プロ野球16球団構想、成長戦略で球場建設関連が浮上も

著者:冨田康夫
投稿:2014/06/03 17:05

現実性は不明だが具体化すれば大きなテーマに

今月中にまとめる成長戦略の第2次提言案で、プロ球団を12球団から16球団することが盛り込まれるという。候補地は北信越、静岡、四国、沖縄を挙げ地域活性化を目指す。実際のところ現実性という点では不明だが、仮に成長戦略の一角を占めることになれば、株式市場でも大きなテーマとして浮上する可能性もある。

 下記は最近建設された主なプロ野球球団が使用する球場の建設費用だ。建設を受注した企業はもちろんのこと、それに伴うインフラ整備、飲食業などにも波及効果は大きい。
ただし、4球団プラスとなったとしても、既存の球場を増改修して対応したり、必要最小限の規模にすることも考えられ、あくまで参考といえる。

 球場建設で断トツな実績を誇るのが東京ドームをはじめ多くの球場を手掛けた竹中工務店だが、残念ながら未上場。プロ球場建設では、共同企業体による建設が主流だが、そのなかでは札幌ドームなどを手掛けた大成建設<1801>、大阪ドーム、福岡ドームの前田建設工業<1824>、そのほか五洋建設<1893>清水建設<1803>なども経験豊富だ。

 ここで注目したいのが、今回の提言が地方球場であること。ちなみに広島市民球場は五洋建と未上場の増岡組、鴻治組共同企業体によるもので、同地と縁の深い企業が受注している。この観点から見ると、北信越で新潟地盤の福田組<1899>、長野地盤の北野建設<1866>にも、“その時”が仮に来れば妙味がありそうだ。

◆主なプロ野球スタジアム建設費用

 球場名        開場年    費用

 東京ドーム      1988年  建設費約350億円
 千葉マリンスタジアム 1990年  約123億円
 福岡ドーム      1993年  総事業費760億円
 大阪ドーム      1997年  工事費498億円、総事業費696億円
 ナゴヤドーム     1997年  建設工事費460億円、総投資額550億円
 札幌ドーム      2001年  総工費422億円
 広島市民球場     2009年  建設費約90億円
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想