公衆無線LAN網関連に注目

著者:冨田康夫
投稿:2014/07/02 14:57

五輪開催に向け整備急務

「観光立国」実現に向けて日本では公衆無線LAN網の整備が急がれている。昨年6月の富士山の世界文化遺産登録以降、海外からの観光客の増加は加速しているが、2020年の東京五輪開催に向けてさらに増加が見込まれている。一方で、日本では街中でスマートフォンやタブレット端末からインターネットに接続しようとしても、接続できないという声が外国人旅行者からは上がっている。

 11年に観光庁が成田空港や東京観光情報センターなどで外国人旅行者に対し旅行中に「困ったこと」についてアンケートを実施したところ、「無料公衆無線LAN環境」が36.7%を占め、「コミュニケーション」(24.0%)、「目的地までの公共交通の経路情報の入手」(20.0%)を上回り最も多かった。

 もちろん、11年当時に比べて、無線LANのアクセスポイントは増えているが、「会員登録が必要」「手続きが煩雑」といった声が日本人からも聞かれ、無線LAN環境が街中にあり、iPadもWi-Fi(無線LANのブランド)版のほうが売れている米国などと比べて遅れが目立つ。今後、自治体や企業などで整備が進められるとみられ、関連銘柄の事業機会も広がりそうだ。

◆主な公衆無線LAN関連銘柄

銘柄(コード)     主な公衆無線LAN関連事業

・メルコHD<6676>  
 子会社バッファローが公衆無線LAN導入キットを販売
エレコム<6750>   
 エレコム、ロジテックで公衆無線LAN関連製品を展開
・プラネックス<6784> 
 グループ会社で無線LAN中継器・アクセスポイントなどを販売
アイコム<6820>   
 屋外・屋内で無線スポット構築可能なアクセスポイントを販売
アライドHD<6835> 
 無線LANアクセスポイントやアクセスポイントコントローラーを展開
アイオデータ<6916> 
 無線LANアクセスポイントなどを販売
ワイヤレスG<9419> 
 複数の公衆無線LAN事業者のWi-Fiスポットを使い無線通信サービスを提供
GMO<9449>    
 公衆無線LAN接続サービスを展開。グループで関連ビジネスも
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想