ドル円動けず・・・・

著者:柳澤浩
投稿:2014/05/12 15:22

目下の市場の関心はユーロの行方・・・・

 日本の貿易赤字が依然として巨額な水準となり、本日のドル円は一時的に102円台を回復する動きとなりました。しかし、日経平均株価が反落した事等も影響して、再び101円台後半に押し戻されていますが、反落したと云う程の動きも見られず、やや軟化との表現にふさわしい程度の動きに留まっています。

 一方、先週のECB理事会後の記者会見で、ドラギ総裁が、「2月理事会での行動にやぶさかではない」と述べて以来、ユーロが対ドル、対円をはじめ、対英ポンド、対豪ドルでも売られ、ほぼ全面安の展開となっています。この為、余りに動意薄のドル円には目を背け、当面はユーロ円等の動きを追う方が、はるかに収益チャンスがありそうです。

 ユーロ円は、140円丁度近辺に日足・一目雲の下限があり、金曜日には一時的に下抜ける動きも見られましたが、個人投資家の押し目買い等が下値を支え、その後、小幅に値を戻す動きとなっています。現在、雲が厚めとなっていて、141円台前半には転換線、基準線もあり、暫くはこの雲の中での揉み合いを続ける可能性があります。

 今週は、15日にユーロ圏の第1四半期・GDPの発表が予定されており、同日には、ユーロ圏・4月CPI確報値も発表されます。これらが予想よりも強めの数字となれば、3月ECB理事会での追加緩和期待が急速にしぼんでしまう可能性もあり、ユーロが急伸する可能性も出て来ます。又、ユーロ円はドル円以上に株価に影響を受ける事が多いので、日経平均株価やNYダウ等の動向を睨みつつ、短期的なトレードもやり易く、市場の流動性も高いので、お勧めの通貨ペアです。
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想