米長期金利の上昇が株価維持に作用

著者:冨田康夫
投稿:2013/12/12 20:45

<13日予想>25日移動平均線巡り攻防、米長期金利の動向注視

 13日の東京株式市場は、売り買いともに手掛かり材料が不足するなか、週末要因も加わり、日経平均株価は、25日移動平均線(1万5242円=12日現在)を巡る攻防となりそうだ。

 12日の東京株式市場は、前日の米国株安を引き継いでリスク回避の売りが継続。日経平均株価終値は、前日比173円安の1万5341円で3日続落となった。前日の米国株安を引き継いでリスク回避の売りが継続した。

 米議会が財政協議で合意したことを受け、11日の海外金融市場では来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)での量的緩和縮小の開始に対するハードルが取り除かれた、との見方が広がったことで、米欧株式市場は下落し米長期金利は上昇した。

 ただ、市場関係者からは「米量的金融緩和の縮小観測で、米長期金利の上昇傾向が続けば、これがドル高・円安要因となり、1ドル=102円台水準でそれ以上の円高にならずに踏み止まれば、日本株の有力な下支え要因となる」との声が出ていた。

 つまり、米量的金融緩和の縮小の動きは世界の金融市場にとって、リスクオンの動きに水を差すことになるのは事実だが、日本にとっては円安につながる可能性があるという面で株価を支えることにもなる。トヨタ自動車<7203>ホンダ<7267>など主要自動車メーカーの下期想定為替レートは1ドル=95~97円であり、現在の1ドル=102円台の水準が継続すれば、14年3月期下期(13年10月~14年3月)の業績上方修正や、来期業績の好調維持の確率が高まり、それが今後の株価推移にも反映されることになる。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想