シリーズを取り扱う
サッポロHD<2501> 傘下のサッポロビールの「グランポレール 甲州辛口」が国産ワインコンクール2014で金賞受賞
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想