虫除け製品、天然成分などで用途拡大

著者:冨田康夫
投稿:2014/06/30 19:16

主成分ディート使用製品の市場規模は、国内売上高が年間50億円超

夏休みの行楽シーズンを前に虫除けが需要期を迎えている。今後、海山行楽に欠かせない肌に塗るタイプの虫除けは、ほぼすべての商品の主成分がディート(ジエチルトルアミド)という化合物だ。ディートを使用した虫除け製品の市場規模は、国内の売上高が年間50億円を超えているという。国内では、ディートを12%配合している商品を医薬品、それ以下の含有量の商品を医薬部外品として分類している。

 ディート12%の商品としてはアース製薬<4985>の「サラテクト」が代表格。高濃度商品は屋外での活動時間が長い場合に使用する。また、天然消臭成分を配合した「天然ハーブの虫よけパール」も手掛けている。

 エステー<4951>は、「虫よけアロマプラグ」を発売している。これは、電子パワーで16畳程度の広い部屋でも天然精油の虫よけ効果が広がるというもの。一方、フマキラー<4998>では、マダニに効果を発揮する虫除けスプレーの「スキンベープ」に注目が集まっている。マダニが媒介するとされる重症熱性血小板減少症候群(SETF)で、今年6月15日までの患者数は67人で、死亡者数は22人に達し、約3割が命を落としているという現実があり、恐れられている。

 住友化学<4005>は、新しいタイプのマラリア予防用防虫剤処理蚊帳「オリセットネット」を開発したと発表している。イオン<8267>と連携して、イオングループのASEAN各国店舗での販売を順次開始する。

◆主な虫除け製品関連銘柄

銘柄<コード>  今期営業増益率    株価    PER

住友化<4005>     4.1    386   14.0
エステー<4951>  ▼10.8   1007   25.8
アース<4985>    24.7   3855   24.2
フマキラー<4998>  38.9    303   21.1

※株価は26日終値(単位:%、円、倍)
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想