国外要因+国内要因・新日銀総裁人事の行方と初施策への期待と不安
現在のところ、行き過ぎた円高是正の観点から95~100円前後を目指す円安が期待されています。その値はあながち、無理な水準ではないといえますが、為替は国際間の様々な力関係で変動する側面があります。大きなイベントは相場を動かすことにつながりやすいのでマークしましょう。特にG7やG20などの国際会議や財政問題を抱える国に対する他国の姿勢などに注目です。2013年2月15~16日にはモスクワでG7があり、為替についての声明が出る可能性が指摘されています(リンク先参照)。さらに今年は国内要因として日銀総裁の交代があります。現在(本稿執筆時)の白川日銀総裁の本来の任期満了は4月8日。しかし、白川氏はその日を待たず3月19日に辞任します。そこで、目下、前倒しで後任や、副総裁が誰になるかの調整が続いています。日銀総裁は日本の金融政策に大きな影響を及ぼす立場だけに、誰が総裁になるかで為替にも影響がでます。国内のみならず国外からも重大な関心がもたれているのです(今のところ名前が挙がっている方についてはリンクを参考にしてください)。この人事の結果いかんでも為替相場に動きがでそうです。さらに、新しい総裁のもとで4月に3~4日、26日の2回、日銀金融政策決定会合があります。ここでアベノミクスを提唱している安倍現総理の施策に合致した日銀の政策が打ち出されるかが大きな注目点と言えるでしょう。もし、効果的ではないと海外から判断されると円安基調に変化が出て、円高方向に振れる可能性があるかもしれません。その際、概ね95~100円前後というトレーダーたちの思惑から逸脱した水準にまで円高になれば株価にも影響が出る可能性がありますね。