*14:31JST 国内株式市場見通し:日米金融政策の行方が焦点だが、バリュー株への資金シフトに注目の局面
■米国の利下げ期待再燃で日経平均は大幅反発
今週の日経平均は週間で1628.03円高(+3.3%)の50253.91円で取引を終了。NY連銀のウィリアムズ総裁が21日、連邦準備制度理事会(FRB)は近いうちに再び利下げを行う余地があるとの見方を示し、米国市場では12月の利下げ期待が再燃する形となった。東京市場は、連休明けこそAI関連株の過熱感が拭い切れずにプラス幅を縮小させたが、米国市場ではその後も経済指標の軟化が目立ったほか、次期FRB議長候補として国家経済会議のハセット委員長が「最有力」と伝えられたことなどで、利下げ期待が一段と高まり、国内ハイテク株にも波及した。結局、日経平均は週を通して上昇する形となった。
米国市場ではアルファベットやアマゾンなど大手ハイテク株の一角が上昇し、AI関連株の過熱警戒感も幾分和らぐ形になってきている。東京市場においては目立った手掛かり材料に欠けたが、米ハイテク株の上昇を背景に、半導体関連などへの押し目買いが優勢となった。なお、米国の感謝祭の影響で海外投資家の資金流入が減少、27日の売買代金は約2カ月ぶりの低水準となり、週末も盛り上がりに欠ける状況となっている。
11月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を4032億円売り越した一方、先物は1兆1333億円買い越し、合計7301億円の買い越しとなった。2週連続の買い越しとなっている。個人投資家は現物を1315億円買い越すなど、合計で1339億円の買い越しだった。一方、信託が2537億円の売り越し、自己も5459円の売り越しだった。
■日米金融政策の行方に注目続く、週初に植田総裁の講演予定
今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比314.67ドル高の47427.12ドル、ナスダックは同151.00ポイント高の23365.69で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比30円高の50280円。感謝祭の休場明けで短縮取引、薄商いとなったが、利下げ期待を背景に幅広い銘柄が上昇した。また、ブラックフライデーの販売増期待から小売株が上昇し、指数の押し上げに寄与した。CMEグループのシステム障害発生の影響は限られた。
当面の最大の焦点となるのは、12月9-10日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)となろう。ウィリアムズNY連銀総裁のハト派発言以降は、急速に利下げが継続されるとの見方が強まってきている。来週は12月第1週となるものの雇用統計の発表はなく、個人消費支出(PCE)デフレーターも9月の数値となるため、金融政策の判断が大きく変化するような材料には欠ける。ISM製造業景気指数などの景気指標やADP雇用統計を確認しながらも、利下げ継続期待は続いていくものと想定する。この点は、日本株にとっても良好な環境になるといえそうだ。
一方、日本銀行の12月利上げ観測も徐々に高まりつつあるもよう。とりわけ、植田総裁の発言も受けて、日銀は円安について、輸入物価の押し上げ要因になるが一時的との従来の見解を、利上げ判断の前提となる基調的な物価上昇率に影響を与え得るとの考えに修正したとも報じられている。12月18-19日の日銀金融政策決定会合に向けての為替の動きが重要になってこよう。また、12月1日の植田総裁の講演に対する注目度も高まりそうだ。
■高配当利回り銘柄などは投資の好機に
米国株と同様に、国内のIT関連株や半導体株の過熱警戒感は依然として拭い切れていないとみられる。こうした状況下、来週は配当金の支払いが本格化するが、これらの資金が再投資される対象はバリュー株になると考えられる。年末に向けてのNISA資金の駆け込み買い、年始からの新たなNISA資金流入などを見据えると、高配当利回り銘柄などは押し目買いの好機になってくる可能性がある。先行き不透明感が残るグロース株からバリュー株への資金シフトの動きには引き続き期待したい。
2000年以降の月別騰落率を見ると、12月は11月に次ぐ高パフォーマンスとなっている。掉尾の一振への期待が好パフォーマンスにつながっているとみられるが、今年は11月が8カ月ぶりの下落となっており、通常パターンが当てはまるかは不透明と考える。2025年の日経平均年間上昇率はここまで26%程度であり、3年連続で年間20%程度の上昇率が続くことになりそうだ。2026年はさすがに連続大幅上昇の反動も警戒されるとみられ、掉尾の一振への期待は高めにくいだろう。造船、原発、レアアースなどは引き続き注目テーマとなろうが、全般的には出遅れ銘柄を中心に選好したいところ。
■米雇用統計発表延期でADP雇用統計などに関心
来週、国内では、1日に7-9月期法人企業統計、2日に11月マネタリーベース、11月消費者動向調査、5日に10月家計調査、10月景気動向指数などが公表される。
海外では、1日に中・11月RatingDog製造業PMI、米・11月ISM製造業景気指数、2日に欧・10月失業率、11月消費者物価指数、米・11月自動車販売台数、3日に中・11月RatingDogサービス業PMI、米・11月ADP雇用統計、9月輸出入物価、9月鉱工業生産、11月ISM非製造業景気指数、4日に欧・10月小売売上高、米・新規失業保険申請件数、5日に欧・7-9月期GDP(確定値)、米・9月個人所得・個人支出・デフレーター、12月ミシガン大学消費者マインド指数、10月消費者信用残高などが発表予定。なお、米国の11月雇用統計の発表は16日に延期されている。
