株主総会・今年の注目提案は?

著者:冨田康夫
投稿:2014/06/20 15:44

旧村上ファンド幹部の動向に関心

株主総会シーズンが本番を迎えつつある。今年の集中日は27日だが、ここで市場の関心を集めているのが、アクティビスト(もの言う株主)による株主総会での提案の内容だ。

 JT<2914>には、英国のザ・チルドレン・インベストメント・ファンド(TCI)が今年も株主提案を行っている。その内容は1株あたり150円配当の要求や保有する全自己株の消却などだ。JTの株主総会は24日の予定。

 今年の株主総会で特に関心が高いのが、ストラテジックキャピタルによるアイネス<9742.T>日本デジタル研究所<6935.T>への株主提案だ。ストラテジックキャピタルは、旧村上ファンド幹部の丸木強氏が代表取締役を務めている投資ファンド。アイネスに対しては前期1株当たり27円の配当(会社計画16円)を提案している。また、日本デジタル研究所に対しては1株当たり110円の配当(同50円)を求めている。別途積立金の一部取り崩しも提案している。

 両社ともに豊富な現預金を抱えている一方、株価は連結PBRで1倍台を大きく下回った状態にある。アイネス、日本デジタル研究所ともに株主総会は26日の予定。

 また、フジ・メディア・ホールディングス<4676>にも株主提案が出ている。傘下のフジテレビの視聴率は低迷しているが、役員は75歳未満とする定年制の導入などが提案された。同社の株主総会は27日の予定だ。

◆株主総会での株主からの主な提案内容

銘柄(コード) 提案内容

JT<2914>    英TCIが増配と自己株消却など要求
フジHD<4676> 株主が役員への75歳定年制の導入など提案
アイネス<9742> ストラテジックキャピタルが前期27円への増配を提案
日デジタル<6935> ストラテジックキャピタルが前期110円への増配など提案
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想