株価指数先物【寄り前】 -1σと-2σとのレンジに移行するかを見極め

配信元:株探
投稿:2025/12/18 08:23

大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 48950 -760 (-1.52%)
TOPIX先物 3357.5 -24.0 (-0.70%)
シカゴ日経平均先物 48975 -735
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 17日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米オラクルの約1兆5500億円規模の人工知能(AI)データセンター計画への出資協議から、有力な米投資会社が撤退したことが明らかになった。AI投資の資金調達が難しくなるとの懸念により同社が5%を超える下落となり、ブロードコムやアドバンスト・マイクロ・デバイセズといった半導体・AI関連株が軒並み売られた。

 NYダウ構成銘柄では、シェブロン、プロクター・アンド・ギャンブル、マクドナルド、セールスフォース、ホーム・デポが買われた。半面、キャタピラー、エヌビディア、ナイキ、シスコシステムズ、アメリカン・エキスプレスが軟調。

 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比735円安の4万8975円だった。日経225先物(3月限)は日中比10円高の4万9720円で始まった。4万9780円まで買われた後は軟化し、4万9600円~4万9700円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まると、4万9000円近辺まで下落。その後は4万9000円~4万9200円辺りで下げ渋る動きもみられたものの、終盤にかけて4万8940円まで下げ幅を広げ、4万8950円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、ギャップダウンで始まりそうだ。日経225先物は25日移動平均線(4万9930円)に上値を抑えられるなか、ボリンジャーバンドの-1σ(4万9150円)水準で下げ渋る動きもみられたが、終盤にかけて同バンドを下抜けて11月下旬以来の4万9000円割れとなった。

 朝方はヘッジ対応のショートが入りやすく、売り一巡後の底堅さを見極めることになりそうだ。早い段階で-1σ水準を上回ってくると、押し目狙いのロングを誘う可能性があろう。一方で、-1σに上値を抑えられる動きが目立つようだと、-2σ(4万8370円)や75日線(4万7970円)が射程に入ってくる。-1σと-2σによるレンジが意識されると、11月25日につけた直近安値の4万8080円をターゲットとしたショートが強まりやすくなりそうだ。

 米国ではAIへの過剰投資に対する警戒が強まっているが、足もとでAIバブル懸念も高まっていたこともあり、一定の調整は想定されていたとみられる。一方で、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が現在の政策金利に一段の利下げ余地があるとの認識を示したと伝えられ、相場を支えていた。AI関連株からのリバランスの動きが強まるものの、内需・ディフェンシブ株へのシフトにより、全体としては底堅さがみられそうだ。

 また、注目されていたマイクロン・テクノロジーの2025年9~11月期決算が、市場予想を上回ったほか、見通しについても予想以上だったことで、時間外取引で買われている。一時7%あまり上昇した後は上げ幅を縮めているが、プラス圏をキープできれば市場心理を支えるだろう。

 そのため、-1σを中心とした上下の権利行使価格となる、4万8500円から4万9500円のレンジを想定する。米オラクルの急落を受けたソフトバンクグループ<9984>[東証P]にらみの展開になりそうである。

 17日の米VIX指数は17.62(16日は16.48)に上昇した。一時は18.00まで上昇する場面もみられたが、その後は75日線(17.61)水準での攻防となった。楽観は禁物だが、12月に入り同線が抵抗線として機能していることで、過度なリスク回避姿勢にはつながっていないようだ。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.70倍に上昇した。前日までの下げで-2σ(14.59倍)を割り込む場面もみられていたこともあり、いったんはNTショートを巻き戻す形でのリバランスが意識されたようだ。ただし、-1σ(14.75倍)、75日線(14.74倍)水準が抵抗線として上値を抑える形状だった。本日は半導体・AI関連株のリバランスが警戒されるなかで、相対的にTOPIX型優位の展開から、NTショートに振れやすいだろう。



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