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今週の日経平均は週間で1628.03円高(+3.3%)の50253.91円で取引を終了。NY連銀のウィリアムズ総裁が21日、連邦準備制度理事会(FRB)は近いうちに再び利下げを行う余地があるとの見方を示し、米国市場では12月の利下げ期待が再燃する形となった。東京市場は、連休明けこそAI関連株の過熱感が拭い切れずにプラス幅を縮小させたが、米国市場ではその後も経済指標の軟化が目立ったほか、次期FRB議長候補として国家経済会議のハセット委員長が「最有力」と伝えられたことなどで、利下げ期待が一段と高まり、国内ハイテク株にも波及した。結局、日経平均は週を通して上昇する形となった。
米国市場ではアルファベットやアマゾンなど大手ハイテク株の一角が上昇し、AI関連株の過熱警戒感も幾分和らぐ形になってきている。東京市場においては目立った手掛かり材料に欠けたが、米ハイテク株の上昇を背景に、半導体関連などへの押し目買いが優勢となった。なお、米国の感謝祭の影響で海外投資家の資金流入が減少、27日の売買代金は約2カ月ぶりの低水準となり、週末も盛り上がりに欠ける状況となっている。
11月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を4032億円売り越した一方、先物は1兆1333億円買い越し、合計7301億円の買い越しとなった。2週連続の買い越しとなっている。個人投資家は現物を1315億円買い越すなど、合計で1339億円の買い越しだった。一方、信託が2537億円の売り越し、自己も5459円の売り越しだった。
■日米金融政策の行方に注目続く、週初に植田総裁の講演予定
今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比314.67ドル高の47427.12ドル、ナスダックは同151.00ポイント高の23365.69で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比30円高の50280円。感謝祭の休場明けで短縮取引、薄商いとなったが、利下げ期待を背景に幅広い銘柄が上昇した。また、ブラックフライデーの販売増期待から小売株が上昇し、指数の押し上げに寄与した。CMEグループのシステム障害発生の影響は限られた。
当面の最大の焦点となるのは、12月9-10日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)となろう。ウィリアムズNY連銀総裁のハト派発言以降は、急速に利下げが継続されるとの見方が強まってきている。来週は12月第1週となるものの雇用統計の発表はなく、個人消費支出(PCE)デフレーターも9月の数値となるため、金融政策の判断が大きく変化するような材料には欠ける。ISM製造業景気指数などの景気指標やADP雇用統計を確認しながらも、利下げ継続期待は続いていくものと想定する。この点は、日本株にとっても良好な環境になるといえそうだ。
一方、日本銀行の12月利上げ観測も徐々に高まりつつあるもよう。とりわけ、植田総裁の発言も受けて、日銀は円安について、輸入物価の押し上げ要因になるが一時的との従来の見解を、利上げ判断の前提となる基調的な物価上昇率に影響を与え得るとの考えに修正したとも報じられている。12月18-19日の日銀金融政策決定会合に向けての為替の動きが重要になってこよう。また、12月1日の植田総裁の講演に対する注目度も高まりそうだ。
■高配当利回り銘柄などは投資の好機に
米国株と同様に、国内のIT関連株や半導体株の過熱警戒感は依然として拭い切れていないとみられる。こうした状況下、来週は配当金の支払いが本格化するが、これらの資金が再投資される対象はバリュー株になると考えられる。年末に向けてのNISA資金の駆け込み買い、年始からの新たなNISA資金流入などを見据えると、高配当利回り銘柄などは押し目買いの好機になってくる可能性がある。先行き不透明感が残るグロース株からバリュー株への資金シフトの動きには引き続き期待したい。
2000年以降の月別騰落率を見ると、12月は11月に次ぐ高パフォーマンスとなっている。掉尾の一振への期待が好パフォーマンスにつながっているとみられるが、今年は11月が8カ月ぶりの下落となっており、通常パターンが当てはまるかは不透明と考える。2025年の日経平均年間上昇率はここまで26%程度であり、3年連続で年間20%程度の上昇率が続くことになりそうだ。2026年はさすがに連続大幅上昇の反動も警戒されるとみられ、掉尾の一振への期待は高めにくいだろう。造船、原発、レアアースなどは引き続き注目テーマとなろうが、全般的には出遅れ銘柄を中心に選好したいところ。
■米雇用統計発表延期でADP雇用統計などに関心
来週、国内では、1日に7-9月期法人企業統計、2日に11月マネタリーベース、11月消費者動向調査、5日に10月家計調査、10月景気動向指数などが公表される。
海外では、1日に中・11月RatingDog製造業PMI、米・11月ISM製造業景気指数、2日に欧・10月失業率、11月消費者物価指数、米・11月自動車販売台数、3日に中・11月RatingDogサービス業PMI、米・11月ADP雇用統計、9月輸出入物価、9月鉱工業生産、11月ISM非製造業景気指数、4日に欧・10月小売売上高、米・新規失業保険申請件数、5日に欧・7-9月期GDP(確定値)、米・9月個人所得・個人支出・デフレーター、12月ミシガン大学消費者マインド指数、10月消費者信用残高などが発表予定。なお、米国の11月雇用統計の発表は16日に延期されている。
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