単元変更で流動性調整がそろそろ終盤に<6140>旭ダイヤモンド工業
昨年11月13日からスタートした円安相場と12月16日の衆議院選自民党圧勝によるアベノミクス効果から日経平均株価算出対象の銘柄中心に株価底上げが続く。
そんな中でまだあまり株価が反応していない会社の一つが同社。ダイヤモンド工具製造の大手で自動車、半導体、航空機製造などの必需品だが2011年11月に高値1935円を付けた後、さえない株価展開が続く。
原因の一つに2011年半ばに実施した売買単元を1000株から100株に変更したことがあげられる。流動性が増し、それに伴う調整が延々と続いているためだ。
さらに同社の主力商品である電着ダイヤモンドワイヤが太陽電池市場の低迷によって引き合い低調。そうした背景から昨秋10月26日には下方修正を余儀なくされ、11月13日には他の円安歓迎銘柄の上昇をしり目に661円まで売り込まれた。
その後、株価はじりじりと回復傾向を見せるが特に驚くような好材料に恵まれているわけでもなく、じり高歩調ながら株価展開はあくまでも地味目。
しかし、フアンダメンタル(基礎的条件)面で恵まれない時期にしか株は安く買うことができない。そこで今の安値低迷期に同社に先行投資だ。10万円未満で買えるので分散投資しやすい。
一株純資産の何倍まで買われているかを見る指標PBRは1.1倍。
一株純利益の何倍まで買われているかを見る指標PERでは17.4倍。
いずれも株価面で過熱感はないといえる。
信用取引の買いと売りとの比率はこのところ概ね2倍台。買判断の投資が売り判断の倍で推移している状態となっている。
資産面では純資産483億円、利益剰余金388億円。有利子負債はわずか4億円と経営基盤は堅実である。
今後はスマホ向けガラス加工工具を増産する。台湾工場新棟の生産性が業績に寄与するのを待ちたい。海外売り上げ比率が46%である点から、円安効果がどの程度出ているか、5月の業績発表と今後の見通しも興味深い所だ。
投資イメージは100株10万円未満で投資できるので、何度かに分けて買付け、年予定配当28円を得ながら株価の1000円乗せを待つといった展開を想定したい。買目標はできれば900円以下。目標株価は2012年2月21日につけた1127円~960円あたり。