5月相場の要諦は・・・「備えあれば憂いなし」の姿勢!!

著者:津田隆光
投稿:2014/05/01 20:29

5月相場は“灰色”の季節!?

本日より5月相場がスタートしました。
5月相場で有名なフレーズと言えば・・・「Sell in May, and go away」(=5月に売り抜けろ)。

新緑が目にまぶしい季節となり、レジャーや観光には打ってつけの時期ですが、こと相場に関しては“灰色”の季節をイメージしてしまいます。直近で言えば、昨年5月後半の「バーナンキショック」が記憶に新しいところですが、4年前の2010年に発生した「フラッシュ・クラッシュ」は、ゴールデンウィーク最終日の5月6日に発生。この「フラッシュ・クラッシュ」とは、僅か数分の間にNYダウ平均株価が1000ドル近く下落し、同時にドル円相場も日足ベースで6円近く下落したこと。これをもってすぐに「5月売り」と決め付ける必要はありませんが、特に実需筋の商いが薄くなりがちなゴールデンウィーク前後のマーケットにはいつも以上に注意が必要です。
ここ最近、高速取引(HFT)がマーケットの話題となっている中、ファンド筋の決算が重なる5月。流動性の低下に伴うボラティリティの高まりに備えて、普段の月以上にキャッシュ・ポジション(現金持高)の維持・管理に配慮しながら、「備えあれば憂いなし」の姿勢を徹底したいものです。

今週末の米雇用統計に耳目が集まる中、キャッシュ・ポジションの維持・管理が最優先!!
とは言え、ここ3ヶ月のドル円相場のボラティリティはまさに“凪相場”。
2・3・4月の高低差平均が2.44円と高低差が3円台に届かなかったというのも久々の状況。ここ最近で、3ヶ月間でドル円相場の高低差平均が3円台に届かなかったのは、2012年7・8・9月の1.98円以来。この直後、衆議院解散→アベノミクス相場のスタートというビッグイベントがあったこともあり、4ヶ月目以降の相場動向についてはご存じの通り。その前の例では、2011年11月から2012年1月の3ヶ月間の高低差平均が1.93円であったものの、翌月2月には白川日銀による“バレンタイン・サプライズ”が。つまり、過去の例では4ヶ月目以降は何らかの動きがあったことになりますが、今年の4ヶ月目である5月相場はどうなのでしょうか・・・?

喫緊は、今週末に発表される米雇用統計に耳目が集まりますが、ドル円の日足・ボリンジャーバンドでは今のところ横ばい基調に変化はなさそう。ボリンジャーバンドの±2シグマである、101.20円~103.50円付近をコアレンジと想定しつつ、キャッシュ・ポジションの維持・管理を徹底した余裕のある取引を心掛けたいものです。
津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想