「いざか族」急増中 今、家族団らんは居酒屋で

２０１４年のトレンドキーワードにも

最近、「いざか族」が急増しているという。「いざか族」とは、週末の早い時間帯に居酒屋を利用する家族のことで、昨年１２月にリクルートホールディングス（東京都千代田区）が発表した「２０１４年のトレンドキーワード」の飲食領域でも、この「いざか族」が選ばれている。居酒屋サイドも新たな消費層として注目し始めており、不振の居酒屋業界の起爆剤になることも期待されている。

　かつて「居酒屋」といえば、仕事帰りのサラリーマンや大学生が一杯やるところだったが、「いざか族」は違う。休日のランチの時間帯や夕方早めの時間帯に家族そろって居酒屋を訪れ、個室で子どもを遊ばせながら、食事をし、家族団らんを楽しむのだという。かつてはファミリーレストランでみられていた光景だが、最近では居酒屋でもそうした風景が多く見られるようになったのだ。

　「いざか族」の多くは、親が４０歳前後の団塊ジュニア世代だ。居酒屋全盛時代に頻繁に居酒屋を利用し、慣れ親しんでいた彼らは、休日に居酒屋を利用することにも抵抗がない。ファミレスに比べても騒がしすぎず、料理もシェアして食べるものが多い居酒屋は家族団らんに最適。店側も分煙の徹底はもちろん、個室の増加や子ども向けメニューの拡充、ソフトドリンクやデザートの充実などでファミリー層の集客に力を入れている。

◆「いざか族」でメリットを受ける主な居酒屋銘柄

三光ＭＦ＜2762＞　　　　「東方見聞録」など展開。焼き牛丼の「東京チカラめし」も
ＡＰカンパニー＜3175＞　「塚田農場」など展開。生産から販売まで一貫して提供が特徴
チムニー＜3178＞　　　　「はなの舞」など展開。ファミリー層狙い郊外展開にも注力
ワタミ＜7522＞　　　　　「ワタミ」など展開。主力業態のリブランディングに取り組み中
マルシェ＜7524＞　　　　「酔虎伝」など展開。チャイルドルームつき郊外店など展開
コロワイド＜7616＞　　　「甘太郎」など展開。傘下に「牛角」のレインズインターナショナルも
大庄＜9979＞　　　　　　「日本海庄や」など展開。店舗リストラクチャリングに注力中