イェレン議長のタカ派的発言・・・・・

著者:柳澤浩
投稿:2014/07/16 15:55

ドル円も小じっかりとなったが・・・・

 昨日の議会証言に於いて、イェレン・FRB議長は、「労働市場が FOMC の予想を上回るペースで改善を続けるなら、FF金利誘導目標の引き上げも現在の想定より早いタイミングで実施され、そのペースも速くなる可能性が高い」と述べました。

 この発言が「タカ派的」と捉えられ、ドル円は小幅上昇する動きとなりました。一応、「経済のパフォーマンスが予想より低調なら、将来の金利動向は予想よりも緩和的なものとなる可能性も高い」として、バランスに考慮してはいますが、「利上げ」に関する発言を口にした事は、意味深長と市場は判断するものと思います。

 一昨日、NY金先物相場が今年最大の下げを見せ、昨日はNY原油先物相場が約2ヶ月ぶりに100ドルの大台割れとなる等、商品市場等では調整が強まる動きも見られ始めています。又、本日は、NZドルがCPIが予想を下回った事等を材料に急落しています。

 この様な流れがじわじわと広がり、リスク資産回避の流れが本格化する事となれば、今夜の米国市場では、米国債が買われ(長期金利は低下)、ドル円も上値の重い展開に転ずるのではないかと思われます。テクニカル的にも日足の基準線が101.70円付近まで下がって来ており、此処を超えて上昇するのは難しい様に見えます。
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想